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2016年06月28日|小児肘内障
水曜日の午後3時過ぎの診療が始まってすぐに、左の上瞼に絆創膏を貼った女の子がお母さんに連れられ来院されました。少し治療室内が混み合っており、受付に聞くと、初診申込み用紙の人体図には左肘に〇が付いていて、左肘の脱臼(小児肘内障)のようでした。当院は初めてで、以前に1度小児肘内障の経験があり、今回が2回目とのことでした。負傷の原因をお聞きすると、お店の中でお母さんが娘さんの左手を引っ張ってしまったとのことでした。
左の上瞼の絆創膏と紫色のあざが痛々しい感じで、それは先日転んで作ってしまったとのことで、そちらの打撲で受診されたのかと思いましたが違っておりました。
待合室の椅子にお母さんと隣り合わせで座って頂き、泣き疲れていたのか放心状態でいる女の子の左腕をそっと整復しました。整復の瞬間に少しだけ顔が歪みましたが、全く泣かれることなく整復を終えました。暫く左手を使わずにおりましたが、帰るころには左手で物を掴んだりするようになっていました。
再脱臼をしないよう、お母さんには手首ではなく上腕部を持って引くようにすれば、子供さんの肩関節は脱臼しない事を伝えて治療を終えました。
小児肘内障(肘の脱臼)の豆知識
① 小児肘内障は0才から5才ぐらいまでに多く発症します。
② 小児肘内障は習慣性にもなりますが、後遺症を残さない輪状靭帯の亜脱臼
です。
③ 整復をして治療は1回で終わりです。
④ 再脱臼に気を付ければその日に入浴しても構いません。
⑤ 転倒による受傷か、手を引っ張ったことによる受傷かを見極める必要が有り
ます。
遊んでいて、転んでもいないのに子供さんが急に手を使わなくなった場合には
小児肘内障の可能性があります。
受傷の原因には以下のようなものがあります。(当院の来院患者さんの例)
・ご両親と手を繋いで歩いていて子供さんを高い高いして手を引っ張ったとき。
(お父さんとお母さんの身長差や引く力の差で生じます)
・お父さんまたはお母さんが子供さんが転びそうになって手首を引っ張ったとき。
・子供同志(兄弟や友達)でおもちゃの取り合いや引っ張りっこをしたとき。
・兄妹げんかでお兄ちゃんが妹さんの手を引っ張ったとき。
・椅子やソファーから後ろ向きでお子さんが降りようとしたとき。
・子供さんが滑り台で滑っていたら、身体の方が先に前へ進んでしまい、捕まっ
ていた持ち手で引っ張られてしまったとき。
・子供さんが転びそうになり、自分の手でどこかに捕まったとき。
・入浴後に親御さんがお子さんの身体をタオルで拭いていて手を引っ張って
しまったとき。
以上の様な原因が有りますが、お子さんが急に泣き出すと慌ててしまうのも無理はありません。お子さんが泣き出す前の状況を冷静に思い出して頂き、記憶にとどめておいて下さい。現場を見ていなかったとしても、何をして遊んでいたかだけでも解れば大丈夫です。
☞ご両親がお子さんの負傷の原因を明確にしておくと診断がし易いです。
小さなお子さんは、身体が柔軟で意外と転倒しても怪我をしにくいものです。しかし、転倒後に泣き止まず暫く泣き続ける場合には、骨折の可能性を否定できないことも有ります。
小児肘内障の場合には、脱臼をした瞬間には痛みが有り、子供さんはとても泣きますが、暫くすると痛みは軽減又は消失してしまい泣き止みます。それでも、手のひらを返す動作を嫌がり、肘を深くは曲げられません。そのため、泣き止んだあとも患部の腕を使おうとはしません。
その様な状態が見受けられる時は小児肘内障の可能性が高いため、整復をして元に戻してあげる必要が有ります。
小児肘内障は負傷後から多少の時間を置いても問題は有りません。電話でお子さんの様子を伺い、骨折の可能性が有れば最寄りの医療機関へ行かれるようにご指示もいたします。小児肘内障で有れば、外出先から治療室で待ち合わせをして治療を致します。
当院は、急患に対応しておりますので遠慮なくお電話ください。
不在の場合でも、留守番電話で私の携帯電話番号をお知らせ致します。
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2016年06月21日|足関節捻挫
6月20日(月)午後、6月18日(土)夕方頃に駅のホームの下り階段の最後の一段を踏み外してしまい、左足関節を捻挫された20代の女性が来院されました。
下記の写真のように左足関節の①最大底屈が不充分で②最大背屈制限は著明でした。
①
②
荷重歩行痛は軽度でしたがやや跛行があり、仕事が保育士さんのため、就労時はかなり辛いご様子でした。
取り敢えず距腿関節部の距骨亜脱臼の整復を施行しました。
下記の写真が整復後の①最大底屈時②最大背屈時です。
①
②
整復後は底屈・背屈共に制限は消退しております。
この距腿関節の距骨亜脱臼はレントゲン検査では骨に異常が無いからと捻挫(靭帯損傷)で片付けられてしまいます。症状によっては簡単な固定をされることも有りますが、殆どの場合湿布で様子をみて下さいと言われて終了です。
しかし、距骨の亜脱臼を整復をせずに済ませてしまうと、後遺症に至ってしまうことが多々あります。
☞ 足関節の底背屈制限の残存により正座やしゃがみ動作が困難となる。
捻挫は傷病名として使用されてはおりますが、実際には靭帯の断裂、関節包の損傷、筋・腱の損傷等を含んだ病態の総称になります。
捻挫は軽傷と思って放置せず、整復後の一定期間の固定処置、物理療法、手技療法、機能訓練(リハビリ)が必要不可欠です。
症状が軽くても捻挫を繰り返せば関節が不安定な状態に至ってしまいます。
後遺症を残さないためにも、早めの受診をお薦めします。
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2016年06月02日|マレットフィンガー
30代の女性が4月8日に自宅で負傷され(負傷された瞬間には覚えが無く、気付いたら右手の小指の第一関節が曲っていて伸びなかったとのこと)翌日、整形外科を受診されました。レントゲン検査で骨には異常が無く、腱性マレットフィンガーの診断を受けられました。4週間のアルフェンス固定後、再診時に担当医から固定状態が不充分だったので、これからまた8週間の固定をすると言われてしまいました。
約1か月の固定を辛抱して、また約2か月も固定をするのは困ってしまうので、当院のホームページを観られて5月2日に来院されました。
この方は、毎週土曜日に整形外科へ通院をされていたのですが、初診時の担当医が毎週の土曜には勤務されてはおらず、2週目、3週目は看護師さんがアルフェンスを外してテーピングを巻き替えたそうです。その際にテーピングがゆるく、第一関節が少し曲って固定されていた感じだったそうです。
約4週間の固定が不充分な為、8週間(つまり計12週間)も固定をするというのは短絡的と思い、取り敢えず当院のシーネ固定に変更して、受傷日から6~8週間の固定期間を設定して、週2~3日通院いただき経過観察しました。
5月28日に受傷から7週間となり、伸展が維持出来るようになりました。
(下記写真参照)
上記の写真は屈曲時の写真ですが、もちろん7週間の第一関節(DIP関節)伸展位固定をしていたのですから曲がり辛い状態です。
その3日後、5月31日の屈曲時の写真が下記になります。3日でかなり曲がるようになりました。経過は良好です。
しかし、ここで注意をしなくてはならないのは、日中にあまり強くは手を握らないようにすることです。そのためには素手では使用せず、第一関節(DIP関節)を伸縮性テーピングをして強く握れないようにケアをする事が大切です。また、夜間固定を数週間から数か月間忘れずに行いましょう。
整形外科の先生の中には8週間の固定で第一関節(DIP関節)が真っ直ぐになると、腱が着いたからとどんどん握る練習をするように指示する方が居ります。しかし、数日で第一関節(DIP関節)が30度~40度曲がってしまい、上手く着かなかったようだから手術をするしかないね、と言われてしまった患者さんを数多く拝見しております。
手の外科専門医で整形外科医の石黒隆医師は骨性マレットフィンガーの手術法(石黒法)で有名ですが、著書の中に腱性マレットフィンガーの固定に関して数週間から数か月間の夜間固定の重要性を記述しております。
ここから焦らずに、少しづつリハビリ(機能訓練)をしていき、第一関節(DIP関節)の伸び具合を観察しながら、徐々に使用頻度を増やしていきます。手を頻繁に使う主婦の方や職業の方はテーピング固定とシーネ固定を併用しながら、様子を見て固定の強度を減らしていきます。
入浴時にする屈伸運動は患者さんは曲がり辛くなったために、曲げる方に意識が行きがちですが、曲げるよりも反らせる方に重点を置いて行ってください。
第一関節が徐々に曲げられるようになっても、それと同時に伸ばした時に曲がってしまっては何にもなりません。伸ばした時の状態を維持しながらリハビリ(機能訓練)をして行きましょう。
夜の入浴時にご自身で第一関節を伸ばしてみて10度ぐらい曲がっていても、夜間固定をすれば朝には真っ直ぐに戻ります。それを繰り返しながら伸展力がついていき、固定をしなくても真っ直ぐに伸びるようになります。
その上で、夜間固定を徐々に除去していき、朝と夜の第一関節の伸び具合に変化が無くなり、屈曲制限が無くなれば治癒です。
年齢や職業にもよりますが、約8週間の固定を除去してから2~5ヶ月程度はリハビリ(機能訓練)を要します。
腱性マレットフィンガーは根気のいる疾患ですが、適切な固定(固定肢位・固定範囲・固定期間・夜間固定)と機能訓練を地道に諦めずに行えば、生活上あまり支障を残さずに治癒できる疾患です。
現在、当院には遠方からの方も含めて16名の腱性マレットフィンガーの患者さんが通院中です。
今日の昼休みにも鹿児島(40代女性、バレーボールに突き指をして負傷)からのご相談が有りました。固定をして外した後に徐々に第一関節が曲ってしまったそうですが、まだ受傷から2か月半とのことでしたので、夜間固定をしっかりして、日中は伸縮性テーピングを使用されるようにアドバイスしました。
石黒先生の著書の中の症例では、右手小指の腱性マレットフィンガーで3ヶ月間他医にて治療後、第一関節が60度屈曲している陳旧例でも、8週間の再固定をして、受傷から6か月後に伸展0度、屈曲60度(最大屈曲は一般的には約80度)に改善しております。
鹿児島のUさん諦めずに頑張ってください。
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2016年05月27日|マレットフィンガー
4月10日、服を脱ぐ際に左手の中指を引っかけてしまい負傷され、4月12日に整形外科を受診された60代の男性患者さんが4月18日より来院されております。
前医では腱性マレットフィンガーは治らない疾患と説明されてしまい、2~3週間後に再来院するように促すされたそうです。
今日で負傷から7週間弱となり、伸展が維持できるようになりました。
(下記写真参照)
上記写真のように、超音波バスでのリハビリ(機能訓練)後で屈曲が第一関節(DIP関節)15度、第二関節(PIP関節)77度でしたが、これからリハビリ(機能訓練)で伸展を維持しつつ屈曲の可動域制限を改善していきます。
今夜からは毎日の入浴時にもシーネを外し、軽くテーピングを巻いて手を良く温め、リハビリ(機能訓練)をして頂けます。
リハビリ(機能訓練)を行う際には屈曲制限を気にして強く握り過ぎないように気を付けましょう。 また握る回数も10~20回程度に留めて、握った後の第一関節(DIP関節)を反る方に重点を置きましょう。
経過を観察して第一関節(DIP関節)の伸び具合に変化が無ければ、夜間シーネ以外のテーピング固定を徐々に軽くしていきます。
患者さんによってはお仕事等で手を強く握ることが多い方もおり、夜になると第一関節(DIP関節)が少し曲ってしまうことが有ります。これは再断裂ではなく癒合した伸筋腱の伸展する力が弱いためです。夜間固定を約8時間すれば朝にはまた真っ直ぐに戻りますので心配は有りません。
☞ 第一関節(DIP関節)の屈曲制限の改善に伴い、伸展時にやや屈曲するのを夜間固定で取り戻す、ということの繰り返しで徐々に関節の可動域は改善されていきます。
経過は良いので、焦らずにじっくりとリハビリ(機能訓練)をしていくことが大切です。 腱性マレットフィンガーは根気と時間を要しますが、ここまでくれば90%以上の改善が見込めそうです。リハビリ(機能訓練)を頑張っていきましょう。
お大事に。
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2016年05月09日|小児肘内障
今日の午後の2時ごろの昼食後に仮眠を取っていると接骨院の電話が鳴りました。3才の女の子のお母さんからで、朝10時30分ごろに公園で娘さんと追いかけっこをしながら滑り台で遊んでいると、娘さんが滑り台を滑った後に様子が変なので、駆け寄って抱き上げると泣き出してしまったそうです。それから、左腕を痛がり使わなくなったため、骨折でもしていないかと心配になり電話を頂きました。
転倒はしていないとのことでしたので、骨折よりも肘の脱臼(小児肘内障)の可能性が有ることをお伝えして、来院頂くことにしました。
午前中にお電話を頂いていた、急性腰痛(ぎっくり腰)の男性患者さんと午後2時30分に約束をしていたので、その患者さんを拝見してベッドで通電治療をしていると、間もなく3才の女の子がお母さんに抱っこされて来ました。
滑り台での様子を詳しくお聞きしたところ、お母さんは現場を見てはいなかったのですが、娘さんが滑り台の途中で右側に身体が向いて滑ってしまい、転倒や落下は全くしていないとのことでした。
そうすると、滑り台の端を両手で持っていて、右側に身体が向いてしまったために掴んでいた左手が引っ張られてしまい、左肘の脱臼(小児肘内障)に至ったのではないかとお母さんに説明しました。また、今回が初めての脱臼(小児肘内障)ということだったので、肘の脱臼(小児肘内障)を文献の絵や肘関節の模型で説明しました。娘さんの両方の肘関節周囲の腫脹や圧痛、熱感等を比べ、橈骨遠位端部の圧痛、腫脹等も触察して、骨折は無く問題がないので左肘の脱臼(小児肘内障) の整復動作を肘関節を屈曲後、前腕を回外してすぐに整復音が触知出来ました。
お母さんに脱臼後は再脱臼し易いことや手首を持たずに上腕部を持てば肘の脱臼は起きないこと等の注意事項を説明して、3才から5才ぐらいまでは再脱臼しないように気を付けて頂くようにお願いしました。
また、脱臼しないように気を付けて下さいね。お大事に。
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2016年05月03日|小児肘内障
5月3日の祭日の今日は東京の多磨霊園へ父のお墓参りに行く途中、電車の中で携帯に電話を受信しました。マナーモードでしたが気づいて電車内では出られないため、そのまま切れるのを待ちました。恐らく急患だと思い携帯の電話番号を登録して、ショートメールで連絡をしました。するとすぐに返信が有り、以前急患で小児肘内障で2回来院歴のある男の子が、また肘を脱臼(小児肘内障)してしまったそうで診て欲しいとの、お母さんからの連絡でした。
これから、お墓参りをして昼食後に帰宅したら夕方になってしまうため「取り敢えず救急病院で整形外科の先生が担当医の病院に問い合わせて頂いて、明らかに小児肘内障なら、帰宅後に拝見しても大丈夫です」と返信すると外出先からの帰りのようで、息子さんも痛がってはいない様子なため夕方に見て頂きたいとの返信でした。
それで、帰りに大船の到着時間をメールして、接骨院で待ち合わせすることになりました。
東京駅から東海道線に乗ると車内で3時59分に大船に着くとわかり「4時過ぎには大船に到着します」とメールをして「その頃に接骨院へ伺います」との返信を頂きました。
大船駅に着き足早に接骨院へ向かうと、すでに接骨院の前に患者さんご家族は待っていました。挨拶も早々にカギを開けて待合室へ入ってもらい、奥様には初診申込み用紙に記入をお願いして、ご主人には抱っこをしている息子さんと治療室に入って頂きました。
パソコンの傷病履歴では、昨年の3月と4月の2才の時に左肘の脱臼(小児肘内障)で来院されていて、それより以前に1回だけ左肘の脱臼(小児肘内障)で別の接骨院で診て頂いていましたので、全て左肘で今回が4回目になりました。
負傷原因をお聞きすると、出先の駅の改札の手前で、お母さんが右手を繋ぎお父さんが左手を繋いでいて、前へ進もうと手を引いた際にお父さんの引く力の方が強く、左肘を脱臼(小児肘内障)してしまった様子でした。
そんな問診のやり取りを聞きつつ、息子さんが急に「僕ここに来たことあるよ」と言いました。
「しゃべれるようになったんですね」とお父さんに言うと、もう3才になり4月から幼稚園の年少さんになったそうで男の子の成長にとても驚きました。
少し元気が無いなように思っていたのですが、幼稚園に通うようになりすぐに風邪をうつされてしまい、治ってまた風邪をうつされての病み上がりとのことでした。
いつものアンパンマンの音の出るおもちゃであやそうとすると、お父さんから「今は妖怪ウォッチに興味があるんです」と言われてしまいました。それでもアンパンマンに興味が無いわけでもなく、手で触れてはいるので、時間が経ち抵抗する様子もなかったため、整復操作を肘関節屈曲、前腕回外で行いました。するとすぐに整復音と共に整復されました。
やっぱり泣かれてしまいましたが、ティッシュペーパーで涙を拭いてあげてしばらくすると泣き止んでくれました。
来院した時には床にダラーンとしていた左腕でしたが肘も曲がり、涙を拭いたティッシュペーパーを左手に持たせてあげると手も使うようになりました。再脱臼しないように気を付けて頂くようにお願いして治療を終えました。お大事にね。
近日中に小さな子供さん用に妖怪ウォッチのおもちゃを購入しないといけないなと思いました。
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2016年04月07日|脱臼
今日の午前10時過ぎに1才の女の子のお母さんから電話があり「昨夜、左肘を脱臼して救急外来で診てもらったのですが、その後も左手を使わずにいるので、これからそちらで診てもらえますか」との問い合わせがありました。少し遠くの方で、11時30分頃に到着されて、受傷原因をお聞きすると、お婆ちゃんとお母さんの間で娘さんが両手をつないでブランコのようにしていた際に、お母さんの引く力が強く左肘を脱臼したとのことでした。☞今回が初めての受傷。
昨日のご様子では救急外来の待合室で、ある程度左手を使うようになったそうで、医師の診察時には整復をされたようですが「もう入ってるんじゃないかな」と言われたそうです。
しかし、昨夜の帰宅後も左手を使う様子は無く、今朝起きてからも左手は使わないので、脱臼が整復されていないのではと思われたそうです。
女の子の左腕のシャツの袖を肘の上までめくって、小児肘内障の整復動作をしっかり行うと、肘のところで「ピキッ」と整復音が触知出来ました。結構しっかりと脱臼しておりました。
少し泣かれましたが、帰りにはアンパンマンのラムネ菓子を左手にしっかり握りしめられるようになり、右手でバイバイをしてくれました。
また、脱臼(小児肘内障)しないように気を付けてくださいね。
当院では小児肘内障だけでなく、肩関節脱臼、顎関節脱臼、指関節脱臼等を
急患でも対応しております。
整復は呼吸法による無痛整復を行っておりますので痛みはわずかです。
急患の場合はお電話をされてから来院ください。
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2016年03月26日|小児肘内障
土曜の朝の診療が始まって間もなくの9時過ぎに、以前も小児肘内障で来院されたことがある3才の女の子が、大泣きでお母さんに抱っこされて来られました。原因をお聞きすると、車の助手席に居たお兄ちゃんが車の後部座席に居た妹さんの手を引っ張ったそうで、そのお兄ちゃんはニヤニヤしながら待合室をうろうろして、私と視線を合わせないようにしていました。
傷病履歴から今回が右の小児肘内障のみ5回目で、以前もお兄ちゃんに手を引っ張られて受傷したことが度々有ったことを覚えています。
すぐにお二人共治療室に入って頂き、回外法で整復音と共に整復されましたが、泣き止んでいた女の子はまた大泣きでした。
治療を終えると、待合室で遊んでいる女の子のお兄ちゃんに妹さんの手を引っ張らないように注意しましたが、はぐらかすかのように視線を合わせず笑顔を振りまいておりました。
妹さんは泣き止みましたが、左手でバイバイをして、右手は抱っこされたお母さんの服をしっかりと掴んでおりました。
以前、お兄ちゃんも何回か小児肘内障で来院したことが有るのですが、大きくなり最近は脱臼しなくなりましたね。二人共また脱臼しないように、兄妹喧嘩もほどほどにしましょうね。
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2016年03月23日|マレットフィンガー
昨年11月8日に左手薬指の腱性マレットフィンガーを受傷され、11月19日に他医より転療された男性患者さんが1月20日以来であったが、3月23日朝8時ごろの診療前に来院されました。
東京武蔵野市から出勤前の早朝に通院頂き、経過も良く1月27日から1週間程度の海外出張とお聞きして、暫く来院されていなかった為、もう来られないのではと思っておりました。しかし、約2か月間体調を崩されていて通院ができなかったとのことでした。
今日来院されたのは、完治しているのかを確認して欲しいという事でした。
以下が患者さんの治療経過です。
昨年の11月19日の初診時に他医での装具固定を当院のシーネ固定に変更して、負傷から47日目(約6週間)の12月18日(下記の写真参照)に伸展の維持が可能となり入浴を許可しました。
下記が1月5日【負傷から65日目(約9週間)】の写真です。伸展は良好です。
上記のように左手薬指の屈曲は右に比べ不充分です。
下記が3月23日【137日目(約19週間)】の来院時の写真です。
伸展も屈曲もほぼ正常に近い状態です。伸展は健側がやや過伸展されるタイプの方なので、これからも改善することをお伝えしました。ところで、患者さんが負傷された原因は夜寝ている間にどこかにぶつけて、朝起きたら左手の薬指の第一関節が曲っていて伸びなかったとのことでした。今後はくれぐれも気を付けて就寝してください。お大事に。
腱性マレットフィンガーでは些細な外力でも伸筋腱が断裂して、第一関節が屈曲してしまい自動伸展が出来なくなります。痛みは軽度か無い場合も有り、受傷された瞬間をご自身で気づかれないこともしばしば有ります。
現在、骨性マレットフィンガーのオペ後の患者さんを含めて、マレットフィンガーの患者さんが約20人通院されております。
マレットフィンガーは適切な固定処置とリハビリをすれば、時間は掛かってもそれほど後遺症は残らない疾患です。
サイズの合わない装具や第二関節(PIP関節)を含めたアルフェンスやプラスチックシーネなどで固定をされた場合には、受傷していない第二関節(PIP関節)まで可動域制限が生じてしまいます。
病院での初期治療に疑問を持たれていたり、充分な治療方針が示されないまま、ただ固定だけをして約6~8週間経過してしまいますと、拘縮症状により治療が長期化してしまいます。治療が半年から1年以上要する方もお見受けします。
マレットフィンガーでお悩みの方は、遠慮なくお電話でご相談ください。
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2016年03月18日|マレットフィンガー
現在、当院には腱性マレットフィンガーの患者さんが多数来院されております。
来院時には固定を取り洗面所で手を洗って頂き、手指を清潔に保って、特殊なテーピングでDIP関節を固定し、伸展位を保持したまま超音波バスでの物理療法を行っております。(下記の写真参照)
ご自宅での入浴の際には、固定を取らずにサランラップやビニール手袋を使用して濡らさぬようにお願いしております。
バスケットボールの試合中に右手薬指の腱性マレットフィンガーを受傷された40代の男性が3月12日 (土)で受傷から6週間となり、第一関節(DIP関節)の伸展の維持が可能となったため固定を取っての入浴を許可しました。
【下記の写真が受傷された翌日の来院時の状態です】
【下記の写真が受傷後6週間で伸展の維持が可能となった状態です】
【下記の写真が受傷後6週間での屈曲の状態です】
当然6週間もの期間、伸展位固定をしていたのですから、曲がりにくいのは当然です。ここで注意しなければならないのが、曲がらなくなってしまったと慌てないことです。
※この日から入浴の際に指の屈伸運動をして頂くのですが、湯の中で充分に温めてから、ゆっくりと10回から20回程度行っていただきます。第一関節を伸ばす際にはやや反らすように行い、曲げる際には軽く握る程度にします。初めのうちはそれくらいで充分です。入浴後は少し第一関節(DIP関節)が屈曲しますが、入浴以外はシーネ固定を継続します。固定をすればまた第一関節(DIP関節)は真っ直ぐになります。
【下記の写真が3月18日(金)6週間と6日目の状態です】
入浴時に固定を取り屈伸運動をされただけですが、6日間で可なり屈曲制限が改善しております。
伸展も超音波バスでの屈伸運動後ですが安定しております。健側よりもわずかに屈曲しておりますが、これは屈伸運動をした後だからです。固定を取ってすぐの状態では健側と同じように真っ直ぐになっております。この患者さんは入浴以外の時間は、シーネで反るように(やや過伸展位)固定を継続して頂いております。8週目から日中は伸縮テーピング固定として、夜間はシーネ固定にする予定です。
受傷された翌日より治療を開始出来ましたのと、40代前半の年齢等の要因も有り経過は良好です。バスケットボールの練習は、もう少し辛抱して下さい。宜しくお願い致します。
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右手薬指の腱性マレットフィンガーの40代男性の経過の続きを読む