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2012年05月10日|小児肘内障
今日、昨年の11月の夜間に小児肘内障で来院したことのある、3歳の男の子が自宅で転んで、左肩を痛めたと来院された。
お母さんが言うには転んだ際、コンロに左肩をぶつけた様で、左腕を使わなくなっているとのこと。手を引っ張ったりはしていないらしい。転んだあとに少し昼寝をして起きたら、やっぱり左腕を痛がり使わないので連れて来られたようだ。
お母さんは息子さんが転んだ状況をよく見ていたわけではないらしい。転んだのなら、左鎖骨骨折、左上腕骨顆上骨折、左前腕骨骨折等を考慮し、慎重に触診をしていったが、どこにも異常は見られなかった。しかし、男の子は痛みを訴えながら大粒の涙を落として泣きだして、だんだんとボルテージを上げていく。
左腕をよく観察してみると、前腕を回内した状態で、右手で左手首を持って離さないでいる。どうも様子からは小児肘内障らしい。アンパンマンのおもちゃで気を引いている隙に前腕を回外した。すると整復音を指先に触知し、その後男の子は左手を使いだした。転んだのかもしれないが、お母さんが抱き起こす時に拍子で左手を引っ張ったのかもしれない。
また、再脱臼しないよう、お母さんに手首を引っ張らないよう促した。小児肘内障は成人の肘の脱臼とは異なり、整復されれば一度で治ります。輪状靱帯の亜脱臼と言われています。幼少期を過ぎれば、脱臼しなくなりますが、稀に小学校の低学年でも脱臼します。2歳から5歳くらいが好発年齢でしょうか。
お子さんが、小児肘内障のような場合は、時間外でもお電話下さい。
乳児医療証と保険証をお忘れなく。