HOME > スタッフブログ > マレットフィンガー > 第28回 日本柔道整復接骨医学会 口頭発表を終えて
2019年11月28日|マレットフィンガー
11月23日(土)、24日(日)に第28回 日本柔道整復接骨医学会が
東京有明医療大学で開催されました。
今回
「医科で改善が困難と言われた、陳旧性腱性マレットフィンガーの2症例」
と題して口頭発表をしました。下記が要約文と症例です。
Key Word:陳旧性腱性マレットフィンガー、固定期間、固定期間中の物理療法、夜間固定、日中のテーピング固定
「背景」
腱性マレットフィンガーは整形外科領域において難治性疾患に位置づけられている。陳旧性腱性マレットフィンガーでは、経過が不良なため医療者側が治療を拒むことも多い。当院ではホームページに腱性マレットフィンガーの症例の経過等を掲載し、常時20名以上の腱性マレットフィンガーの患者さんが通院中である。通院中の腱性マレットフィンガーの患者さんの殆どの方は整形外科から転療され、固定装具などの圧迫により、水疱形成、発赤、浮腫、疼痛、可動域制限を呈している。そのような中、腱性マレットフィンガーを負傷され、長期に渡り放置された後に整形外科を受診され、担当医より治療をしても改善の見込みはないと治療を拒否された陳旧性腱性マレットフィンガーの患者さん2名を施療し、良好な結果を得たので報告する。
「対象」
【症例①】左手小指腱性マレットフィンガー。
41才男性。職業:自動車の整備士。
<負傷年月日>2018年10月11日
<当院初検日>2018年11月3日《負傷後23日》
2019年1月29日治癒時 《負傷後111日》
<通院期間:89日 通院日数:6日 治癒 >
健側:伸展+10度 患側:伸展0度
健側:屈曲85度 患側:屈曲80度
【症例②】左手母指腱性マレットフィンガー。
13才女性。中学2年生。所属クラブ:軽音楽部でギターとピアノ演奏。
<負傷年月日>2019年2月10日
<当院初検日>2019年3月28日《負傷後47日》
2019年3月28日来院時 《負傷後47日》
2019年7月27日《負傷後168日》治癒時。 下記写真。
ギターとピアノ演奏、体育のバスケットボールなどに支障なく治癒。
<通院期間:123日(17週+4日) 通院日数:25日>
健側:伸展+10度 患側:伸展+10度
健側:屈曲90度 患側:屈曲85度
「結果」2症例共に入浴以外のプラスチックキャスト材、伸縮性テーピングを併用した固定処置、物理療法、機能訓練を施行。経過で固定強度と固定時間を減らし、QOL上支障のない関節可動域を得られ治癒した。
「考察」①2症例共に放置されていた期間に、無理な圧迫固定による拘縮症状が無かったこと。②固定後も拘縮症状が生じないように、入浴の際、患者さん自身が容易に取り外し可能なプラスチックキャスト材を使用したこと。③年齢的に若年者であったこと。などが組織修復を可能にした要因と考える。腱性マレットフィンガーは陳旧例であっても柔道整復師が積極的に施療すべき疾患であると考える。
負傷後から長期に渡り放置された2症例を経験し、患者さんのご協力により良好な結果を得ることが出来ました。
症例発表にご協力頂きました患者さんには、心より感謝申し上げます。
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