HOME > スタッフブログ > マレットフィンガー > 腱性マレットフィンガーのパテシェの男性患者さんの治療を終える
2014年12月10日|マレットフィンガー
他医より転療された30代の男性で、ご職業がパテシェをされている患者さんの治療を12月10日に終了した。負傷の原因は自転車での転倒で、整形外科にて左手薬指の腱性マレットフィンガーの診断を受けられ、38日間(5週間と3日)のアルフェンス背側固定除去後に屈曲変形を呈し、それから6日後に来院された。
【下の写真は10月29日の来院時(受傷から44日目)】
当院に来院されるまでの6日間は患者さん自身で簡易テーピング固定をされていたが、就労されると20度以上DIP関節が屈曲してしまうと訴えられ、伸筋腱の癒合と伸展力が不充分であるため掌側シーネで再固定を施した。
☞通院は勤務先(川崎)のお店が休みの水曜日のみで、週に1回でした。
【来院から29日後(受傷から73日後)】完全伸展可能
【DIP関節の屈曲は45度可能】
ご職業がパテシェで手を握る動作を繰り返される為、日中は伸縮性テーピングで
作業をして頂き、夜間シーネ固定は継続。起床後と帰宅後のDIP関節の伸展の状態を比較するようお願いした。帰宅後のDIP関節の伸展状態に変化が有れば、また半日程度はシーネで再固定をお願いした。また、毎晩の入浴時の機能訓練(屈伸運動)を指導した。
【12月10日(受傷から87日後)治療終了時の伸展状態。DIP関節の伸筋腱断裂部の組織修復部に肥厚(膨隆)があり、僅かに完全伸展不充分ではあるが、
起床後の夜間固定除去後は完全伸展しているとのこと。】
【DIP関節の屈曲制限はほぼ消退している】
クリスマス前の繁忙期のため翌週からは休みが取れないとのことで、12月10日で治療を終了したが、年内一杯はお仕事で手を使うことも多いようなので、夜間シーネ固定は継続して頂くようお願いした。
☞30代前半の方で、5週と3日ではいくら若くても全日の固定除去は早過ぎたようです。腱性マレットフィンガーを受傷された若い20代から30代の方では、おおよそ6週間で完全伸展が可能となりますが、患者さんの職業によって固定期間を考慮しませんとDIP関節は必ず再屈曲してしまいます。しかしながら、多少再屈曲しても焦ることは有りません。また全日シーネ固定を施し、完全伸展が出来るようになったら、日中は伸縮性テーピング固定、夜間はシーネ固定を継続して経過観察をしていけばこの患者さんのように必ず良くなります。
ご職業がデスクワークの方ならまだしも、パテシェで手をかなり使われる方でしたので8週間の全日シーネ固定が必要だったと思われます。また、一定期間の日中の伸縮性テーピング固定が必要で、夜間シーネ固定を長めにすることがとても大事です。
毎週水曜日、運動不足解消とは言え、自転車で片道2時間も掛けて通って下さりお疲れ様でした。これからも美味しいスイーツを作られて、お客さんを笑顔にして下さい。お大事に。
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大船接骨院
院長 佐藤和義