HOME > スタッフブログ > 足関節捻挫 > 金曜の夜間に右足関節捻挫(靭帯損傷)の男性が急患で来院
2018年04月28日|足関節捻挫
金曜の夜9時過ぎに夕飯を食べていると接骨院の電話が鳴りました。妻が出ると岩瀬中学校の体育館で午後7時から9時に一般開放でバスケットボールをされているクラブチームの代表の方からでした。
チームの男性が右足首を捻挫したので、これから診て欲しいとのことでした。
一旦自宅へ子供さんを送ってから来院されるとのことで、食事を済ませてから
一階の接骨院へ降りました。
代表の方からは、大したことはないと思うんだよねと言われていたのですが、原付バイクで来院された患者さんは、バイクを降りるとケンケンで全く右足を着けませんでした。 下記が来院時の外観写真です。受傷は8時30分頃で1時間ほどしか経過していない割には、右の腓骨遠位端部に可なりの腫脹を認めました。
負傷の原因はバスケットボールのゲーム中にリバウンドに跳んで、着地の際に自分の身体を支えきれずに右足関節を内返しに捻ってしまったとのことでした。
腓骨遠位端部の腫脹と限局した圧痛から腓骨遠位端部骨折を疑い、超音波観察装置で患部の観察をしました。 幸い腓骨遠位端部に骨折はなく、腓骨筋腱の損傷が強かったために腓骨遠位端部に血腫が著明であったことが解りました。また、前距腓靭帯の損傷が著明で前方引き出し症状も認めました。
足関節の底・背屈制限も認めたため、アイシング後に距腿関節のアライメントを整えるために整復をしてから、足関節を背屈約5度でギブス固定を施しました。
治療後、荷重歩行痛はほぼ消えましたが急性期のため一本杖を貸し出しました。
※足関節捻挫(靭帯損傷)は一般的に軽視されがちな疾患です。整形外科ではレントゲンで骨に異常がないと固定はされず、湿布の処方だけで帰されてしまう事が少なくありません。また、簡易サポーターで固定されても歩くのに痛みがあったり、腫れが中々引かず、経過が不良で転療されてくる患者さんが多数おられます。
足関節捻挫(靭帯損傷)は整復後に初期固定をしっかり施して、松葉杖が無くても荷重歩行可能な状態にする事がとても大切です。
私も20代の頃、毎週土曜日に隔週で大船中学校と岩瀬中学校の体育館でバスケットボールのクラブチーム「スクランブル」の代表をしておりました。鎌倉市内のクラブチームの大会にも登録して、春と秋には大会にも出場しておりました。
当時の私も左右の足関節を数え切れないほどバスケットボールで捻挫していて、予防のために、必ず自分でテーピングをしてプレーしておりました。
捻挫は癖になると言われる方が居りますが、初期固定をしっかりとせずにリハビリや物理療法等を行わなかった場合には、靭帯の組織癒合が不充分な状態で終わってしまいます。歩行時痛が無くなっても、傾斜や低い段差等で簡単に足関節を捻りやすくなります。このような状態になってしまった足関節を
☞足関節不安定症といいます。
このような状態にはならないように、バスケットボールクラブに早く復帰できるよう、頑張って治していきましょう。お大事に。
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