HOME > スタッフブログ > 脱臼 > 年末の12月28日(土)の早朝に右肩関節脱臼の男性が来院
2019年12月30日|脱臼
年内は残すところ12月28日(土)と30日(月)の午前中で仕事納めでした。年末は患者さんも忙しくされているため、例年では暇になるのですが、優先予約制にしたこともあり、この2日間は予約で一杯になりました。
そんな12月28日土曜の早朝7時20分頃、接骨院の電話が鳴りました。
妻が電話に出ると「そちらは脱臼を診てくれるのですか?」と男性からの急患の電話でした。
電話を代わりお話を聞くと、昨日の午後3時ごろにお酒を飲んで酔って転倒された際に右肩を負傷され,ご自分の症状をネットで検索されて肩関節脱臼ではないかと思われたようでした。
私は昨日に転倒されて肩関節脱臼をしていたら夜眠れないはずで、負傷当日のうちに医療機関を受診されると思い、肩鎖関節脱臼ではないかと推測しました。
因みに現在通院中の左肩鎖関節脱臼の患者さんの外観です。こちらの患者さんも酔って階段で転倒してしまい負傷されました。左鎖骨の外端に段差が認められます。
さて、7時40分頃に患者さんが到着されたのですが、また接骨院の電話が鳴り私が電話に出ると、今度は町田市在住の腱性マレットフィンガーの女性の新患の方からでした。妻に接骨院へ降りてもらい、男性患者さんの受付対応をお願いしました。
腱性マレットフィンガーの女性は12月12日の負傷日に整形外科でこの怪我は治らないからと言われて、1週間ほどで固定を取られてしまい、今は固定をされておらず、左手第3指の第一関節は可なり曲がっているとのことでした。
予約が一杯だったので、午後1時に来院いただくようにお伝えして電話を切りました。
急患の右肩関節脱臼の男性患者さんですが、接骨院へ降りて直接お話を聞くと、警備員のお仕事をされている横浜市在住の66才の方でした。昨日の午後3時に餅つきをされ、その時にお酒を飲んでかなり酔われてしまったようで、つまずいて転倒されたのは覚えているものの、どのように負傷されたかまでは覚えていないご様子でした。
お仕事の服などで可なり重ね着をされていたため、患部の右肩が痛まないように、ゆっくりと右側から服を脱いでいただきました。整復前の外観が下記になります。
明らかに肩鎖関節脱臼ではなく、右肩関節脱臼(前方脱臼)でした。
やはり昨夜はあまり眠れなかったそうです。通常なら救急病院へ行かれ整復されていれば、昨夜は眠れたのではないかと思います。また、脱臼は時間が経てば経つほど整復が難しくなる疾患です。
超音波観察装置で脱臼の状態を観察すると、半日以上過ぎている為、大胸筋の牽引力で上腕骨頭が中枢へかなり転位しておりました。
私は4階の自宅に戻った妻を呼び戻し、動画撮影してもらいながら、整復を試みました。
取り敢えず呼吸法で、ゼロポジションまでは痛がられることなく挙上が出来ました。そして末梢牽引をしながらゆっくりと待ちました。
暫くしてから、上腕を外旋・内旋しましたが整復されず、もう暫く末梢牽引をして様子を見ました。
しかし、8時から予約の患者さん二人が待合室でお待ちでした。お一人は治療後すぐに仕事が有るため、一旦整復動作を止めて、予約の患者さんの対応をせざるを得ませんでした。
診療の開始時間も押し迫っていたため、妻には動画撮影を止めてもらい、いくつか他の肩関節脱臼の整復法を試みましたが、整復が困難でした。
尚、もう一人の8時予約の患者さんは、ご予定がないとのことで申し訳なかったのですが、暫く待っていただくことをお断りして、また右肩関節脱臼の整復動作を再開しました。
可なり汗もかいてきて、流石に牽引している手も疲れてきてしまったのですが、ゼロポジションの牽引を緩めずに上腕骨頭を腋窩から右手で押さえて、上肢を下方へ降ろしたところでやっと整復が完了しました。下記が整復後の外観です。
再脱臼をしないように、左手首を右手で持っていただき、背中に手を当てて補助しながらベッドに座っていただきました。利き手で不自由かとは思いましたが、アームホルダーという三角巾の代わりになるバンドで提肘固定し治療を終えました。
この後はすぐに警備のお仕事が有り、明日の29日(日)で仕事納めとのことでした。また、来年からは現場が地元の横浜になり大船には来られなくなるとのことでした。
当院への通院は困難なようなので、新年早々にでも、ご自宅近くの病院で骨折の合併症の可能性も有るため、精密検査を受けられるようにお伝えしました。
翌日、患者さんと連絡が取れたので、新年に患者さんが医療機関を受診される際、担当医師に写真を見せていただければと思い、上記の右肩関節脱臼の整復前と整復後の外観写真を患者さんに取りに来ていただき、お渡ししました。
お一人暮らしで、寒い冬の時期に屋外での警備の仕事は大変かと思います。
再脱臼されないこと、反復性に移行しないことを祈っております。お大事に。
年末で治癒になる患者さんもいれば、年末に転倒されてしまい、お正月を固定したまま過ごされる患者さんもおります。
入浴をされる際、患部を洗えずに過ごされる患者さんは、とてもお気の毒です。来年は怪我をしっかり治され、怪我の無い、良い年になる事を心よりお祈りしております。
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