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2018年04月28日|足関節捻挫
金曜の夜9時過ぎに夕飯を食べていると接骨院の電話が鳴りました。妻が出ると岩瀬中学校の体育館で午後7時から9時に一般開放でバスケットボールをされているクラブチームの代表の方からでした。
チームの男性が右足首を捻挫したので、これから診て欲しいとのことでした。
一旦自宅へ子供さんを送ってから来院されるとのことで、食事を済ませてから
一階の接骨院へ降りました。
代表の方からは、大したことはないと思うんだよねと言われていたのですが、原付バイクで来院された患者さんは、バイクを降りるとケンケンで全く右足を着けませんでした。 下記が来院時の外観写真です。受傷は8時30分頃で1時間ほどしか経過していない割には、右の腓骨遠位端部に可なりの腫脹を認めました。
負傷の原因はバスケットボールのゲーム中にリバウンドに跳んで、着地の際に自分の身体を支えきれずに右足関節を内返しに捻ってしまったとのことでした。
腓骨遠位端部の腫脹と限局した圧痛から腓骨遠位端部骨折を疑い、超音波観察装置で患部の観察をしました。 幸い腓骨遠位端部に骨折はなく、腓骨筋腱の損傷が強かったために腓骨遠位端部に血腫が著明であったことが解りました。また、前距腓靭帯の損傷が著明で前方引き出し症状も認めました。
足関節の底・背屈制限も認めたため、アイシング後に距腿関節のアライメントを整えるために整復をしてから、足関節を背屈約5度でギブス固定を施しました。
治療後、荷重歩行痛はほぼ消えましたが急性期のため一本杖を貸し出しました。
※足関節捻挫(靭帯損傷)は一般的に軽視されがちな疾患です。整形外科ではレントゲンで骨に異常がないと固定はされず、湿布の処方だけで帰されてしまう事が少なくありません。また、簡易サポーターで固定されても歩くのに痛みがあったり、腫れが中々引かず、経過が不良で転療されてくる患者さんが多数おられます。
足関節捻挫(靭帯損傷)は整復後に初期固定をしっかり施して、松葉杖が無くても荷重歩行可能な状態にする事がとても大切です。
私も20代の頃、毎週土曜日に隔週で大船中学校と岩瀬中学校の体育館でバスケットボールのクラブチーム「スクランブル」の代表をしておりました。鎌倉市内のクラブチームの大会にも登録して、春と秋には大会にも出場しておりました。
当時の私も左右の足関節を数え切れないほどバスケットボールで捻挫していて、予防のために、必ず自分でテーピングをしてプレーしておりました。
捻挫は癖になると言われる方が居りますが、初期固定をしっかりとせずにリハビリや物理療法等を行わなかった場合には、靭帯の組織癒合が不充分な状態で終わってしまいます。歩行時痛が無くなっても、傾斜や低い段差等で簡単に足関節を捻りやすくなります。このような状態になってしまった足関節を
☞足関節不安定症といいます。
このような状態にはならないように、バスケットボールクラブに早く復帰できるよう、頑張って治していきましょう。お大事に。
大船駅東口より徒歩1分
急患応需
交通事故治療対応
鎌倉市大船1-23-31サトウビル1階
☎ 0467-45-6700
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金曜の夜間に右足関節捻挫(靭帯損傷)の男性が急患で来院の続きを読む
2018年04月27日|マレットフィンガー
現在、相模原市から40代の女性の方に、左手第3指の腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)で通院いただいております。
負傷年月日は平成30年3月4日で、遊園地で2才のお子さんをトイレに連れて行き、急いでお子さんのズボンを下ろすときに、左手中指を突き指してしまい負傷されました。
受傷時は第一関節が50度曲がっていたそうで、翌々日の3月6日に近所の総合病院整形外科を受診されました。
レントゲン上は骨折が無く、腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)の診断を受け、装具で固定をされ、担当医師からは「腱性マレットフィンガーは治らない」と言われてしまい、1週間後、再来院するように言われて帰宅されました。
患者さんは担当医師から治らないと言われてショックを受けられ、インターネットで当院のホームページを観て、3月16日に来院されました。
上記の写真は固定した装具がずれてしまうため、患者さん自身が装具の上から伸縮性テーピングを巻いて来院された時のものです。
患者さんの健側の右手第3指の第一関節と第二関節の可動域を計測しますと
第一関節は最大屈曲75度、第二関節の最大屈曲115度でした。
一般的な平均値は第一関節は80度、第二関節は100度です。
受傷から5週間と3日で第一関節の伸展の維持が可能となり、4月24日の来院時には7週間と3日で下記の写真の可動域になりました。
第一関節は伸展0度、最大屈曲64度、第二関節は最大屈曲105度でした。
固定による浮腫みは有りますが経過は良好です。
今日からは日中の16時間は伸縮性テーピングで固定し、夜間の8時間はシーネ固定を継続していただきます。
入浴時は固定を取って、指の関節の屈伸運動をしていただきます。屈曲制限はわずかで経過良好ですから、焦らずに指の関節を伸ばす(反らす)方を保ちながら屈伸運動のリハビリを行って下さい。あと1か月程で可動域制限も改善され治癒の予定です。
現在、年齢は13才~70才、29名(30指)の腱性マレットフィンガーの患者さんが通院中です。(骨性マレットフィンガーのオペ後の患者さんは4名通院中)
一番遠い方は山梨県の方です。
埼玉県さいたま市・上尾市・川越市
千葉県佐倉市・木更津市・習志野市・市川市
東京都港区・豊島区・大田区・渋谷区・府中市・八王子市・文京区
県内は鎌倉市・横浜市・逗子市・藤沢市・茅ヶ崎市・平塚市・川崎市・横須賀市
足柄下群湯河原町・相模原市
と広範囲の地域から来院いただいております。
最近の約5年で腱性マレットフィンガーの来院患者さんは180人を越えました。
また、本日、東京都文京区の30代後半の男性で右手第4指の腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)の患者さんが、左右の関節可動域がほぼ同じに改善され治癒しました。
平成29年12月9日に旅行先でズボンに突き指し負傷され、受傷時は45度くらい第一関節が屈曲していたそうです。帰宅後、近所の開業整形外科を受診され、経過が悪いため1月29日に来院されました。
お忙しいため89日の通院期間で7日の通院でしたがほぼ完治されました。
右手第4指第一関節(DIP関節) 【伸展:+5度 屈曲:87度】
左手第4指第一関節(DIP関節) 【伸展:+5度 屈曲:92度】
負傷からは141日(4ヶ月+21日)でした。
下記写真が最大伸展時と最大屈曲時です。
担当医からは「腱性マレットフィンガーは治らないし、運次第」と言われ精神的にも落ち込まれていて、初めの頃は元気が無く心配していたのですが、最後の日に「こちらに来て精神的にも救われました」ととても喜んでいただき嬉しく思いました。これからもお仕事頑張ってください。
腱性マレットフィンガーは50歳以下の方なら、90%以上治る(=可動域の改善)疾患です。40歳以下の方はほぼ完治が見込めます。
50歳~70歳の方でも 日常生活に支障のない機能的改善が見込めます。
※ご注意いただきたいのは、腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)で医療機関を受診された際の初診から再診までの通院間隔です。開業整形外科なら1~2週間程度の通院間隔で再診を促される傾向ですが、総合病院の整形外科や大学病院等になりますと、初診から再診までが4週間後から8週間後になる場合が多くあり、その間固定を一切外さないように指示されてしまいます。それは大変危険です。
☞関節拘縮という状態になってしまいます。
また、固定された装具やアルフェンス(アルミの板にスポンジがついているシーネ)、プラスチックシーネ等が少しでも合っていなかったり、固定の圧迫が強かったりしますと指先への血行不良が生じてしまいます。また、固定が長過ぎて患部の第一関節だけではなく、第二関節の屈曲が妨げられますと負傷していない第二関節の屈曲制限が生じてしまい、大変危険です。受傷時にはほとんど痛みが無かったのに、固定をしたらズキズキ痛んだり、痛みで目が覚めてしまったりする場合は非常事態です。
☞これも関節拘縮になる原因です。
アルフェンスや装具などの固定で放置されてしまうと、取り返しのつかない後遺症や後遺障害が残ってしまったり、治療期間がかなり長期に至ってしまいます。治療が1年以上かかった方も多数おります。
固定をして何もせず、経過観察(問診)だけの治療に疑問を持たれたら、そのまま放置せずに転療された方が宜しいと思います。ほぼ機能的には改善出来る腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂・マレット指)の患者さんが、長期間の圧迫固定により、浮腫、関節可動域制限等の機能障害(後遺症)を残してしまい、とても気の毒でなりません。
当院はJR大船駅から徒歩1分で、大船駅は湘南新宿ラインなどのアクセスが良いため、遠方から来院される方も多数おられます。
尚、マレットフィンガー(マレット指)の患者さんは、初回に関しては問診・固定処置等にお時間がかかるため、完全予約制となっております。
腱性マレットフィンガーでお悩みの方は、下記の電話番号かメールにご連絡の上、ご予約ください。
JR大船駅南改札 東口より徒歩1分
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優先予約制(電話または来院時にご予約)
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「治らない」と言われた、腱性マレットフィンガーの患者さんの経過の続きを読む
2018年04月10日|マレットフィンガー
現在、腱性マレットフィンガーの患者さんが25名以上通院されております。
骨性マレットフィンガーの患者さんも3名通院されております。
通院回数は週に1~3日ぐらいですが、千葉県、東京都、埼玉県、山梨県、相模原市等の遠方から通院頂いている患者さんが多く、土曜日に来院されている方が多い傾向です。また、土曜日は午前8:00~11:30の診療時間の為、平日の午前中に比べますと患者さんが多く、比較的混んでおります。
当院は優先予約制ですが、マレットフィンガーの患者さんは完全予約制としております。来院の際は電話でご予約いただき、余裕を持って早めに来院下さいますよう、ご協力のほどお願い致します。予約優先であまりお待たせしないように拝見致します。
当院は診療時間内は必ず受付が電話対応しております。
(月曜~土曜)
午前8時00分~12時15分 午後2時30分~7時30分
(木曜) 午後3時~7時30分
《木曜 午前 土曜 午後 日曜・祝日》 休診
上記の時間内にお電話頂ければ幸いです。
⇒院長が手の空いている時には、直接電話でお話を伺うことも有ります。
また、ご自身がマレットフィンガーを負傷された①原因②負傷年月日③現在までの治療経過(いつからどのような固定をして、何週間で固定を外されたか等)をメモ書きしてお持ち下さいますでしょうか。他の整形外科や接骨院(整骨院)でされていた固定具が有りましたら必ずお持ちください。お持ちでない場合には結構ですが、固定を外された後に第一関節(DIP関節)が受傷された時のように曲ってしまった方は、取り敢えず圧迫しない程度に第一関節(DIP関節)のみをテーピング等で固定して来院下さい。
※数日間固定するだけでも、第一関節(DIP関節)はある程度伸び、伸展の維持
が可能になります。
問診をスムーズにして、今後の治療計画等を立て易くするため、恐れ入りますが経過のメモは必ずお持ちくださいますよう、宜しくお願い致します。
「どんな治療をされるのですか? 」と患者さんに電話でご質問を受けます。
下記が当院の治療内容になります。
《初診時の治療内容と治療時間等について》
①問診(今後の治療内容と治療方針を詳しくご説明いたします)
まず、マレットフィンガーを受傷された左・右の指の外観写真をデジカメで撮り、健側(負傷されていない指)の第一関節(DIP関節)と第二関節(PIP関節)の屈曲角度を計測しカルテに記載します。
指の第一関節(DIP関節)の平均的な最大屈曲角度は80度です。
また、第二関節(PIP関節)の平均的な最大屈曲角度は100度です。
尚、この角度には個人差が有り、第一関節(DIP関節)の最大屈曲が30度、第二関節(PIP関節)の最大屈曲が125度の方もおりますし、第一関節(DIP関節)の最大屈曲が95度で第二関節(PIP関節)の最大屈曲が95度の方もおります。
マレットフィンガーは第一関節(DIP関節)の最大伸展時におよそ0度であったものが、最大伸展時に屈曲30~80度程になってしまい、自力では0度に出来ない状態です。しかし、この症状を改善するための治療(固定)によって、最大屈曲が不充分になってしまったり、治療の甲斐も無く最大伸展が屈曲30度で終わってしまう患者さんがおります。
他医より転療される患者さんの中には、不適切な固定により、第一関節(DIP関節)だけでなく、負傷していない第二関節(PIP関節)の関節拘縮を生じてしまい、後遺症を残してしまう気の毒な患者さんもお見受けします。
当院では、患者さんの指の関節可動域の特徴を把握した上で治療方針を立て、関節可動域制限を最小限にする固定方法、固定期間の設定、物理療法(超音波バスによる温熱療法、低周波通電療法)、治療期間などについて詳しくご説明しております。
また、当院で作成した治療内容に関する資料を必ずお渡ししております。治療内容や治療方針をよりご理解頂けるように、ご自宅でも読み返して頂けます。
②物理療法(初期から超音波バスによる温熱療法を行います)
当院では腱性マレットフィンガーの患者さんの治療には、受傷後の初期から超音波バス(オンパー)を物理療法として施行しております。
上記写真のように受傷から6週間までは、患部を水に強い伸縮性テーピングで第一関節(DIP関節)がやや反る(過伸展)ように固定した状態で、超音波バス(オンパー)の底に手のひら全体を着けて10分間超音波治療を行います。
☞組織の修復を促し、固定による浮腫みを改善します。
尚、6~8週間を過ぎて伸筋腱が癒合して伸展力がつきましたら、伸縮性テーピングをせずに徐々に可動域訓練(リハビリ)を行っていきます。
③固定処置(患者さんの指に合ったプラスチックシーネ固定を作成します)
以上で、初回は約30分の治療時間を要します。
(再診からの2回目以降は、15~20分程度になります。)
現在、相模原市から通院中の43歳女性の保育士の女性が5週間と3日で第一関節(DIP関節)の伸展維持が可能になりました。
相模原市で受診された整形外科では「治らない!」と言われてしまったそうですが、患者さんのように第一関節(DIP関節)が反るタイプの方は、予後が良い傾向ですし、年齢的にもほぼ完治します。
《腱性マレットフィンガーで大切なこと》
① 6~8週間の固定期間中の固定具が第二関節の屈曲を妨げないこと。
② 合わない固定装具などで伸筋腱断裂部を圧迫し、血行を妨げないこと。
☞腱性マレットフィンガーは痛みがほとんどありません。装具などの固定後
に痛みが有れば、固定が合っていませんので固定を変更すべきです。
③ 可動域制限(拘縮症状)を防ぐため、物理療法を早期から行うこと。
④ 6~8週間の固定後に約8時間の夜間固定を長期間(4~12週)すること。
⑤ 日中も伸縮性テーピングを使用して、第一関節の再屈曲を防止すること。
⑥ 関節拘縮を防ぐ意味でも、再診(経過観察)は1週間ごとにすべきですが、
病院や医師の都合で4~8週後の再診となってしまう患者さんもおります。
この時点で関節拘縮の可能性が高まりますので(特に年配者の方)早め
に転医すべきです。後遺症で困らないために早めに判断しましょう。
などです。
腱性マレットフィンガーは年齢や指の柔軟性等の影響を受けますが、
50才以下の方なら、およそ80~100%の機能的改善が見込める疾患です。
50才以上の方でも、日常生活に困らない程度の機能的改善が見込めます。
現在通院中の左・右第4指腱性マレットフィンガーの70歳男性も経過良好です。
お気軽にお電話ください。
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マレットフィンガーで来院される患者さんへのお願いの続きを読む
2018年04月03日|小児肘内障
今朝の7時過ぎに接骨院の電話が鳴り、妻が電話に出ると急患の電話でした。お母様の話では、3才の息子さんが左肘を脱臼(小児肘内障)した様子で、20~30分で来られるとのことでした。私が食事中で支度をするのに少し時間が掛かるのを考慮して、妻が7時45分に来院頂くように伝えてくれました。
7時40分に接骨院へ降りると、間もなく祖母様とお母様、ベビーカーに乗った男の子が来院されました。
受傷の原因は、昨夜7時ごろにお母様の義弟さんが息子さんの両手を持ってブランコのように遊んであげていたら、急に左手を使わなくなってしまったとのことでした。今回が初めての左肘を脱臼(小児肘内障)のため、お母様はとても心配そうでした。
息子さんは、右手は自由に使いますが左手は全く使おうとはしません。
受傷原因がはっきりしており、上腕骨部、前腕骨部の限局性の圧痛、腫れ等を観察しましたが全く所見が無いため、小児肘内障と判断して、整復をしました。
整復をすると指先に伝わる整復音と、僅かな耳に聞こえる整復音があり、お母様にも「聞こえました」と言われました。3才の息子さんは整復直後に少し泣きましたが、すぐに泣き止みました。
しかしながら、整復されたのに左手を使おうとしません。
昨夜の7時から12時間以上が経過している為、息子さんもおっかなびっくりで使おうとしないだけなので、その内に使い始めますから心配は要りませんよと説明し、入浴時や着替えの際に手首でなく上腕をつかむようにして、再受傷しないように諸注意事項をお伝えしました。
すると間もなく、しっぽを引っ張ると振動しながら前進する猫バスのぬいぐるみで遊ばせていると、いつの間にか左手でしっぽをつかみ引っ張っていました。
お母様には「これから保育園に行かせても大丈夫ですし、保育園には左肘を脱臼(小児肘内障)した事を伝えて頂ければ、気を付けて下さるでしょうから」とお伝えしました。
くれぐれもお大事になさってください。
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2018年03月28日|関節拘縮
昨年の6月13日、以前当院で治療された口腔外科領域の歯科医師の先生からメールを頂きました。
佐藤先生
ご無沙汰いたしております。マレットフィンガーにてお世話になりました〇〇です。先生のおかげで、いまでは不自由なく日々過ごしております。ありがとうございます。お礼にうかがわぬままになってしまい申し訳ありません。
職場を4月より異動し、まだ慣れない状態ですがなんとかやっております。
そんななか顎関節症の患者さんが、左手の指を骨折?し、固定を1月ほどしていたそうなのですが、本日いらしたところ全くまがらないのですが、あとはご自身の努力ですと言われてしまったそうです。私も途方にくれたときに先生に助けていただいたので、患者さんに先生をご紹介させていただきました。
もし受診されましたら、よろしくおねがいいたします。
〇〇さん 79歳です。
すみません、よろしくおねがいいたします。
翌日の早朝、ご紹介の患者さんが来院されました。
下記写真が来院時の外観です。最大屈曲時が下記の状態です。
可なりの関節拘縮症状でした。
負傷年月日は平成29年5月11日で、負傷原因は着替えをされていてふらつき転倒された際、床に左手2指を突いてしまったそうです。
ご自身の右手で左手を押さえていたら、PIP関節脱臼は自然整復されたようです。急いで近所の整形外科を受診され、レントゲン上は左手2指の中節骨掌側に剥離骨折を認め、左手第2指関節脱臼骨折の診断を受けられました。
この際、アルフェンス固定を伸展位で4週間もされてしまったそうで、固定を取ったら写真のように指が曲がらなくなってしまった状態でした。
患者さんには「完治は難しいと思いますが、日常の家事が支障なく出来るように頑張ってリハビリをしましょう」と伝え、週に2~3回の通院をお願いしました。
治療は1/f通電音楽療法、超音波バスによる温熱療法、握力訓練、手技療法などを施行しました。
とても前向きで明るく努力家な患者さんでしたので、治療の甲斐あって家事が一通り可能になり、可動域制限は残りましたが3月28日に治療を終えました。下記写真が最終日の外観です。
患者さんは、顎関節症の治療を終えられていたので、メールで歯科医師の先生へ治療の経過報告をしました。
○○ 様
ご無沙汰いたしております。
もう1年が過ぎたと存じますが、新しい病院はいかがですか。お忙しい日々をお過ごしかと存じますが、マレットフィンガーはその後もお仕事には支障なく過ごされておりますでしょうか。
さて、ご紹介いただきました〇〇様ですが、昨年の6月14日から通院頂きまして、3月28日で症状固定となり治療終了になりました。参考までに受診時と最終日の写真を貼付します。
完全には握れずまだ不自由かと思われたのですが「洗濯バサミもつまむことが出来るようになりました」と、とても喜んでおられました。
〇〇様から顎関節症の治療も終えられたとお聞きしましたので、私から先生には報告しますと伝えました。ご紹介いただき誠に有難うございました。
これからもご指導の程宜しくお願い致します。
今年は暑い夏になる予報ですね。くれぐれもお身体ご自愛下さい。
大船接骨院 佐藤和義
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左手第2指PIP関節脱臼骨折後の関節拘縮の79才女性の経過報告の続きを読む
2018年02月19日|マレットフィンガー
昨年の11月23日バレーボールのブロックの際に右手第3指腱性マレットフィンガーを負傷された40代前半の女性が、翌日の11月24日より通院されております。
負傷後ご自宅の部屋でスマートフォンを使って、負傷された指を撮影されました。下記がその写真です。
約80度の屈曲変形を呈しております。
1日置きに週2~3日通院頂き、負傷から3週間と5日(26日間)が経過し、伸展の維持が可能になりました。下記の写真が負傷から26日目になります。
その後の経過も良好で、お正月を挟んだため1月9日(約7週間目)より固定を外しての入浴を許可しました。16時間はテーピング固定、8時間の夜間はシーネ固定を継続していただきました。
毎日の通勤時の原付バイクの負担や2月11日には日帰りでスキーにも行かれたのですが、順調に回復されており、今日で89日目(約3か月)ですが、下記の写真のように可動域の改善がみられております。
本日の計測結果ですが、
右手第3指第1関節(DIP関節)伸展ほぼ0度、屈曲67度(健側左手80度)
右手第3指第2関節(PIP関節)屈曲105度(健側左手105度)
一般的な平均最大屈曲角度は指によって異なりますが、第1関節(DIP関節)は80度、第2関節(PIP関節)は100度です。
組織的に肥厚が有るため、指が太くはなっておりますが、これから数か月でまた元のように指の太さも改善していきます。あと13度で第1関節が左のように80度になり、左右差が無くなります。
患者さんには「3月中(負傷から4ヶ月以内)には治療が終了ですね」とお伝えしました。今週末には一泊でスキーに行かれるとのことですが、スキーの時は念のためにシーネ固定をして頂ければと思います。
いつも明るく元気で、前向きな患者さんなので、治りも早いのではと思っています。4月からはバレーボールに完全復帰できそうですが、くれぐれも再受傷されないようにお大事になさって下さい。
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2018年02月13日|小児肘内障
今朝の8時過ぎに接骨院の電話が鳴り、電話に出ると急患の電話でした。寝起きに2才の息子さんが左肘を脱臼(小児肘内障)した様子で、お母さんから名前をお聞きすると,以前も数回来院されたことのある方でした。すぐに来られるとのことでしたが、少し遠い住所の方だったので、8時に予約の腱性マレットフィンガーとアキレス腱断裂の患者さんを治療してお待ちしました。暫くして8時45分頃に2才の息子さんを抱っこしてお母さんが来院されました。
受傷の原因は、息子さんが寝起きにカーペットの上で毛布を掛けた状態で寝返りを打っていたら、急に泣き出して左手を使わなくなってしまったとのことでした。前回の8月20日、前々回の5月4日も寝返りで左肘を脱臼(小児肘内障)しており、特に転倒や左手首を引っ張った様子は有りませんでした。
すでに息子さんは泣き止んでおりましたが、整復をすると指先に伝わる整復音があり、急に大きな声で泣き出しました。
それもつかの間、数秒で泣き止み振動する猫バスやプーさんのぬいぐるみなどで遊び始めました。すると、いつの間にか整復された左手も使って遊んでおりました。
お母さんに初診申込み用紙にご記入いただきながらお話を聞きくと、今回で左右の肘の脱臼(小児肘内障)は10回目ぐらいになるとのことでした。前回の8月20日の後にも1度肘の脱臼(小児肘内障)で電話を頂いており、私が勉強会で外出中の為、診て差し上げられませんでした。息子さんは4月末で3才になるということで、体格が以前より大きくなっておりますから、徐々に脱臼をしなくなりますから、あと少しの間気をつけて頂ければと思います。
最後に「これから保育園に行かせても大丈夫ですか」とお母さんから聞かれました。
「保育園の保育士さんに左肘を脱臼(小児肘内障)した事を伝えて頂き、左手首を引っ張らないように気を付けて頂ければ、保育園に行かれても大丈夫ですよ」とお伝えしました。
くれぐれもお大事になさってください。
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2018年01月06日|骨折
新年明けましておめでとうございます。
11月は例年より寒くなるのが早かったこともあり、午前中の患者さんが少ない傾向でした。しかしながら、12月に入ると年の瀬で患者さんも忙しくなり、例年ですとかなり減るのですが、交通事故(頸椎捻挫、腰椎捻挫、腰椎横突起骨折、膝部挫傷等)の患者さん(5名)・労災(労働災害・通勤災害)の患者さん(13名)・橈骨遠位端骨折(4名)・アキレス腱断裂(3名)・重度の足関節捻挫(3名)・足趾骨折・中足骨骨折(3名)や手指の骨折(3名)・膝関節内、外側副靭帯損傷(2名)・指関節の側副靭帯損傷(2名)・肘関節の内側側副靭帯損傷(2名)・指の伸筋腱断裂=腱性マレットフィンガー(22名)・骨性マレットフィンガー(2名)の患者さん等、年末は多くの方に来院いただきました。
年末年始は12月31日に右膝の炎症症状の強い患者さんを急患で拝見し、
1月3日は右足のリスフラン関節捻挫(靭帯損傷)の小学生の急患患者さん
が来院されました。
毎年1月4日は午前より診療を開始するのですが、今年は午前中を休診として予約診療としました。予約で3ヶ月を経過した50代のアキレス腱断裂の患者さんや新患の腱性マレットフィンガーの患者さんなど、5名の患者さんを拝見しました。
また、通常ですと木曜日は午後4時から診療開始なのですが、休み明けなので午後3時からの診療開始としました。正月休み明けなので、あまり混まないと思っていたのですが、受付開始の午後2時30分から数人の新患患者さんや年末の新患の方が待合室でお待ちでした。そのため午後の診療開始を早めました。
午後だけで新患患者さんが7人来院されたこともあり、受付は午後7時までなのですが、、片付けを終えたのは午後9時を過ぎていました。ここ数年、新年の初日にここまで患者さんが来院されたことはなかったと思います。お待たせしてしまった患者さんには、大変申し訳なく思っております。
さて、今年は例年よりも厳しい寒さで雪も積もりましたが、幸い鎌倉市内は積雪量が少なく雪で転倒され負傷された方は少なかったようです。
今年の冬はまた積雪が有るかもしれませんので、雪の日に通勤や通学をされる方は転倒しないように気を付けて頂ければと思います。また、万が一にも転倒されて負傷された場合には、無理をせず、我慢をせず、様子を見ずに早めに来院下さい。
急性の怪我(骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷)は早期の固定処置と治療により治療経過が良くなり、治療期間をかなり短縮できます。
骨折:ずれている骨を整復して、患部に適切な固定処置を施します。固定期間中も物理療法、手技療法を施行して、関節が固まらないように経過を観察しながら早めに機能訓練(リハビリ)を行います。
脱臼:関節部の逸脱した骨を元の位置に戻す整復をして、骨折と同様に適切な固定処置を施します。整復動作は痛みの少ない、無痛整復で行います。
打撲:打撲をしたことにより筋断裂や筋膜損傷等が生じており、打撲部を触って腫れや陥凹が有ればアイシングや湿布だけでは処置が不充分です!傷が有れば水道水で充分な洗浄処置を行います。消毒をしてはいけません。止血してから浸潤療法(閉鎖療法)を行いましょう。患部への適度な圧迫が軟部組織の修復を促します。
捻挫:靭帯の断裂、部分断裂、関節包の損傷、筋・筋膜損傷が合併していることが殆どです。レントゲン検査で骨に異常なしと言われて、湿布のみ処方されたという患者さんがとても多い疾患です。靭帯の損傷は組織レベルで完全に元通りにはならないことがわかっております。軽症であっても、初期の固定処置は必須です。痛みが軽度であっても、治療をしないと関節の不安定性が残存しまうことが有ります。捻挫は軽傷と侮ってはいけません。
挫傷:一般的に肉離れと言われる疾患ですが、肉離れ=筋断裂です。筋線維の損傷の割合により、軽症から重症まで様々な症状を呈しますが、打撲とは異なる発生機序(自家筋力の急激な収縮)により、筋肉を断裂(損傷)します。
代表的なのは下腿後面の下腿三頭筋や大腿後面のハムストリングスの肉離れで、野球やサッカー、陸上の短距離走などで発生します。
また、このようは急性外傷骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷を放置または湿布のみで様子を見てしまうと、慢性的な症状へ移行してしまいます。
慢性的な症状になる前に、早期に固定処置や治療を行い、短期間で治癒できるよう、そのお手伝いが出来ればと思っております。
急性の怪我(外傷)【骨折・脱臼・捻挫・打撲・挫傷】でお困りの際
は、時間外でも拝見いたしますので、お電話のうえ来院下さい。
今年も、患者さんへのインフォームドコンセント(説明と納得)を大切にして、
患者さんのために貢献できますよう日々精進してまいります。
本年も宜しくお願い申し上げます。
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2017年12月22日|小児肘内障
金曜日の午後の診療時間中に、2才の男の子が小児肘内障(肘の脱臼)で来院されました。負傷の原因はお母さんの左手と息子さんの右手を繋いでいて、散歩からの帰宅後、自宅のポストへお母さんが右手を伸ばしとところ、左手で息子さんの右手を引っ張ってしまったそうです。来院時はもう泣き止んでいましたが、全く手を使わない状態でした。下記が来院時の状態です。
今年の3月と7月にも小児肘内障(肘の脱臼)で来院されており、いずれも右肘の小児肘内障(肘の脱臼)でした。待合室の本棚にある、くまのプーさんの絵本でお母さんが息子さんをあやしながら治療室に入ってこられたので、私がくまのプーさんの指人形を使ってあやしたところ拒絶されてしまいました。アンパンマンのゴムボールやトトロの猫バスもことごとく拒絶されてしまったため、仕方なく脱臼の整復動作に入りました。前腕の回外では整復されず、肘関節屈曲後の前腕回外で整復音と共に整復されました。
整復後が下記になります。
泣かれてしまい、右手を使いません。
少し経ったら 下記のように右肘を曲げて使うようになりました。
3度目の正直ではなく、2度ある事は3度あるになってしまいましたが、小児肘内障(肘の脱臼)は3才から4才頃になりますと脱臼しにくくなり、小学生前の5~6才頃には脱臼しなくなりますので、気を付けてお過ごしください。お大事に。
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2017年12月21日|マレットフィンガー
11月23日にバレーボールのブロックの際に負傷された右手第3指腱性マレットフィンガーの40代女性が、翌日の11月24日より通院されております。
負傷後ご自宅の部屋でスマートフォンを使って、負傷された指を撮影されたということで、見せて頂きました。下記がその写真です。
約80度の屈曲変形を呈しております。
1日置きに週3日通院頂き、負傷から3週間と5日(26日間)が経過し、伸展の維持が可能になりました。下記の写真が負傷から26日目になります。
経過は良好ですが、まだ固定は24時間します。今、固定を外せば、また第一関節は屈曲してしまいます。6週間でシーネ固定を除去し、16時間はテーピング固定に変更出来そうです。夜間固定は8時間のシーネ固定を継続しますが、6週からは毎日シーネ固定を外して入浴が可能になります。
少しずつリハビリをしながら、固定をする強度や時間を徐々に減らしていく事がとても大切です。年齢的にも40代の前半ですから、ほぼ完治します。
腱性マレットフィンガーは整形外科では初診時に完治は難しいと言われてしまう患者さんが殆どです。
それは
① 患者さんの指に合っていないプラスチックシーネ、装具、
アルミシーネ固定などの固定具の不良。
② 第二関節が曲げられない固定範囲・不適切な固定期間。
☞ 約6~8週間の全日の固定期間が必要。
③ 夜間固定が全く無し、または短期間の夜間固定。
④ 空き過ぎる通院間隔(初診の次は4~8週間後に再診)等に
問題が有り完治が難しくなってしまうのです。
⇒ これは保険診療上、致し方がないことではあります。
先週も、今週もお二人ずつ4名の患者さんが来院されました。
昨日千葉県から来院された40代女性の患者さんは、16日(土)にドッヂボールで小指の腱性マレットフィンガーを負傷され、救急病院でアルミシーネの応急処置後、18日(月)に近所の開業整形外科を受診されました。上下で挟むタイプのプラスチックシーネをされましたが、あまりの痛みで救急病院のアルミシーネにご自分で巻き換えて来院されました。しかも、開業整形外科では次回の再診は8週間後と言われたそうです。
この患者さんように痛みの無かった腱性マレットフィンガーが、固定をしたら痛みが出てしまうというのは、とても問題が有りますので、指先に血流障害が生じる前に固定は外されて、テーピング等で痛みのない状態にされて、第一関節のみを固定してそっとしておきましょう。
さて先程の患者さんのように、当院に初めから来院される腱性マレットフィンガーの患者さんは少なく、遠方にお住まいで他医より転医される方が殆どです。幸いJR大船駅経由の通勤途中の早朝に週3日通院出来るので、9人制のママさんバレーボールへの完全復帰を目指しております。
実は負傷後すぐに大会があり、セッターのポジションでメンバーの人数も9人ぴったりのため、固定をしたまま出場されました。幸い!?試合には負けられて、続く次の大会には出場できなかったのでほっとしました。
もうすぐクリスマスにお正月ですが、年末年始にはご自分でテーピングを外して、毎日お風呂で腱性マレットフィンガーのリハビリが出来ます。来年のバレーボール復帰を目指して頑張りましょう!
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