HOME > スタッフブログ > 脱臼 > 金曜の診療終了後に右肩関節脱臼の男性が来院
2017年04月28日|脱臼
ゴールデンウイーク前の28日金曜日の午後8時頃、診療終了後の後片付けをしていると電話が鳴り、受付が出ると
「いま肩を脱臼してしまったのですが、診てもらえますか」と男性からとのこと。
私が電話に出ると、聞いたことのある声だったので
「〇〇君?今どこにいるの」と聞くと
「西友の屋上のフットサル場にいます」とのこと。
「近いからすぐに来れるよね」と言うと
「たぶん行けると思います」との返事で電話を切った。
15分ほどでフットサル場のスタッフの方に連き添われて〇〇君が来院した。
左手で右手首を持って可なり痛みで辛い様子だったため、すぐに治療室へ入ってもらいベッドに座ってもらった。
右肩を脱臼した状況を聞くと、フットサルでディフェンスをしていて、相手にフェイントされて右手を挙げた状態で身体を振られた時に、右腕を持っていかれてしまったようで、身体接触なく脱臼した様子だった。
「しくじってしまいました」と嘆いていた彼は、以前にもサッカーで右肩の亜脱臼をしており、当院には3回の通院歴があった。また、完全脱臼も今回が3回目で、いわゆる脱臼癖が有り、反復性肩関節脱臼であった。下記が外観写真である。
(傷病名)右肩関節前方脱臼
勤務柔道整復師の杉本に整復を指示し、私は呼吸法で〇〇君の心理コントロールを行い、動画撮影をしながら整復のサポートをした。反復性ではあったが取り敢えず外転挙上法を試みた。しかし整復が困難なようだったので、ゼロポジション法に変更するように指示した。暫くゼロポジションで牽引をして、上腕の外旋をしたところ、どうも痛みが消えているようなので、代わって肩関節の状態を確認してみるとすでに整復されていた。
〇〇君に今の痛み具合いを聞き、整復されたことを伝えるとほっとした表情で
「さっきのような痛みは無くなりました」と答えた。続けて、
「前にも病院でゼロポジションで整復をされて、先生が腕を挙げるのが早くて凄く痛くて大変だったんですけど、今回は今までで一番痛まなくて楽だったです」
と言われ、背中を支えて身体を起こしてから座位で患部のアイシングをした。
アイシングを終えて、シャツも汗でびっしょりだったため、帰ってからシャワーを浴びるだろうと思い、患部を再脱臼しないようにテーピング固定してから三角巾で提肘した。
「明日の29日は午前のみ予約診療するので、10時30分頃来院するように」
と促し治療を終えた。
彼にとって身体接触なく肩が脱臼してしまう反復性肩関節脱臼の状態では、フットサルをしていても、再脱臼の恐怖心で思い切ったプレーが出来ない要素になる為、手術も考慮した精密検査をされるように伝えて、他医への紹介状を書き転療となった。
肩関節脱臼の手術後は数日間の入院が必要で、固定やリハビリも長期間に渡る為、ある程度の時間的余裕のある方でないと、手術に踏み切れない場合が多い。しかし、術後の再脱臼率は可なり低くなり、生活上の不安無く過ごされている方は多い。
彼にはタイミングが合えば手術をされて、フットサルを再脱臼の不安なくプレー出来るようになればと思います。お大事に。
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