HOME > スタッフブログ > 病的疾患 > 50代の痛風の男性が左股関節痛で来院
2018年08月10日|病的疾患
8月9日木曜午後4時に可なり歩くのが辛そうな男性が受付に来られました。初診申込みに記入いただいた内容を拝見すると、原因は不明で人体図には右足と左股関節に〇が付けられていました。
問診でいつごろから痛みが有るのかをお聞きすると、2か月ほど前から右足に痛みがあり、それをかばっているうちに1~2週間前から左股関節部と左腰も痛みだしたご様子でした。
取り敢えず両足の靴下を脱いでいただき、足を並べて頂きました。下記がその時の外観写真です。
明らかに右足の第2中足趾節関節周辺が腫れており、健側の左足に比べると赤味の強いのがわかります。
夜間痛について尋ねると、夜痛みで起きることは無かったようで、痛風の疑いがあることを伝えて、お酒はどのくらい飲まれるかをお聞きしました。
すると、毎晩ビールを350ml×5本に焼酎とウイスキーをを数杯飲まれるとのことでした。
「それでは痛風になってもおかしくはないですね」と伝えると
「痛風とは何ですか?」と言われて
ご存知ないのに驚いたのですが、”風が吹いても痛むから痛風”と言われていて、ビール等に含まれているプリン体が原因の一つと言われている事を伝えました。少し調べてみました。
《痛風=高尿酸血症》
痛風に悪い食事といえばプリン体を多く含むもので、レバーやウニ、干物なども有りますが、アルコールの分解時にはATPといわれる体内のエネルギー源が消費され、これが尿酸の生成を促進してしまいます。また、同時につくられる乳酸のはたらきによって、尿酸が尿と一緒に体外に排出されにくくなります。夏場に痛風発作が多い一因としてはビールなどアルコールを摂取する機会が増えるからといわれています。
焼酎にはプリン体が無く、ウイスキーやブランデーでは少ないのですが、ビール酵母にはかなり含まれており、350ml×5本ではプリン体の摂取量は多くなると思われます。
しかし、アルコールはそれ自体の分解の際に尿酸を産生し、尿中の尿酸排泄を阻害する働きもあるため、血清尿酸値が上昇することが多くなるという事実があります。このため、プリン体を含まない焼酎やウイスキーなどの蒸留酒の飲酒でも血清尿酸値が上昇するそうです。
患者さんは3月の健康診断では問題が無かったそうですが、恐らく痛風と思われるため内科をご紹介し、医師の診察を受けていただきました。
1時間ほどで診察を終えて戻られたのですが、やはり痛風発作との診断でした。お借りしたレントゲン画像上も、痛風の症状である痛風結節が右足の第2中足趾節関節部に認められました。投薬で様子を見られることになりました。
当院では左股関節痛に対しての治療を致しました。
翌日も来院され昨日より跛行が軽減して、幾分笑顔も見られましたが、左股関節痛は楽になられたと言われたものの、右足の痛風はあまり変化はないとのことでした。
「昨日はお酒はどうされましたか?」と聞くと
「焼酎だけ飲みました」と言われました。
2ヵ月も痛風の痛みを我慢されていたので、無理もないとは思いましたが、少しお酒の量を控えられて、生活習慣の見直しをされてはと思います。
痛風にはバランスのよい食事と、肥満予防のための適度な運動が効果的とのことです。
私も5年ほど前に「尿管結石」を患いました。担当医から紅茶やホウレンソウに含まれているシュウ酸カルシウムの接種を避けるように言われ、紅茶はミルクティーにして、ほうれん草もグラタンのようにして乳製品と一緒に食べるように言われました。可なり耐え難い痛みだったことと、50%の再発率と知ったため、ストレスを溜めないようにして、水分をこまめに摂り、紅茶はストレートをやめて、ほうれん草を食べないようにしております。その甲斐もあって5年以上再発はしておりません。
痛風は、早期の適切な薬物治療と食生活の改善で治すことができる疾患とのことです。痛風になってしまった方は、痛みを我慢せずに早めに内科、リウマチ科(内分泌代謝科)、整形外科を受診されてください。くれぐれもお大事になさって下さい。
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