HOME > スタッフブログ > 脱臼 > 急患で右肩関節前方脱臼の男性が来院
2018年09月30日|脱臼
9月30日は午前中に公益社団法人神奈川県柔道整復師会学術大会があり、新横浜の会館へ行きました。
お昼を挟んで午後2時までの予定でしたが、台風の影響を考慮して休憩なしで、昼過ぎに終わりました。電車は動いていたので、新横浜駅で昼食を済ませてから帰宅しました。
妻と西友へ買い物に行き、帰宅してから一緒に夕食の支度をしていると、19時20分頃に接骨院の電話が鳴りました。
妻が電話に出ると、以前も通院歴のある男性からでした。旅行先で転倒して肩を痛めてしまい、腕が上がらないようで20時頃にはこちらへ着くとのことでした。
急いで食事を済ませて接骨院へ降りました。暫く待っていると、台風の影響で風が強くなってきました。
ニュースで20時にJR線は全線ストップすると聞いていたので、患者さんが来られるのか心配したのですが、20時を少し過ぎたところで到着されました。
負傷されたのは右肩でした。患者さんは幸い左利きだったので、初診申込み用紙に記入いただきながら負傷原因をお聞きしました。
患者さんは「骨折も脱臼もしていないと思います」と言われ、顔をしかめるような痛みを訴えてはおりませんでした。
ご友人と岩手県と宮城県へ旅行に行かれ、16時に岩手県で道を歩いていて、道路に土の露出しているところがあり、そこに足を滑らせて転倒してしまい、右肩を強打したとのことでした。
一通りお話をうかがったところで、着ているシャツを手伝いながら脱いでもらいました。
左右の肩を比べると明らかに異なる肩関節の状態が観察出来ました。
肩を強打されたなら上腕骨近位端骨折の疑いがありますが、 痛みもそれほど強くはなく、右手掌には手を着いた跡が有りました。外観上からも右肩関節脱臼であると思われました。
患者さんに写真を見ていただいて「これは右肩関節の脱臼ですね」と伝えると、
「以前も右肩を脱臼したことがあります」と言われました。
パソコンで履歴を検索すると、平成19年の1月5日から当院での治療歴がありました。その際には元旦に脱臼され、戸塚の総合病院の救急外来を受診され、その後の治療で来院されたのでした。
患者さんに説明をしていると奥様も駆けつけてくださいました。
午後4時に受傷されて既に4時間を経過しており整復に時間を要すと思い、また症例として、動画撮影をしたかったので、勤務柔道整復師の杉本さんを呼んで、整復動作の動画を撮影してもらい整復を行いました。
外転挙上では整復されず、ゼロポジション法で整復をしたところ、少し時間を要しましたが、4分程で整復されました。
整復後は右肩のくぼみが消失しています。
「休みの日に診て頂いて本当に良かったね」と奥様が言われて
患者さんからは「本当にお休みのところ有難うございました」と言われたので、
「こちらこそ肩の脱臼の貴重な症例を拝見できて良かったです」と言うと
「そうなんですか」と笑われました。
脱臼後は再脱臼しやすいため、寝返りや服の脱ぎ着などには充分に注意していただくようお伝えしました。奥様が来てくださったので、ご主人の旅行の荷物は奥様が持って、お帰りになりました。くれぐれも再脱臼されないように気をつけて下さい。お大事に。
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