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2018年11月30日|マレットフィンガー
平成30年11月26日の午前中、3年前に腱性マレットフィンガーで川崎から通院頂いた40代の女性の方が、首と胸鎖関節の痛みで来院されました。
患者さんは平成27年7月25日ズボンを脱ぐ時に右手の小指を引っ掛けてしまい負傷されました。
すぐに近所の接骨院へ通院され、プラスチックシーネで固定をされて41日間(5週間と6日)で固定を外されてしまいました。私のブログを読まれていた患者さんは夜間固定を希望されて、接骨院でアルフェンスの夜間固定を作成してもらいました。しかしながら、暫く夜間固定をされて通院治療されても経過が思わしくないため、平成27年10月15日に来院されました。
当院来院時の外観写真が下記になります。浮腫、発赤、屈曲痛が有りました。
患者さんの健側の左手第5指の第一関節と第二関節の可動域を計測しますと
第一関節は最大屈曲85度、第二関節の最大屈曲102度でした。
一般的な平均値は第一関節は80度、第二関節は100度です。
10月15日患側の右手第5指の第一関節と第二関節の可動域を計測しますと
第一関節は最大屈曲50度、第二関節の最大屈曲96度でした。
伸展は患側が-15度、健側が+5度でやや反るタイプでした。
患側に関しては、夕方になると-15度から-20度以上に屈曲してしまう
状態でした。
川崎のご自宅からは当院まで約1時間ほどかかり、年末年始はお忙しいとのことで、12月24日に完全屈曲と完全伸展は不充分でしたが治療を中止しました。
この頃には夜間固定を一日置きにしたり、日中はテーピングをせずに過ごしていただいておりましたが、入浴時の屈伸運動をしっかりと継続していただければ、これからもかなり良くなる事をお伝えして治療を終えました。
それから暫くした、翌年の6月末に患者さんからお手紙とスマホで撮影した右手小指の写真を7枚も頂きました。
当院来院前、来院時と治療途中、来院最終日、翌年の約2ヵ月おきの経過をこまめに撮影されていて、徐々に第一関節が伸びていく様子が解りました。
そして3年ぶりに来院されて、右手第5指の具合をお聞きすると、全く痛みも違和感も無くなり、可動域もほぼ良くなられていました。下記が外観写真です。
右手第5指の第一関節の伸展はほぼ0度です。屈曲もほぼ左右同じ可動域になっていました。
「こちらの接骨院に通って本当に良かったと思っています」と言われ、とても嬉しく思いました。
現在、当院には年齢は10代~60代、21名の腱性マレットフィンガーの患者さんが通院中です。(骨性マレットフィンガーのオペ後の患者さんは1名通院中)
毎月4~5名の新患の患者さんが来院されております。腱性マレットフィンガーの患者さんは延べ220人以上来院されております。
今朝も40代女性の右手第5指腱性マレットフィンガーの患者さんが来院されました。負傷は11月13日でラグに突き指してしまったそうです。
負傷当日に近所の開業整形外科を受診されて、レントゲン検査上は骨折は無く、総合病院の手の外科専門医を紹介されましたが、受診すると担当医からは腱性マレットフィンガーは手術療法も保存療法も治りにくいと言われてしまったそうです。担当医から次回までに手術療法か保存療法のどちらを希望するか考えてくるように言われ、再診で行かれた際に、保存療法を希望されると元の開業整形外科へ戻されてしまいました。
☞これは良くある事です!
元の開業整形外科へ数日後に行き事情を話すと「手術をしないなら治らなくても良いということですね」とまで言われてしまったそうです。それでも数回通院され、11月28日に皮膚がかぶれてしまい、インターネットで検索をしていたら当院のホームページを見つけ、電話をいただき来院されました。
開業整形外科ではPIP関節(第二関節)を含むアルフェンスシーネ固定を掌側にされ、総合病院の手の外科専門医では背側にされたそうですが、元の開業整形外科では、掌側にアルフェンスシーネ固定を戻されたそうです。その際、患者さんから指のPIP関節(第二関節)を曲げると痛むので、固定を短くしてくださいと言って、アルフェンスを切ってもらったそうです。
下記が来院時の固定状態と患者さんの患部です。
アルフェンスを止める伸縮性テーピングがきつかったり、緩かったりして少しかぶれもしたそうですが、幸い浮腫みや褥瘡などは有りませんでした。
テーピングで患部を伸展位固定して超音波バス(オンパー)の温熱療法後、患者さんの右手第5指の第二関節部手前までに、ぴったりと合った熱可塑性プラスチックキャスト材でシーネ固定を作成しました。
2か所の病院の整形外科医師から完治はしないと宣告されてしまった患者さんですが、年齢的には40代前半の方で、右手第5指の第一関節(DIP関節)、第二関節(第二関節)の可動域が広く、第一関節(DIP関節)が反る(過伸展する)タイプですので、ほぼ完治しますよとお伝えしました。
この日、患者さんから12月22日の冬至の日に、娘さんがお母さんとゆず湯に入りたいと言っているとお聞きしました。その頃は負傷から約5~6週間になりますので、経過が良ければテーピングで固定をして入浴は可能になると思います。入浴後は指の第一関節(DIP関節)を曲げずにテーピングで交換し、本日作成したプラスチックシーネをテーピングで同じように固定していただきます。その頃になりましたら、またご教示致します。
腱性マレットフィンガーの治療で大切なことは?
①患者さんの指の形に合ったフルオーダーの固定を作成。
②適切な固定期間(6~8週間)+夜間固定(4~12週間)
+日中の固定テーピング(患者さんの職業や症状により施行)
③初期からの物理療法と第一関節の伸展を維持した上での、第一関節の
経過に伴った、適度な屈曲のリハビリ。
④長期を要す疾患としての、患者さんと医療者側の相互理解と思いやり。
(全日の固定期間は6~8週間 夜間固定は4~12週間 治療期間は3~6か月以上)
⑤職業(建設業、内装業、音楽家、S.Eなど)や趣味(ゴルフ、剣道、バレー、
バスケ、柔道等)手指の使用頻度を医療者側が理解した上で、患者さんも
治療(固定、リハビリ等)に協力し参加する。
⑥数週間過ぎた放置例や数か月過ぎた経過不良例でも、固定や物理療法等
の治療によって、ある程度の機能回復が得られる疾患であるという理解。
陳旧例であっても年齢によっては完治する方もいるという事実を知る。
⑦不適切な圧迫固定による褥瘡形成や極端に短い固定期間、第二関節
(PIP関節)を含む、または第二関節の屈曲に妨げとなる固定を長期間
(4週間以上)されることによって後遺症が残るという事実を知る。
腱性マレットフィンガーは誤った初期治療さえしなければ、50歳以下の方なら、90%以上治る(=可動域の改善)疾患です。40歳以下の方はほぼ完治が見込めます。
50歳~70歳の方でも 日常生活には支障のない機能的改善が見込めます。
当院はJR大船駅から徒歩1分で、大船駅は湘南新宿ラインなどのアクセスが良いため、遠方からも来院される患者さんが多いです。
腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)や骨折後の手関節、手指の関節可動域制限、足関節周辺の捻挫や骨折後の可動域制限等でお悩みの方は、遠慮なく下記の電話番号またはメールにご連絡ください。
被害者救済の立場から、
交通事故の頸椎捻挫(むち打ち症)や腰椎捻挫、打撲傷、関節捻挫(靭帯損傷)、骨折等の治療も医科と連携をとって適切に対応しております。遠慮なくご相談ください。
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