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2013年09月26日|小児肘内障
今日の午後の診療時間中、以前に何度か小児肘内障で来院したことのある女の子とご両親が来院された。
お父さんは小さな赤ちゃんを抱っこしていて、また娘さんが肘を脱臼されたのかと思い挨拶をすると「今度はこの娘なんです」と10ヶ月の娘さんを抱きながら説明をして下さった。
娘さんの様子を伺うと寝返りを打った際に脱臼したようで、急に左手を使わなくなり、はいはいをしなくなったとのこと。また、まだ立つ事は出来ないので、転倒はしていないとのこと。
私と目が合っただけで泣きだしてしまったが、お父さんに左手が前側になるように協力して頂き、無事に整復音を触知し整復終了。帰りには少し泣き止んでいたかな。またお姉ちゃんのように脱臼を繰り返さないようにね。
久しぶりの0歳児の小児肘内障でした。お大事に。
大船駅東口より徒歩1分
急患応需 0467-45-6700
大船接骨院 院長 佐藤和義
2013年09月11日|小児肘内障
9月11日午前11時過ぎに2歳の娘さんのお母さんから電話が有り娘さんが肘を脱臼したようなのでこれから診て欲しいとの事。
間もなく娘さんを連れてお母さんが来院された。脱臼した後は泣いていたそうだが、来院時は泣きやんでいた。笑顔のかわいい女の子である。
既往歴を見ると今年の2月に同じ右肘の脱臼で来院されていた。私も年のせいか、2月に来院された時の女の子の記憶が曖昧で、お母さんから、「前回は主人が連れてきました」と言われて、2月の事を少しずつ思い出した。
その時はお父さんに抱かれて来院されて、受傷原因はお爺さんがお孫さんの右手を引っぱり脱臼されたのであった。
今回の受傷原因をお聞きすると、自宅で娘さんがお母さんの背中に乗ってきたため、床に落とさないようにゆっくりと降ろしていたら、最後に右手首を握って引っぱってしまったとのこと。
引っぱった時には右肘で音がしたとのこと。アンパンマンのおもちゃやプーさんのぬいぐるみで気を引きながら右肘の脱臼を整復したら、少しの間泣かれましたが、お母さんに小児肘内障について説明しているうちに、受傷した右手を使ってアンパンマンのおもちゃで遊んでいました。
上の娘さんは過去に5回以上脱臼されたそうで、今は5年生になり脱臼はしなくなりましたが、幼稚園の年少ぐらいまで脱臼していたと話して下さいました。
小児肘内障は、大人の肘関節の脱臼とは異なります。橈骨頭にある輪状靱帯の亜脱臼です。整復されれば治癒ですが、大人の肘関節脱臼では側副靱帯の損傷を伴い、不安定性が出れば手術するケースもあります。
柔道の吉田選手は柔道で投げられた時に手を着き肘関節を脱臼されて、保存療法で経過を見られましたが、関節の不安定性が残り手術をされました。その後、総合格闘技で大活躍されたのは有名です。
少子社会になり小児肘内障は減少しておりますが、当院には定期的に来院されております。他に、肩関節脱臼、肘関節脱臼、指関節脱臼、顎関節脱臼、足関節前方亜脱臼など。
<急患応需>
お電話の上、来院下さい。
0467-45-6700 大船接骨院
2013年08月30日|挫傷(肉離れ)
平成25年6月8日土曜日の午後8時過ぎに妹から中学時代の同級生がバレーボールでふくらはぎを怪我したので、診て欲しいと連絡があり、午後9時にその同級生が来院した。
左腓腹筋内側頭の肉離れでまともに足が付けず、歩行が困難であった。バレーボールでスパイクのために踏み込んだ際に受傷されたとのこと。お仕事が配送業の夜勤業務で休めないため、踵を高くして腓腹筋を弛緩し、歩行が可能となるように冷却後、固定処置を施した。
2週間ほどで通常歩行が可能となり、腓腹筋の断裂部の硬結がわずかに残存するも、バレーボールに元通り復帰され、2ヵ月半ほどで治療を終えた。年齢的にも再受傷されないように準備運動と整理運動は充分に行ってほしいものである。
重症の腓腹筋断裂ですと、アキレス腱の不全(部分)断裂ぐらいの治療日数がかかるものです。
2013年03月24日|小児肘内障
3月23日土曜日は中学時代のクラス会があり、12時に帰宅後少し飲み過ぎて頭痛がしたので、酔いを醒ましてから入浴して深夜2時の就寝となってしまった。
3月24日日曜日は午前11時から東京で勉強会があり、9時55分の大船発の車に乗る予定だったので、9時まで寝ようと思っていたのだが、7時30分に接骨院の電話で起こされた。
もちろん妻が電話に出たのだが、急患の電話で子どもさんのお母さんの説明では、朝6時に小学2年生の息子さんが小学5年生のお兄ちゃんに布団の上で一本背負いをされて、左腕を痛がっていて手も握れないとのことだった。取り敢えず1時間後ぐらいに来てもらうように伝えて着替えをしていたところ、暫くしてまた接骨院の電話が鳴った。
先程の患者さんがもう少し早く来院したいと、電話を掛けて来られたのかと思い妻が電話に出ると、昨日娘さんが左足首を捻り、今日、痛みが強くなっているため9時に診て欲しいとお父様からの電話であった。出掛ける前に治療が終えられそうなので、来てもらうことにした。
8時過ぎに先程の小学2年生の男の子とお母さんが接骨院に到着した。お母さんから話を聞くと、現場を見てはいなかったそうだが、お兄ちゃんの話では、布団の上で柔道の一本背負いを弟に掛けて、弟は投げられた時に左腕を身体に巻き込まれてしまったようだ。
左腕を診ると腫れも熱感も無く、鎖骨部、肩関節周辺上腕骨遠位端部、前腕骨遠位端部に限局した圧痛は認められなかったが、とにかく痛くて泣いている。腕は回旋が困難で、やや回内位を呈していた。肘関節の屈伸は痛がるが多少は可能であった。
今まで「いわゆる腕が抜けた」肘関節の脱臼(小児肘内障)歴は無いとの事。
☞小児肘内障は2才から5才ぐらいによく発生する、橈骨頭の周囲にある輪状靱帯の亜脱臼であるが、稀に小学生の低学年でも発症するので、(私が診た最高齢は小学3年生の9才だったと記憶している。)
症状から小児肘内障だろうと判断し整復を試みた。整復すると、小児肘内障特有の整復音が触知出来て前腕が回外可能となった。小児肘内障では通常湿布も包帯もしないのだが、かなり痛い痛いと泣かれたため、湿布と包帯を施し入浴は許可した。小児肘内障の後は再脱臼し易いので、お母さんにお兄ちゃんが手を引っ張らないように注意を促した。
一度自宅に戻り、出掛ける準備をして9時を少し過ぎたところで、もう一人の急患の患者さんが来院された。お父さんの車で来院され、娘さんと言っても11ヶ月の子供さんがいる30代の奥さんで、昨日自宅の玄関先の敷石のところで左足の甲を捻り、痛みは軽かった為近所のご実家まで歩いて往復したところ、今朝は昨日よりも痛みが増して歩くのが辛くなったとのことであった。
患部を拝見すると腫脹は軽度で有るが、リスフラン関節部に圧痛が有り、荷重歩行痛が有る為、跛行を呈していた。
☞左中足趾関節捻挫(リスフラン関節捻挫)
冷却後、シーネと包帯で固定を施行したところ、荷重歩行痛はほぼ消退し、笑顔で帰られた。
治療を終え、時計を見るともう9時50分であった。急いで、接骨院の戸締りをして、大船駅まで走った。幸い乗ろうとしていた東海道線は遅れていて、横須賀線が丁度良い時間に有り、乗り継ぎも上手くいったため、余裕を持って勉強会には間に合った。
朝から2人の急患の患者さんが来院したが、何故か、今日はまだ急患の患者さんが来られるのではと予感がしていた。
夕方4時過ぎに勉強会を終えて、携帯のメールを見ると妻から急患のメールが届いていた。電話をしたところ、すでに接骨院の前に患者さんが来ていて、接骨院を開けに行くところであった。
患者さんはバレーボールで足首を捻った様子。歩行が困難で、お友達に送って頂いたようだ。妻に患者さんをベッドに寝かせて患部を高くしてアイシングをして待ってもらうように伝えた。
1時間ほどで接骨院に到着すると、患者さんと妻が談笑していた。同年代の子供が居る為、話も尽きなかった様だ。退屈せずに待って頂けたのかもしれない。
患者さんは30代の女性でバレーボールのプレー中、ブロックに跳んで着地の際に相手のアタッカーの足を踏んでしまい右足首を捻ったそうだ。かなりの痛みで足が床に着けず、ママ友に自分の自転車に乗ってきてもらい、別のママ友に車で送って頂いたそうだ。
患部を診ると、1時間以上アイシングをしていたので、腫脹は中等度、内・外側副靱帯の圧痛は著明で、前距腓靱帯の損傷が強く、既往歴は定かではないが、前方引き出し症状(++)であった。
☞左足関節捻挫(前距腓靱帯損傷・脛腓靱帯損傷・踵腓靱帯損傷 ・三角靱帯損傷)
〈左足関節(健側) 前方引き出し症状(+) 既往症あり〉
足関節部の底・背屈制限があり、整復後シーネ固定を施した。固定後は足も着けるようになり、帰りはぎこちない運転では有ったが、ご自分の自転車で帰られた。
日曜日に3人もの急患の患者さんが来院して、忙しい1日であったが充実した1日でもあった。
当院は、お昼休み、土曜日の午後、日曜、祝日、 平日の時間外に在宅していれば、急なお怪我の場合には対応しております。
急なお怪我は致し方が無いので、遠慮なくお電話下さい。
1日様子を見ますと腫れも強くなりますし、受傷後出来るだけ早めの冷却・固定処置が大切です。
夜間痛も軽減できます。留守電の場合は、実家の電話か私の携帯電話をお知らせしますので、掛け直して頂ければ幸いです。
【急患応需】
大船駅東口より徒歩1分
0467-45-6700
大船接骨院
2013年02月03日|骨折
先日、雪の降った3日後に昨年アキレス腱断裂を当院で治療され治癒された50代の女性が、玄関先の外階段の雪が凍結した所で足を滑らせて転倒され、右手首を負傷して来院された。階段の雪はもう解けていて凍結しているとは思わなかったらしい。
そういえば、雪の積もった週は気温が上がらず寒い日が続いたので、日蔭の雪はなかなか解けずに1週間ほどは残っていたように思う。
右手首は腫脹と運動痛があり、橈骨遠位端部に限局性の圧痛を認め視診と触診上はわずかな右橈骨遠位端部陥入骨折であったが、レントゲン上では骨折線が認められず骨折(-)との診断であった。
手関節の捻挫症状もあり、わずかに陥入した部分を整復(牽引)して冷却後、固定を施した。わずかな陥入骨折でも整復(牽引)は手関節部(橈側手根関節及び下橈尺関節)のアライメントを整える意味で私は必須と考えている。
患部が利き手でとても不自由ではあるのですが、左手を使って何とかお車の運転も可能とのことであった。
そんな折、3日後に全く同じ場所の凍結した階段で足を滑らせて転倒され、今度は左手を着いてしまったと来院された。左手首は幸い骨折症状は無く橈側手根関節と下橈尺関節の捻挫で幸い軽傷であった。右手が使えないため包帯固定はせずにテーピング固定を施した。
さすがに、両手首の負傷は不自由で、とても気の毒なのですがアキレス腱断裂の治療期間に比べれば全治1~2ヵ月程度なので、少しの間ご辛抱頂ければと思います。
お大事に。
昨年アキレス腱断裂で通院された患者さんが橈骨遠位端骨折で来院の続きを読む
2013年01月20日|打撲
1月15日(火)は前日の積雪の影響で、始業前には接骨院前の除雪作業で汗を流しました。とても寒かったのに薄着でも流れるほど汗が出てきて、とても清々しく感じました。
現在、通院中の患者さんが転倒して治療患部が増えても困りますし、当院の前を通られる方が転倒して怪我をされないように雪を排水溝に集めては、上から踏んで落としました。ついでにお隣の医療ビルの前も除雪して、従業員2人と接骨院前の歩道部分の雪は殆んどが除雪出来ました。
さて、1月14日(月)の「成人の日」はかなりの積雪だったので、翌日の15日(火)の診療は暇だろうと思っていたのですが、不運にも雪で足を滑らせ転倒された新患の患者さんが5人も来院され忙しい一日になりました。
怪我の部位は、膝関節の打撲の方が1人。腰部の打撲の方が一人。手首の骨折(橈骨遠位端部陥入骨折) の方が3人でした。何故か全員が女性でした。
左膝部打撲の患者さんは、友人宅で新年会をされてお酒を飲まれ、それ程の量を飲まれたわけではないそうですが、友人宅から帰る時に玄関先で転倒されて膝を着いたとのことで、転倒された記憶もなく、鵞足部の打撲で痛みも強く跛行を呈していました。冷却とテーピング等の固定処置を施しました。
腰部打撲の患者さんは70代の方で新年会に着物を着て出席されて、会場からの帰りに雪で足を滑らせ転倒し、尻もちは着かず腰の帯の所を強くぶつけた様子でした。寝返り時の疼痛や起立痛も強く腰椎の圧迫骨折や横突起骨折の疑いがあったため、冷却、固定後、翌日総合病院の整形外科へご紹介し、X線検査の結果、明らかな骨折所見は認めませんでした。
手首の骨折(橈骨遠位端部陥入骨折)の患者さんは、何れも雪で滑り転倒した際に、とっさに手を着き受傷されたものでありました。
午後の初めに来院された70代の患者さんは、早朝に出先で転倒され、近くに総合病院があったので、朝一番で受診されました。整形外科医師よりレントゲン検査上でははっきりと骨折は認められないので、痛むようなら1週間後に来院するよう言われたとのことでありました。そして、時間を追うごとに手首の痛みと腫れが増してきたので、電話で当院に問い合わせて来られました。
来院された時にはご自分で段ボールの切れ端を副子にして、その上から病院で巻かれた伸縮包帯を巻き直されていました。ちょっとサイズが合ってはおりませんでしたが、伸縮包帯よりは痛みも楽であったご様子でした。
この患者さんの場合、病院との同日受診で二重診療になってしまうのではと思いましたが、患者さんが前医の処置では痛みが取れず来院された場合には摘要欄にその旨を記入すれば二重診療にはならずに同日受診は認められます。
セカンドオピニオンと同様です。
この患者さんは、外見上、橈骨遠位端部にX線では判断出来ない程度のわずかな陥入骨折が健側と比べてあったため、冷却後、整復固定処置を施しました。整復固定後は自発痛もかなり軽減しました。
同じ頃、書道の先生をされている女性が来院され、(午前中に電話があったのですが)拝見すると明らかに橈骨下端部に短縮変形があり、外見上整復が必要であると判断出来ました。
骨折の同意をお願いしているクリニックに診察を依頼したところ、X線上橈骨遠位端部に一部陥入を含んだ短縮変形を認める橈骨遠位端部陥入骨折でした。
積雪の割には連休明けで患者さんも多く来院されていたので、長めに冷却をして、通院中の患者さんを先に治療させて頂いてから、整復固定処置をさせて頂きました。整復の際は痛みを訴えられましたが、固定後は自発痛もかなり軽減しました。
3月には書道展があるとのことで、幸い左手で良かったのですが、早く治らないと展示会の作品が書けないので、困ってしまうとのことでした。書道の時には前傾して左手で身体を支えなくてはならないので、左手とはいえ早急に治らなくてはなりません。しかし、書道展までは日が有りますし、シーネ固定は1ヵ月ほどで取れますので、問題はないとお伝えしました。
最後に、診療時間終了間際に、朝の3時頃雪道で転倒されて、様子を見ていたところ段々と痛みが増してきた患者さんが来院されました。
左手関節橈側手根関節部の捻挫症状と橈骨遠位端部にわずかな陥入骨折を認める所見でした。冷却後、整復(牽引)固定処置を施しました。整復(牽引)固定後は自発痛もかなり軽減しました。何れも骨折部が重なり合う陥入骨折で、転位の強い方以外は比較的自発痛が軽度で、整復動作での疼痛も軽度でありました。
整復固定処置により、ほとんどの方に夜間痛は有りませんでした。
高齢女性の手首の橈骨遠位端部骨折は骨密度の低下により、その多くが骨折部に陥入を認めます。また、手を着いた際の強度と角度によりレントゲン検査上、骨折線が認められないことも多くあります。
外見上、健側と患側の手関節の橈骨茎状突起と尺骨茎状突起の位置関係を比較することが重要です。短縮変形が軽度ですと捻挫の診断となってしまい、固定処置もなく湿布や伸縮包帯程度では自発痛が強くなってしまう場合がかなり有ります。
ある程度のご高齢の方が転倒されて、手を着いて手首を怪我された場合は、手関節捻挫(関節部の靱帯などの軟部組織損傷)よりも橈骨遠位端骨折の症状の方が殆んどです。 若年者によくある不全骨折(ひび)は見られず陥入骨折が多く見られます。
陥入骨折は骨膜下骨折で自発痛は軽度ですが、早めに受診して頂いた方が良い疾患です。
2013年01月09日|骨折
12月3日(月)に40代男性の左鎖骨骨折の患者さんが完治されたが、12月13日(木)に保育園でバランスを崩して左側に転倒して、左腕を全く使わなくなってしまった5才の女の子が翌日の14日(金)に来院した。
上腕骨には触診上、腫脹も痛みもないので、鎖骨骨折ではと思いシャツを少しめくると屈曲変形と限局性圧痛を認める左鎖骨骨折であった。付き添って来られたお母さんに「鎖骨骨折ですね」と伝えると少し驚かれた様子だったが、左右の鎖骨を比べて見てもらい、そっと触れて頂いた。
「あっ本当ですね」と納得され、骨折の同意をお願いしているクリニックに診察を依頼し、レントゲン上、5才の子供さんには珍しいかなりの屈曲変形を呈した左鎖骨骨折であった。痛みも強く左手を全く使えない状態なので、鎖骨バンドで固定することにした。丁度良いサイズの鎖骨バンドがあり、胸郭を拡大させて固定した。
鎖骨バンドで固定すると、ある程度自然整復されたため痛みも大分軽減したようで、ニコニコと笑顔になりお母さんも安心されたご様子だった。
翌日はお父さんが付き添って来院された。娘さんの様子をお聞きすると昨日はあまり痛みも訴えずに良く眠れた様子。鎖骨の状態を触診すると屈曲変形が自然整復されてフラットな状態になっていた。
昨日のお母さんと同様にお父さんにも鎖骨の骨折部をそっと触れて頂いた。昨日はかなり曲がって骨折部が飛び出ていたが、今は整復されて真っ直ぐになっている為、痛みも無くなっている状態で有る事をご説明した。
翌々日、お母さんに付き添われて5才の女の子が来院すると、2日前と様子が変わっていた。お母さんにお聞きすると、痛みが全く無くなった為、部屋の中をお姉ちゃんと走り周っていたらお姉ちゃんと左肩が当たってしまい、鎖骨がまた痛みだしてしまったとのこと。
左鎖骨に触れると、初診の時ほどの転位は無いが、翌日のフラットな状態から再転位していた。再整復し、鎖骨バンドを調節した後、痛みが引いてしまうと子供さんの心理から遊びたくなるのは仕方がないことだが、出来る限りの安静をお願いした。
それから、5日程で自発痛は消え、仮骨形成も触知が出来た。成長期の子供さんの骨折の仮骨形成は驚くべき早さで、成人に比べれば骨癒合もかなり早い。そのため固定期間も短くて済む。小さな子供さんの自然治癒能力は素晴らしく、骨折部がずれてついたりして曲がっていても自家矯正されて、真っ直ぐになってしまう。
年末年始はご両親で鎖骨バンドを取り外して頂き、入浴も許可した。年始の1月9日に来院されて、仮骨形成も充分触知出来、受傷から4週間を経過したので、鎖骨バンドを除去し経過観察とした。
1月31日に保育園の学芸会があると聞いていたので、それに間に合って本当に良かったですね。
2013年01月07日|捻挫
新年明けましておめでとうございます。
昨年末は29日が土曜日だった為に、通年よりも年末の診療が1日短くなり、1月3日まで5連休となりました。通院中の患者さんには長い休診でご迷惑をお掛けしてすみませんでした。
ところで、年末と言えば、クリスマス、買い物、大掃除、年賀状書き等で患者さんは忙しくなり通院間隔を空けられて、接骨院は暇になるのですが、年末になると大掃除や買い物などで怪我をされた患者さんが気の毒ではありますが必ず来院されます。
今回の年末年始は休みも長いので、急患の患者さんが来られる予感はしていたのですが、やはり4人の急患の患者さんが来院されました。
1人目の患者さんは、仕事納めの29日(土)午後3時頃に来院。30代の女性の方で、数日前に道で小走りした際、右膝の内側を捻り、痛みがそれ程強く無かったため様子を見ていたところ、仕事で立ち仕事をしているうちに、段々と痛みが増してきて足を引きずるようになってしまい、仕事を早退して来院されました。
(傷病名)左膝関節捻挫☞内側側副靱帯軽度損傷
アイシング等の治療後は、お仕事が殆んど立ち仕事という事なので、入浴後のアイシングや靴について色々とアドバイスさせて頂いて早速、治療の帰りに靴屋さんで靴を購入されました。年明けの7日に来院された際は、正月中も仕事に出られたようで痛みも引き良くなられていたので、とても安心されていました。
2人目の患者さんは、29日(土)21時30分ごろ来院。通院されているお嫁さんから連絡を頂き、義母の膝を診て欲しいと連絡が有り、患者さんご夫婦と息子さんご夫婦で来院されました。
義母さまが膝を痛められたのは2日前、大掃除中に高い棚の上の物を台に乗って取り、床に降りた際に右膝を少し捻ったような感覚があり、痛みは無いので、そのまま大掃除を続けて、翌日も1日大掃除をして過ごされました。
次の日の朝に右下肢に体重を掛けると右膝に痛みが出るようになり、少しびっこを引くようになったが、やりかけた大掃除を続けて、夕方ご家族と外食に出掛けて食事をされているうちに右膝がジンジンしてきて、まともに歩けなくなってしまい来院されました。来院時は、右膝全体に腫脹が強く右膝の屈曲は90度が限界で、伸展も不十分でした。
(傷病名)左膝関節捻挫☞内側半月板と内側側副靱帯軽度損傷
長めのアイシング後、しっかりと固定処置を施して翌30(日)の朝も来院頂き、お休み中のアイシングと安静、固定の交換をご主人にして頂くようお願いしました。
1月4日(金)に来院された際には、腫脹も疼痛もかなり消退していて右膝の関節可動域も正常に近いところまで回復していました。1人目の方と同様に、受傷時の損傷は軽度でも動いているうちに、徐々に炎症症状が増していってしまった症例でした。
3人目の患者さんは、大みそかの31日(月)の朝8時過ぎに、昨日、眠れないほど左肩が痛くなり、これから診て欲しいと男性の方から電話がありました。もうすぐ出掛けるところだったので、すぐに来院して頂きました。
患者さんは、70代の男性でレストランを営まれており、受傷の原因は、前日にレストランの片づけ作業で年末の大掃除をしていて、左肩を少し捻ったが、痛みはその後感じなかったので片づけ作業が終わるまで続けられました。夜、入浴後に寝ようとしたら、左肩の痛みで朝までほぼ一睡も出来なかったそうです。
患部を拝見すると、左肩の前方にゴルフボール程の腫脹と熱感があり左肩の挙上と外旋は困難でありました。
(傷病名)左肩関節捻挫☞左肩関節包炎と上腕二頭筋腱炎の症状
1月の仕事始めは4日(金)からとの事だったので、何とかお休み中に炎症が取れ、就労が可能になって頂きたいと思いました。
お話を聞くとお独り暮らしということでしたので、包帯でがっちりと固定をしてしまっては、お正月に入浴も出来なくなってしまいます。なので、アイシング後にテーピングとバンド固定をして、お休み中はご自身で、テーピングの上から6時間置きにアイシングをして頂くようお願いしました。また、腫脹と疼痛の軽減に合わせて、アイシングの間隔を空けて頂き、左肩の炎症が起きている所まで深く入らなければ、元旦の夜から入浴も構わないと伝えました。
1月4日(金)朝に来院された時には、患部の腫脹もほぼ消退していて今日のランチ営業が出来ると喜ばれていました。
4人目の患者さんは、3日(木)午前9時来院。
2日夜の帰宅時に接骨院の留守番電話の着信履歴を見ると、朝9時から4回も同じ電話番号の着信履歴がありました。パソコンのデータで検索をしてみると、80代の女性の患者さんで、折り返し電話をしてみました。
その方は書道家の先生で、大変耳が遠くていらっしゃるのですが、電話ですと話がし易く、安心です。色々と原因をお聞きいてみると年末の大掃除で31日に換気扇の掃除を背伸びをしてやり、その日の午後には買い物に出掛けて重たい野菜を持ち運ばれたそうです。
元旦には3度の食事の支度をされて、夕方には右膝が痛みだしたそうです。翌朝起きてみると、足を引きずらないと歩けず、当院に電話をされたそうです。留守電の録音から私の携帯電話をメモされて携帯に掛け直して下さったのですが、私の携帯電話を一か所だけ間違われてメモされており、繋がらなかったようです。
前置きが長くなりましたが、幸い患者さんは痛みだしてからはご自分で右膝を冷やしていて、夜も眠れているようでしたので明日の3日(木)朝9時に来院して頂く約束をしました。
翌朝9時少し前に治療室に降りて行くと患者さんはすでに入り口前に待っていました。すぐに入って頂き、電話でお聞きした原因を確認して、右膝を拝見しました。腫脹は中等度でしたが、膝の屈曲は90度が限界。伸展もかなり制限がありました。歩くのはかなりお辛そうでした。
患者さんは以前、右膝が半月板ロッキング症状を起こした既往もあり、当然、年齢的には軟骨組織の減少や変性を来たしております。
(傷病名)右膝関節捻挫☞変形性膝関節症あり
そんな右膝の状態で年末年始に集中して多くの負荷を掛けてしまい、右膝も悲鳴を上げてしまったようです。アイシング後、固定処置をしていると、お話では1月7日には書き初めがあり、その準備も有るそうでお忙しいとの事でした。
翌日の4日に来院された時には、腫脹も荷重歩行痛も軽減しており何とか書き初めまでには症状が落ち着きそうでひと安心しました。
以上、年末年始の急患の患者さんの4症例でしたが、何れも受傷後に患部に対して継続して負荷を掛けられた為、炎症症状が増してしまった方ばかりでした。怪我をされて、少しでも違和感や痛みを覚えたら我慢をせずに安静が必要です。
また、腫脹や炎症を抑える為に冷却と適切な固定が重要です。
早めの処置で痛みが早く引き、治療期間が短縮出来ます。
急なお怪我は遠慮せずにお電話下さい。
2012年12月10日|マレットフィンガー
今日、出先で母からのメールでマレットフィンガー〇〇さん090-〇〇~と連絡が有り、急患の連絡と思い電話をすると37才の女性で、バスケットボールのプレー中に突き指をしてしまい、骨性マレットフィンガーの診断を近くの整形外科で受けられ、手術を勧められて近隣の済生会病院に紹介されて、受診した際に保存療法を希望されたため、元の整形外科に戻されたとのこと。
紹介先の整形外科では、手術をしないと変形が残るし後遺症で痛みも残ることがあると、説明をされたようで相当悩んでおられるご様子だった。後日、元の整形外科に行くと、アルフェンスの固定を自分でテーピング交換するよう指示され、次回の再診は2週間後と言われてしまったそうだ。
保存療法を患者さんが望まれて、手術はしないことになったのなら、保存療法の治療でベストな状態を考えて欲しいのに、医師から「私の言う事を聞かないのなら、変形が残っても仕方ないですよ」と、突き放されてしまったような状況で可哀想に思ったので、「済生会病院は南部病院ですか、東部病院ですか」とお聞きすると「済生会病院です」と答えられた。
はてな?「お住まいはどこですか」と聞くと「香川県です」と答えられ、ちょっとびっくりしてしまったのですが、インターネットは凄いなと感心しつつ、どうにか良い結果になるよう患者さんと相談しながら、色々と現状をお聞きしてアドバイスをさせて頂いた。
受傷されたのは11月29日で、連絡を頂いたのは12月9日だったからもう11日が経過しているため、もう一度紹介先の済生会病院にお願いして手術をされるか、多少第1関節が曲がってしまっても屈曲する力や屈曲制限は残らないので、見た目が気にならないのであれば、保存療法でも問題は無いと思われる旨を説明した。
ただ、2週間に1度の通院で、自分でテーピング固定を巻き直すのは、巻き直す度に骨片に動揺を加えてしまうので、もう少し間隔を開けずに通えて、固定の状態をコントロールしてくれる接骨院が近くに有れば保存療法ならその方が良いと思うと伝え電話を切った。
翌日の12月10日(月)午後の空いた時間にどうしてもその患者さんが気になり電話を掛けてみたところ出られなかったが、着信に気づいて折り返し電話を下さった。
どうされたか聞くと病院には行かず、近所の接骨院の何件かに電話されたそうだが、治療をして下さるところは見つからず、手術をした方が良いと言われることが多かったそうだ。
こうなったら、患者さん自身がやるしかないので、ご自分でアルフェンスを外してテーピングを交換する際には、反対の手で第1関節を伸ばした状態を保って、ご主人に手伝ってもらいながら、決して第1関節が曲がらないように御主人にアルフェンスを当ててもらい、テーピングも上手く巻いてもらえれば何とかなるのではないか、また、頻繁にテーピングの巻き直しはしないようアドバイスした。
イメージとしては下記の写真のように第1関節を少しだけ曲げて固定した方が、骨片が安定して骨癒合し易い。
骨性マレットフィンガーの場合は約4~6週の固定期間を必要とする。また、骨癒合後は、固定により生じた関節の動きの制限を超音波バスなどの温熱治療で治療する。
第1関節(DIP関節)は第2関節(PIP関節)より拘縮が起き難く、リハビリで回復が見込まれる。ただ、骨片が癒合しない場合(偽関節)が稀に有るため、定期的なレントゲン検査等が必要である。
固定後の症状にもよるが、リハビリには固定期間以上かかる場合が多い。しかし、伸展制限が多少残ったとしても、屈曲制限はリハビリでほとんど改善されることが多い。患者さんが出来るだけ良く治られる事を遠くから祈っている。
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2012年11月27日|小児肘内障
11月27日午後12時過ぎに臨月のお母さんが2歳半の男の子を連れて来院された。笑顔の本当にかわいい男の子であった。
つい先ほど、仲通り商店街を歩いていて、息子さんがバランスを崩して倒れそうになったので、お母さんが左手を引っ張り上げたら左腕をダラーンとして使わなくなったそうだ。
上の息子さんが何度か脱臼をして当院に連れて来られた経験があるお母さんなので「脱臼をしたみたいなのですが」と言われて来院された。息子さんは脱臼が初めてで左肘関節脱臼(小児肘内障)であった。回外法で整復音もしっかり触知出来て、整復の際にほんの一瞬だけ泣いたが、すぐに泣き止み帰りはニコニコ笑って帰って行った。
また、肘が抜けないように気をつけて下さいね。臨月のお母さんは1週間後に出産予定とのこと。元気なお子さんを出産して下さい。お身体お大事に。今度は女の子かな。