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2019年04月01日|マレットフィンガー
左手第4指腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)の60才男性がほぼ完治され、3月30日で治療を終えました。
負傷年月日は平成30年12月2日日曜日で、釣りの道具を棚に置こうとして突き指をしたのか、シャワーの後の着替えで突き指をしたのか定かではなく、台所でタバコを吸っていたら左手の薬指の第一関節が60度くらい曲っていて、自力では伸ばせない状態だったそうです。同日、救急外来専門の病院で外科医の診察を受けられて、アルフェンスシーネで固定をされました。翌日は会社近くの開業整形外科を受診されて、アルフェンスシーネを交換することなく、そのままで帰されたそうです。
当院来院時、12月22日(負傷から21日目)の外観写真です。
これではPIP関節、MP関節までも曲がりませんので、長期間この固定をしてしまうと関節拘縮の恐れがあります。当院来院時までは患者さんご自身で、アルフェンスシーネはそのままにして、テープを交換されていたとのことです。受傷から1週間後には固定を取って、趣味のギターを弾かれたとのことでした。
当院では患者さんの指に合わせて作成したプラスチックシーネで第一関節のみの固定に変更し、1~2週間に1回ほど通院いただきました。
下記が3月30日の治癒時の外観です。
患者さんの健側の 右手第4指の第一関節は最大屈曲80度、
第二関節の最大屈曲110度です。
一般的な平均値は第一関節は80度、第二関節は100度です。
3月30日患側の左手第4指の第一関節と第二関節の可動域を計測しますと
第一関節は最大屈曲78度、第二関節の最大屈曲110度でした。
上記写真のように、ほぼ屈伸制限なく完治されました。
負傷から治癒まで119日間(約4ヶ月)、
当院への通院期間は99日間で通院はわずか12日でした。
来院された際、患者さんは腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)を受傷されたことで、長年趣味でされているギターの演奏をそろそろやめようかと思っていると言われました。私はすぐにギターの演奏を諦めるのではなく、取り敢えずは
①ギターを弾く際に左手で弦を押さえられるように、第一関節をほぼ最大に
曲げられるように改善させること。
②ギターの演奏に支障がない範囲内で第一関節を伸ばすこと。
を治療の目標設定にしました。
幸い経過が良好だったので、3月初めから少しずつギターの演奏を再開されました。まだ違和感はあるようですが、以前のようにギターの演奏が出来るようになられたので、とても嬉しく思いました。正直なところ年齢的には、こんな短期間でここまで改善されるとは思ってもいませんでした。
これからもギターの演奏を楽しんで頂ければ幸いです。
当院にはここ数年の間に鎌倉市内、横浜市、藤沢市、平塚市、茅ヶ崎市、逗子市、横須賀市、川崎市、相模原市、足柄下群湯河原町、東京都、埼玉県、千葉県、静岡県、山梨県、福島県、栃木県、茨城県、京都府、大阪府、兵庫県、北海道札幌市、青森県青森市などから、腱性マレットフィンガーの患者さんが200名以上来院されました。現在も20名以上の方が通院されております。
また、手術後の骨性マレットフィンガーの患者さんも20名以上来院されました。
以前から整形外科領域では、腱性マレットフィンガーは骨性マレットフィンガーに比べ経過(予後)が悪いと言われております。その上、腱性マレットフィンガーは完治はしないと言われる整形外科医も多くおります。また、整形外科から当院に転療された腱性マレットフィンガーの患者さんの多くは、担当医から
「骨性マレットフィンガーの方が良かったですね」と言われております。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
それは明らかな間違いです。
腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)は
①適切な固定具を使用すること。☞患部への圧迫は禁忌。
②初期からの物理療法(温熱療法)を施行。当院では超音波バスを施行。
③適切な固定期間(約6~8週間) ☞年齢により異なる固定期間。
④6~8週間の固定後の日中のテーピング固定。(職種などにより異なる)
⑤4~12週間の夜間固定により、第一関節の伸展が安定。
上記により充分な治療効果が望め、日常生活に支障のない関節可動域の
改善が得られます。
腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)が予後不良になる原因のほとんどは、
固定具による患部への圧迫によるものです。
下記は38才男性です。他医にて写真の装具をされていたのですが、痛みが強く16日後に転療されてきました。当院の治療で伸展は0度になりましたが、最大屈曲は約20度制限が残ってしまいました。
下記は54才男性ですが、負傷後1週間で他医より転療されてきました。この方は担当医から「バンドを強く締めなくては駄目だから」と装着された装具を1週間も我慢されて、夜間痛みで眠れなかったそうです。約3か月間通院頂きましたが、治療の甲斐なく、第一関節の伸展は約-25度で、屈曲は40度制限が残ってしまいました。しかも、第二関節の最大屈曲にも約20度制限が残ってしまい、大変お気の毒でした。
下記の写真は13才の中学生男子ですが、アルフェンスが食い込んだ状態でかなりの痛みを訴えられ、他医より転療されてきました。
アルフェンスを取った状態が下記の写真になります。第二関節から中節骨の背側に陥凹と内出血が生じています。これでは気の毒ですね。中々痛みが引きませんでしたが、幸い成長期の若年者だったことも有り完治はされました。
上記の写真のように装具のバンド部分やアルフェンス、テーピングによって、患部を強く圧迫されてしまうと患部の組織が圧壊されてしまい、細胞レベルの修復が困難になり、予後が不良になります。
このことが原因となり第一関節が充分に伸ばせなくなったり、曲げることも制限が生じてしまい後遺症が残ってしまいます。また、治療期間も通常より長期に至ってしまいます。
つまり、固定による副作用が予後を不良にしております。
受傷時に痛みの無かった腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)が病院で固定をしたら、痛みで辛いと言われ転療されてくる患者さんが多数おられます。
そういった患者さんの患部を拝見すると可なりの圧迫による陥凹、発赤、浮腫みを生じていて、強い痛みを訴えられる方さえおります。(上記写真を参照)
当院では年齢にもよりますが、手術後の骨性マレットフィンガーの患者さん(若年者を除く)よりも、負傷初期より(負傷から1か月以内で上記のような装具による圧迫が患部に見られなかった症例)当院で治療された腱性マレットフィンガーの患者さんの方が、日常生活にほぼ支障の無い関節可動域に改善されており経過は良好です。
総合病院の整形外科、大学病院の整形外科、開業整形外科等の手の外科専門医、整形外科専門医にとって、腱性マレットフィンガーは重きを置く疾患ではありません。忙しい整形外科の外来診療では、重症な骨折や手術を必要とする重篤な外傷性疾患に重きを置いています。これはトリアージの上では致し方の無いことです。
さて、腱性マレットフィンガーの患者さんを開業整形外科の医師が、手の外科専門の医師に紹介するケースが多々あります。通常なら整形外科の先生方の連携においては、紹介先の医師は患者さんを紹介され快く思うものです。しかしながら腱性マレットフィンガーの場合は「紹介元の整形外科で治療が可能な腱性マレットフィンガーの患者を何で紹介してきたのか?」と患者さんは医師に怪訝な反応をされてしまいます。手の外科専門医は紹介されたから仕方なく治療をするか、もしくは「当院で診る疾患ではないから、元の整形外科に通って下さい」と言われてしまう患者さんが殆どなのです。
ここで患者さんにとっての重大な問題が生じます。
開業整形外科なら通院の間隔が1~2週間であったのに、大学病院や総合病院の手の外科専門医のいる整形外科外来に通院すると、外来患者さんが多いため、4~8週間後の再診となります。そして、患者さん自身が固定具を上手く装着できないまま放置され、時間だけが過ぎてしまいます。その結果「腱が上手く着かなかったから手術をしますか?それとも、このまま固定で様子を見ますか?」となります。
患者さんは出来れば真っ直ぐにしたいので、あまり医師も勧めない手術を受けられて、納得が出来ない結果を受け入れられず後悔されている方もおります。
保存療法で6~8週間固定をして第一関節が伸びなかったから、手術をするのでは伸筋腱断裂部の組織に変化が生じている為、完治はかえって難しくなります。また、元々、伸筋腱断裂部には血管分布が乏しく、腱性マレットフィンガーで患部に内出血は見られません。もしも内出血が見られたなら、第一関節の側副靭帯損傷を合併されていたか、装具による圧迫で生じたものと考えられます。
腱性マレットフィンガーは負傷から2~3ヶ月を経過した予後が不良な症例でも、日常生活に支障のない機能改善が見込めると、手の外科専門医で有名な石黒隆医師が著書の中で述べています。(実際に経験された受傷後3ヶ月で伸展が-50度の左手小指腱性マレットフィンガーの治療をされて、6ヶ月後に伸展0度、屈曲60度まで改善された症例の外観写真も掲載されています)
☞骨性マレットフィンガーの手術は「石黒法」という,石黒隆医師が開発した
手術法で行われております。
正直申しまして、もったいないのです。
腱性マレットフィンガーは保存療法で充分に機能改善出来る疾患であり、ある程度の年配者(50才~70才)の方でも日常生活に支障のない機能改善は充分に可能です。
40才以下なら概ね完治しますし、50才以下でも完治またはわずかな可動域制限しか残りません。
他医での強い圧迫固定により当院に転療された患者さんで、経過が不良な方を拝見しますと、本当に残念で仕方がないのです。
初めから当院で治療をされていれば完治もしくは、ほぼ機能的な制限がわずかで済んだと思われる方が多数おられます。このような患者さんを一人でも減らしたい、少しでも救済出来たらと思い、このようなブログを公開しております。
当院は基本的に優先予約制とさせていただいております。来院される場合は電話かメールでご連絡下さい。その際に、負傷年月日、負傷原因、年齢、簡単な治療経過を教えていただき、ご都合の良い日時を受付に伝えていただきご予約下さい。固定処置に時間の掛かる患者さんとは同一時間にならないよう、優先的に拝見します。会社帰りなどで来院される時間がはっきりしない場合は、おおよその来院時間を教えていただければ幸いです。
恐れ入りますが、来院時には箇条書きで結構ですので、負傷年月日、負傷からの経過を記入したメモをご用意いただければ幸いです。宜しくお願い致します。
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交通事故治療対応
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☎ 0467-45-6700
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2019年03月08日|骨折
2月1日、高2の娘が体育の授業のバスケットボールで左手小指中節骨裂離骨折を負傷してから、早いもので1ヶ月以上が過ぎました。3月の初めに残りの2回のバスケをやりたいと言うので、経過も良かったため、シーネ固定でプレーを許可しました。幸い再受傷をする事も無く、お蔭さまで3月7日に完治しました。
伸展制限も屈曲制限も有りません。
娘にとっては初めての骨折であり、大怪我でしたが早く治って良かったです。
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左手小指中節骨剥離骨折を負傷した高校2年の娘が完治の続きを読む
2019年02月23日|骨折
2月1日に高2の娘が体育の授業のバスケットボールで左手小指中節骨裂離骨折を負傷してから、早いもので3週間以上が過ぎました。
お蔭さまで経過も良く順調に回復しております。
下記は受傷日の2月1日の外観写真になります。
下記は受傷から22日後の2月22日の外観写真になります。
だいぶ腫脹が軽減しております。
下記は受傷日の2月1日の外観写真になります。
下記は受傷から22日後の2月22日の外観写真になります。
だいぶPIP関節が曲がるようになりました。
この日はシーネ固定をした状態で、体育の授業のバスケットボールを無理はしない約束で少し許可しました。帰宅後に接骨院へ来た娘に聞くと、バスケットボールを主に右手でキャッチして、左手は添える程度に使い、問題なくプレーが出来た様子でした。
写真のように屈曲痛、屈曲制限、骨折部の限局性圧痛などが可なり消退したため、シーネ固定を除去しました。伸縮性テーピングを巻いておりますが、日常生活上は痛みも無く、ほぼ支障のない状態になりました。あと1~2週間で完治できそうです。
来週に最後のバスケットボールの授業が有るようですが、再受傷しないようにしっかりとシーネ固定をしてプレーさせようと思っております。
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2019年02月02日|骨折
2月1日金曜日の昼休みに妻と昼食をとっていると、高校2年の娘から妻にメールがありました。
娘「多分突き指した」「結構痛い」
妻「お父さんに言っておくから帰り次第治療だね」
娘「はーい」「めっちゃデカイ氷を渡されて真っ赤っか」
このような妻と娘のメールのやりとりがありました。
午後の4時ごろに娘が接骨院に来て、腫れた左手小指を見ると可なりの腫脹と、屈曲制限が認められました。患者さんはそう多くはなかったので、娘から詳しく負傷の状況を聞き、外観の写真をデジカメで撮りました。(下記の写真を参照)
負傷状況やPIP関節掌側の限局性圧痛、屈曲制限等の諸症状からPIP関節の中節骨基部掌側骨折(掌側板付着部裂離骨折)を想定しながら超音波観察装置のB‐modo画像で観察をしました。すると転位のない中節骨基部掌側の裂離骨折が観察されました。
娘にとっては初めての骨折でしたが、体育のバスケットボールは好きなようで
「バスケをやっていいの」といきなり聞いてきました。
私は学生時代にバスケットボール部だったので「右手だけでドリブルしたりするのは構わないけど、左手が突き指しそうな試合形式のプレーは当分の間無理だよ」と言うと「そんなのバスケ部じゃないから無理だよ」と笑いながらも少しむっとされました。
短時間ですがアイスパックでアイシングをして、プライトンと包帯で固定処置を施しました。
午後の治療時間を終えると妻から「髪を洗えないから、包帯を取ってお風呂に入らせたいから包帯を持って来て下さい」とメールが届いておりました。私は包帯を持たずに自宅に戻り「急性期だがら固定を取っては駄目だよ」と伝えました。今夜からしばらくの間は左手をビニール手袋で覆ってから手首をラップして、包帯を濡らさないように入浴をしないといけないことを、妻は経験上分かっていると思っていたのですが・・・
思い起こせば平成19年10月8日、妻は娘が通う小学校のPTAのバレーボールに初参加し、練習ゲームのアンダーレシーブで前に出た時に右アキレス腱を完全断裂してしまい、私が保存療法(早期歩行療法)で治療しました。その際にはシャワーカバーを使用して、受傷当日からシャワーを浴びることが出来ました。
10年以上を過ぎると、怪我の急性期にはしばらくの期間は患部の固定を取らずに入浴したことさえ、忘れてしまうものなのでしょう。
現在、娘は毎日学校を終えてから自宅に戻る前に接骨院へ寄って治療をしています。後遺症なくしっかり完治してくれればと思っています。これまで怪我らしい怪我をしたことのなかった娘ですが、このくらいの骨折で済み良かったとも思っております。
患者さんに比べて家族に対しては治療がおろそかになりがちな私ですが、娘が早く体育の授業に復帰できるよう、誠心誠意治療しようと思います。
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高2の娘が体育の授業のバスケットボールで左手小指中節骨裂離骨折を受傷の続きを読む
2019年01月25日|脱臼
今日の午後3時に1才2か月の可愛らしい女の子がお母さんと一緒に来院されました。
左右の手を使って特に泣いていることも無く、どうしたのか不思議に思いながら治療室に入っていただきました。負傷の原因をお母さんにお聞きすると、お子さんをお腹の上に載せてお子さんの手首を持って腹筋の真似ごとをしていたら、急に泣き出して右手を使わなくなったようでした。
しかしながら、おもちゃを渡しても右手を伸ばしてきておもちゃを手に取り、普通に左右の手を使っていました。
お母さんも困惑して「何でもなかったようで、すみません」と言われましたが、左右の手の使い方の違いに気づきました。
というのは、左手は手の平を上に向けておもちゃを持っているのですが、右手は手の平を下に向けたままで前腕を回外出来ない状態でした。
試しに右手を持って前腕を回外させようとすると、嫌がって少し泣きそうな表情になりました。
念のために超音波観察装置で左右の右肘の腕頭関節を観察すると、右肘にはJサインが認められ、炎症の反応も有りました。左肘には認められませんでした。
お母さんに小児肘内障(小児に特有の肘の輪状靭帯の脱臼)であることをお伝えして、しっかりと抱っこしていただき整復しました。
するとお母さんにも聞こえる大きな整復音があり、整復されました。
女の子は少しだけ泣きましたが、おもちゃであやすとすぐに泣き止み、おもちゃで遊び出しました。
お母さんに再脱臼しないように、お子さんに洋服を着せる時や入浴後のタオルで手を拭く時などには再脱臼しやすいので、手首を引っ張らないように注意していただくようご説明して治療を終えました。
初めての小児肘内障とのことでしたが、また、脱臼しないように気をつけてください。お大事に。
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2018年12月28日|マレットフィンガー
受傷後20日以上を経過し、整形外科ではもう治らないと言われた腱性マレットフィンガーの41才男性の方の治療経過をお伝えします。
10月30日埼玉県朝霞市の男性からメールを頂きました。以下が頂いたメールです。
「腱性マレットフィンガーと診断され、もう治らないと言われて困っています。
今日10月30日まで改善がないため、病院に行くと腱性マレットフィンガーと言われ、時間も経ってるからもう手遅れで治療法もないし、治らない。今後はグーも出来なくなるかもと言われました。もう手遅れなのでしょうか?
もし何か治療法があるならお伺いしたいのですが、家からも遠く、仕事もあり直近で行くのは診療時間内が難しいのですが、相談にはのっていただけるのでしょうか?宜しくお願いいたします。」
以下が私からの返信です。
「以前、埼玉県八潮市から1~2週間おきに通院されて、腱性マレットフィンガーで完治された48才男性の方が居りますが、確か大船まで1時間30分はかかると言われていました。朝霞市もそのくらいかかるようですね。
さて、年齢が解らないので一概には言えませんが、腱性マレットフィンガーは2~3ヶ月過ぎてから治療しても可なりの機能的改善が見込めます。取り敢えずかぶれないようでしたら、第一関節のみを真っ直ぐにテーピングなどで固定することをお勧めします。
10月11日の負傷でしたら、まだ日が経っていませんから、右手の小指と同じにするのは無理でも、可なりの改善が可能ですし、手遅れではありません。
ちなみに放置されてもグーは完全に出来ます。伸ばす方だけが困難になってしまいます。ある程度伸ばすことが出来て、尚、曲げる方も改善されたいでしょうから、遠方でも来院頂けますか。
取り敢えず、今週末の11月3日(土)の午後3時はいかがでしょうか。祝日なので休診ですが、この日は早朝8時から9時に4名の腱性マレットフィンガーの患者さんを治療します。9時から14時ぐらいの間に、治療室のエアコンのクリーニング作業が入っています。業者さんに立ち会うため接骨院で仕事をしておりますので、午後3時ごろでしたら、手が空くと思いますので、来院頂ければ固定処置、物理療法、今後の見通しについて詳しくご説明いたします。返信お待ちしております」
「返信ありがとうございます。土曜日15時大丈夫です。お伺いいたしますので宜しくお願いします。休みなのに申し訳ございません。ありがとうございます。ちなみに年齢は41才です」
この男性患者さんは自動車の整備士をされており、11月2日(金)の午後に時間の都合がついて来院されました。下記が来院時の外観です。
お電話を頂いた際にすぐに固定をして下さったので、11月2日の来院時には受傷から23日(3週+2日)ですが、伸展の維持が可能になっていました。
超音波バスによる温熱療法後、第一関節をシーネ固定しました。
遠方なため1~2週間に1回程度、通院して頂くことにしました。
その後、経過も良く11月27日(受傷から48日=6週間+6日)の来院時の関節可動域は下記のようになりました。
左手小指の第一関節の伸展は0度で最大屈曲は約50度です。
右手小指(健側)の第一関節の最大屈曲は85度です。
それから2週間後の12月11日(受傷から62日=8週間+6日)の来院時の関節可動域が下記になります。
(最大屈曲時)
このような症状により日常生活やお仕事にとても支障を来してしまい、大変お困りでした。
このような症状を関節拘縮と言います。
可なりの期間を要する状態である事を丁寧にお伝えし、定期的に通院いただきました。お仕事の都合上、週に1~2回しか通院出来ず、1年近く通院されましたが、関節可動域の制限は残ってしまいました。
平成30年12月26日の最終通院日の外観が下記になります。
健側に比べますと伸展制限、屈曲制限ともに残存しておりますが、浮腫、発赤、屈曲痛などの諸症状は消退しております。拘縮症状が強く、来院時は機能障害が可なり残存すると思っておりましたが、幸い3指はほぼ左右同等のレベルまで機能改善されました。5指も屈曲制限はわずかに残りましたが、可なり改善されました。
患部の右手第4指 第一関節の伸展が-45度⇒-25度、屈曲45度⇒60度
第二関節の屈曲が79度⇒100度
長期間に渡り通院頂き大変お疲れ様でした。 またお怪我をされないように気をつけてください。
当院はJR大船駅南改札東口から徒歩1分で、大船駅は湘南新宿ラインなどのアクセスも良いため、遠方から来院される患者さんも多数おられます。
腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)や骨折後の手関節、手指の関節可動域制限(拘縮症状)、足関節周辺の捻挫や骨折後の可動域制限等でお悩みの方は、遠慮なく下記の電話番号かメールにご連絡ください。
被害者救済の立場から、
交通事故の頸椎捻挫(むち打ち症)や腰椎捻挫、打撲傷、関節捻挫(靭帯損傷)等の治療も医科と連携をとり適切に対応しております。遠慮なくご相談ください。
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優先予約制(電話または来院時にご予約をお願いします)
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受傷後20日以上を経過し来院された腱性マレットフィンガーの患者さんの経過の続きを読む
2018年12月01日|脱臼
9月30日、10月1日、10月5日に右肩関節脱臼で来院された男性が、ご紹介先の整形外科での鏡視下によるバンカート損傷修復オペと入院を終えて、11月30日に当院でのリハビリを希望されて再来院されました。
患者さんは下記の右肩関節脱臼整復後のレントゲン画像のように、肩甲骨の関節窩に剥離骨折を認めておりました。 ☞骨性バンカート損傷
10月中旬に入院され、翌日にオペをされました。約1か月の入院の後、2週間程は通院でリハビリをされておりました。しかし、就労に復帰されるとそちらの病院へは通院が困難なため、当院のリハビリを希望され、紹介先からの後療依頼の書類をお持ちになりました。下記写真のように来院時の鏡視下オペの傷痕はわずかで、低侵襲手術の凄さを感じました。
まだ術後、約1ヶ月半なので可動域制限を残してはおりますが、12月からは長く休まれていた溶接のお仕事にも復帰され、ホッとされている事と思います。
リハビリは長期間を要すと思いますが、以前のように左右の差が無くなるまで右肩関節の可動域制限を改善していきましょう。お大事に。
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2018年11月30日|マレットフィンガー
平成30年11月26日の午前中、3年前に腱性マレットフィンガーで川崎から通院頂いた40代の女性の方が、首と胸鎖関節の痛みで来院されました。
患者さんは平成27年7月25日ズボンを脱ぐ時に右手の小指を引っ掛けてしまい負傷されました。
すぐに近所の接骨院へ通院され、プラスチックシーネで固定をされて41日間(5週間と6日)で固定を外されてしまいました。私のブログを読まれていた患者さんは夜間固定を希望されて、接骨院でアルフェンスの夜間固定を作成してもらいました。しかしながら、暫く夜間固定をされて通院治療されても経過が思わしくないため、平成27年10月15日に来院されました。
当院来院時の外観写真が下記になります。浮腫、発赤、屈曲痛が有りました。
患者さんの健側の左手第5指の第一関節と第二関節の可動域を計測しますと
第一関節は最大屈曲85度、第二関節の最大屈曲102度でした。
一般的な平均値は第一関節は80度、第二関節は100度です。
10月15日患側の右手第5指の第一関節と第二関節の可動域を計測しますと
第一関節は最大屈曲50度、第二関節の最大屈曲96度でした。
伸展は患側が-15度、健側が+5度でやや反るタイプでした。
患側に関しては、夕方になると-15度から-20度以上に屈曲してしまう
状態でした。
川崎のご自宅からは当院まで約1時間ほどかかり、年末年始はお忙しいとのことで、12月24日に完全屈曲と完全伸展は不充分でしたが治療を中止しました。
この頃には夜間固定を一日置きにしたり、日中はテーピングをせずに過ごしていただいておりましたが、入浴時の屈伸運動をしっかりと継続していただければ、これからもかなり良くなる事をお伝えして治療を終えました。
それから暫くした、翌年の6月末に患者さんからお手紙とスマホで撮影した右手小指の写真を7枚も頂きました。
当院来院前、来院時と治療途中、来院最終日、翌年の約2ヵ月おきの経過をこまめに撮影されていて、徐々に第一関節が伸びていく様子が解りました。
そして3年ぶりに来院されて、右手第5指の具合をお聞きすると、全く痛みも違和感も無くなり、可動域もほぼ良くなられていました。下記が外観写真です。
右手第5指の第一関節の伸展はほぼ0度です。屈曲もほぼ左右同じ可動域になっていました。
「こちらの接骨院に通って本当に良かったと思っています」と言われ、とても嬉しく思いました。
現在、当院には年齢は10代~60代、21名の腱性マレットフィンガーの患者さんが通院中です。(骨性マレットフィンガーのオペ後の患者さんは1名通院中)
毎月4~5名の新患の患者さんが来院されております。腱性マレットフィンガーの患者さんは延べ220人以上来院されております。
今朝も40代女性の右手第5指腱性マレットフィンガーの患者さんが来院されました。負傷は11月13日でラグに突き指してしまったそうです。
負傷当日に近所の開業整形外科を受診されて、レントゲン検査上は骨折は無く、総合病院の手の外科専門医を紹介されましたが、受診すると担当医からは腱性マレットフィンガーは手術療法も保存療法も治りにくいと言われてしまったそうです。担当医から次回までに手術療法か保存療法のどちらを希望するか考えてくるように言われ、再診で行かれた際に、保存療法を希望されると元の開業整形外科へ戻されてしまいました。
☞これは良くある事です!
元の開業整形外科へ数日後に行き事情を話すと「手術をしないなら治らなくても良いということですね」とまで言われてしまったそうです。それでも数回通院され、11月28日に皮膚がかぶれてしまい、インターネットで検索をしていたら当院のホームページを見つけ、電話をいただき来院されました。
開業整形外科ではPIP関節(第二関節)を含むアルフェンスシーネ固定を掌側にされ、総合病院の手の外科専門医では背側にされたそうですが、元の開業整形外科では、掌側にアルフェンスシーネ固定を戻されたそうです。その際、患者さんから指のPIP関節(第二関節)を曲げると痛むので、固定を短くしてくださいと言って、アルフェンスを切ってもらったそうです。
下記が来院時の固定状態と患者さんの患部です。
アルフェンスを止める伸縮性テーピングがきつかったり、緩かったりして少しかぶれもしたそうですが、幸い浮腫みや褥瘡などは有りませんでした。
テーピングで患部を伸展位固定して超音波バス(オンパー)の温熱療法後、患者さんの右手第5指の第二関節部手前までに、ぴったりと合った熱可塑性プラスチックキャスト材でシーネ固定を作成しました。
2か所の病院の整形外科医師から完治はしないと宣告されてしまった患者さんですが、年齢的には40代前半の方で、右手第5指の第一関節(DIP関節)、第二関節(第二関節)の可動域が広く、第一関節(DIP関節)が反る(過伸展する)タイプですので、ほぼ完治しますよとお伝えしました。
この日、患者さんから12月22日の冬至の日に、娘さんがお母さんとゆず湯に入りたいと言っているとお聞きしました。その頃は負傷から約5~6週間になりますので、経過が良ければテーピングで固定をして入浴は可能になると思います。入浴後は指の第一関節(DIP関節)を曲げずにテーピングで交換し、本日作成したプラスチックシーネをテーピングで同じように固定していただきます。その頃になりましたら、またご教示致します。
腱性マレットフィンガーの治療で大切なことは?
①患者さんの指の形に合ったフルオーダーの固定を作成。
②適切な固定期間(6~8週間)+夜間固定(4~12週間)
+日中の固定テーピング(患者さんの職業や症状により施行)
③初期からの物理療法と第一関節の伸展を維持した上での、第一関節の
経過に伴った、適度な屈曲のリハビリ。
④長期を要す疾患としての、患者さんと医療者側の相互理解と思いやり。
(全日の固定期間は6~8週間 夜間固定は4~12週間 治療期間は3~6か月以上)
⑤職業(建設業、内装業、音楽家、S.Eなど)や趣味(ゴルフ、剣道、バレー、
バスケ、柔道等)手指の使用頻度を医療者側が理解した上で、患者さんも
治療(固定、リハビリ等)に協力し参加する。
⑥数週間過ぎた放置例や数か月過ぎた経過不良例でも、固定や物理療法等
の治療によって、ある程度の機能回復が得られる疾患であるという理解。
陳旧例であっても年齢によっては完治する方もいるという事実を知る。
⑦不適切な圧迫固定による褥瘡形成や極端に短い固定期間、第二関節
(PIP関節)を含む、または第二関節の屈曲に妨げとなる固定を長期間
(4週間以上)されることによって後遺症が残るという事実を知る。
腱性マレットフィンガーは誤った初期治療さえしなければ、50歳以下の方なら、90%以上治る(=可動域の改善)疾患です。40歳以下の方はほぼ完治が見込めます。
50歳~70歳の方でも 日常生活には支障のない機能的改善が見込めます。
当院はJR大船駅から徒歩1分で、大船駅は湘南新宿ラインなどのアクセスが良いため、遠方からも来院される患者さんが多いです。
腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)や骨折後の手関節、手指の関節可動域制限、足関節周辺の捻挫や骨折後の可動域制限等でお悩みの方は、遠慮なく下記の電話番号またはメールにご連絡ください。
被害者救済の立場から、
交通事故の頸椎捻挫(むち打ち症)や腰椎捻挫、打撲傷、関節捻挫(靭帯損傷)、骨折等の治療も医科と連携をとって適切に対応しております。遠慮なくご相談ください。
大船駅南改札(ルミネウイング側)東口より徒歩1分
鎌倉市大船1-23-31サトウビル1階
急患応需
交通事故治療対応
労災指定接骨院
優先予約制(電話または来院時にご予約ください)
☎ 0467-45-6700
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3年前に腱性マレットフィンガーで通院された女性の経過の続きを読む
2018年10月15日|小児肘内障
月曜の午前11時ごろに初診の患者さんで、4才の男の子をお母さんが連れて来られました。
東京にお住いの方で、ご実家に帰られていた際の負傷のようでした。
負傷の原因をお聞きすると、息子さんが朝トイレに行き戻ってきたところ、まだ眠かったのかカーペットの上でゴロゴロしていたら急に左手を痛がり使わなくなった様子でした。
誰も負傷したところを観ていなかったそうですが、転んで手を着いた様子はないとのことでした。
お母さんが息子さんに確認して「転んだりしていないね」と聞くと「うん」とうなずきました。
以前に一度だけ左肘を急に使わなくなったことがあったそうでしたが、暫くして自然に使うようになり治ってしまったとのことでした。
負傷後も泣いたりはせず、強い痛みを訴えてはいない様子でしたが、 お母さんの同意を得て念のため超音波観察装置(エコー)で患部を確認することにしました。
すると、健側の右肘の腕頭関節部に比べ、 患側の左肘の腕頭関節部には小児肘内障特有のJサインが観察出来ました。
整復後も同様に左肘の腕頭関節部を観察するとJサインの消失が確認出来ました。
整復後すぐにはためらって猫バスの動くおもちゃを使わなかったのですが、間もなく右利きにもかかわらず脱臼した左手でしっぽを引っ張って遊びだしました。
最後に、息子さんが左肘関節が右肘関節と同様に最大屈曲出来るようになったことをお母様に確認して頂きました。
「保育園へは明日から行っても大丈夫ですか」と聞かれたので、
「保育園には明日から通常通り行かれても大丈夫ですよ」と伝えました。
また「今夜の入浴についても左手首を急に引っ張らないように気を付けていただけば大丈夫です」と伝えました。
もう4才なので小児肘内障は起こりにくくなっており、5才になれば小児肘内障はほぼ生じなくなります。
小児肘内障後のすぐには再脱臼しやすいので、再脱臼をしないようにその他の諸注意事項をご説明し治療を終えました。
これから東京のご自宅へお帰りになるようで、接骨院を出るとお母様の右手に息子さんの左手を繋いで歩いて行かれたので、冷や冷やしながら見送りしました。
また小児肘内障(脱臼)にならないように気を付けて下さいね。お大事に。
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2018年10月06日|脱臼
深夜の3時に接骨院の電話が鳴りました。当然夫婦共に熟睡していたのですが、電話の音で目が覚め、妻が電話に出ると先日の右肩関節脱臼の男性の奥様からでした。
すぐに私が代わると「深夜に本当にすみません。主人がまた肩を脱臼してしまって、とても痛がっているのですが、どうしたら良いでしょうか」とのこと。電話口からご主人のうめき声が聞こえてきました。
どうも就寝中、無意識に右へ寝返りを打った時に右肘がつっかえ棒になり、再脱臼してしまった様子でした。
患者さんはうつ伏せのまま、痛みで寝返りも立ち上がる事も出来ない様子でした。電話で奥様に色々と指示しながら何とか起き上がってもらい来院頂こうと試みましたが、可なりの痛みで無理なようだったので往診することにしました。大船駅の西口の方で、徒歩15分程度でしたので3時30分過ぎに身支度をして出かけました。大船駅前ではマクドナルドの新築工事をしておりました。
大船駅の改札周辺には数人の人が居りましたが、まだ電車は動いてはおりませんでした。改札を通り過ぎ、大船駅の西口へ降りて、右側の柏尾川沿いの道をとぼとぼと歩いて行きました。
4時少し前には到着し、マンションの手前まで奥様が出てきてくれていました。
大分以前に高齢のおばあさんの往診をしたことのあるマンションで、懐かしく思いながら2階のご自宅を案内されました。
ご主人は先程やっとの思いでうつ伏せから布団の上に座った状態になりお待ちでした。折角座って頂いたのですが、すぐに布団へ上向きに寝て頂きました。
下記がその際の整復前の外観写真です。
前回同様、ゼロポジション法でゆっくり挙上しながら整復するとすぐに整復されました。下記が整復後の外観写真です。
10月1日月曜日にクリニックへ診察依頼したところ、X線検査上肩甲骨の関節窩に、先日の脱臼時に生じたと思われる剥離骨折(バンカート損傷)を認めました。そのため、反復して脱臼してしまう状態になっているので、肩関節の専門医に紹介状をお書きしました。10月4日木曜に受診されて、10月16日入院、10月17日に手術が決定しておりました。
その翌朝の再脱臼でした。
手術の日まで再脱臼を繰り返されないように、接骨院で下記のような鎖骨骨折用のバンドを装着して頂きました。
入院が16日間、オペ後の外転挙上固定が6週間で、暫く自動車の溶接作業の仕事が困難となってしまいますが、しっかり治されれば再脱臼をしなくなりますので、リハビリを頑張って頂けたらと思います。
くれぐれもお大事になさって下さい。
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