HOME > スタッフブログ > マレットフィンガー > バスケットボールで受傷された腱性マレットフィンガーの男性が来院
2015年03月11日|マレットフィンガー
3月11日(水)朝の準備をしていると7時50分ごろに電話が鳴り、整形外科で腱性マレットフィンガーの治療を受け,上手く腱が着かなかったので診てほしいとの連絡を頂いた。今、車で接骨院に向かわれていて、30分程で到着されるとのこと。
8時20分ごろに40代の男性の患者さんが到着された。
患者さんに今までの経過をお聞きすると1月22日にバスケットボールで軽いパスを受けた際に負傷されて、痛みもなくプレーを続けていると、ボールの空気が抜けたような感覚を覚え、ふと左手の中指の第一関節が曲がってしまい伸びなくなってしまったことに気付かれた。翌日、整形外科を受診されてX線検査上骨折はなく、腱断裂の腱性マレットフィンガーと診断され、固定をされたとのこと。1週間ごとに通院され5週間と4日程(39日間)で固定を取ったところ、元のように第一関節が曲がってしまい担当医師より「上手く着かなかったようなので、真っ直ぐに治したいのなら手術をするしかないようだね。」と言われてしまい、当院のホームページを見て連絡を下さった。下記の写真は固定除去後、1週間固定をせずに過ごされた来院時の状態である。
DIP関節が80度ほど屈曲しており、関節周囲には発赤や浮腫が生じていた。痛みもあるそうで「痛みだけでも治したいので」と希望され来院された。
まだ、受傷から6週間も過ぎておらず、39日間で固定を取るのは早過ぎたことをご説明し、全日の再固定をお願いしました。
翌日、浮腫が軽減され固定が緩んだ様子で再来院された。真っ直ぐに指を伸ばしてもらい固定を取ったところ、下記のように可なり真っ直ぐになりました。
PIP関節が過伸展しているのと、DIP関節の肥厚の膨らみで曲がっているようには見えてしまいますが、たった一日でこのように改善されてしまいます。
本当に腱が上手く着かなかったのでしょうか?
伸筋腱はもともと力が弱く、癒合後すぐは伸展力が特に弱いため少しの時間は真っ直ぐになっていても、日中は伸縮性テーピング固定程度はしませんとすぐに第一関節は曲がってきてしまいます。
曲げることの多い日常生活において、患者さんの職種や趣味等によっては、ある程度の期間は伸縮性テーピング固定を継続しないといけませんし、夜間固定に関しても数週間から数か月を必要とします。
患者さんの価値観によると思うのですが、陳旧性の腱性マレットフィンガーは、
①患者さんが第一関節が見た目で真っ直ぐな状態を重要視されるか
②患者さんが第一関節の曲がり具合を出来るだけ早く改善されたいか
によって治療方針が決まります。
上記の男性患者さんは取り敢えず+4週間の全日固定をお願いして、物理療法を加えて経過で夜間固定に変更する治療方針を提案しました。
腱性マレットフィンガーは患者さんの希望をお聞きして、固定期間や物理療法等を考慮しなくてはならないので、患者さんと治療者側がよくディスカッションして、理解し合い治療を進めていくことが重要な疾患と考えます。
陳旧性の腱性マレットフィンガーは完治は難しいですが、日常生活に支障のない程度には改善が可能な疾患です。時間は掛かりますが、諦めずに適切な治療を受ければ7~8割の改善は見込めますので頑張りましょう。お大事に。
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大船接骨院