HOME > スタッフブログ > マレットフィンガー > 腱性マレットフィンガーの28才男性、お二人がほぼ完治(治癒)
2020年05月01日|マレットフィンガー
<症例1>
2019/09/21 (土) 0:04
埼玉県の20代後半の男性の方からメールを頂きました。
「5日程前に、左手の小指に強い衝撃を受け、腱性マレットフィンガーという診断を受けました。6週間の固定で治るか治らないかは五分五分だと言われ、仕事の関係もあったので、固定はせずに帰ってきました。しかし、このまま指が曲がった状態で生活していくことに不安を感じ、どうにか治る可能性がないかと思い連絡しました。一度お話を伺いたいのですが、一番近い日ではいつが診察可能でしょうか?」
「9月25日水曜日午後2時30分ではいかがでしょうか。」
「わかりました。25日水曜日午後2時30分によろしくお願いします。」
「承知しました。取り敢えず、第一関節のみ圧迫をしないように、薄いアイスキャンディーの板のようなものを使って、テーピングで固定をして下さい。何か有りましたらメールでお尋ねください。」
「仕事の都合上、指を使うので固定はしていないのですが、固定はしておいた方が宜しいのですか?」
「左手の小指でもお仕事で使われますか?パソコン作業ではないのでしょうか。少しの期間でも早くから固定をされた方が良くなりますので、来院されるまでの間も固定をされて下さい。因みにお仕事と年齢を教えていただけますか?」
「○〇才の消防士です。現在は日中以外は固定をして、仕事中は固定を外している状態です。」
「現在、消防士の方が2名通院中です。確かに仕事で使いますね。現場に行かれるなら尚更ですね。取り敢えず、かぶれないようでしたら非伸縮性テーピングでの固定をお願いします。水曜日まではそのようになさって下さい。」
「わかりました。非伸縮性テーピングで固定をしておきます。」
9月25日の来院時は下記です。
テーピングを取ると、最大伸展で下記のように第一関節は約40度屈曲していました。
プラスチックシーネで全日の再固定を施し、負傷から5~6週間で伸展の維持が可能
となりました。この日から日中の16時間は伸縮性テーピングとして、夜間の8時間は
プラスチックシーネを継続としました。
下記が10月28日の負傷から6週間+1日 の外観写真です。
この時の第一関節の可動域は伸展0度、屈曲40度でした。
お忙しかったことも有り、12月、1月は月に1日しか通院されませんでしたが、
経過も良く1月28日で治療を終了しました。
下記が最終通院日の1月28日の関節可動域です。
患者さんの健側の右手第5指の第一関節は最大屈曲90度、
第二関節の最大屈曲は105度です。
一般的な平均値は第一関節は80度、第二関節は100度です。
1月28日患側の左手第5指の第一関節と第二関節の可動域を計測しますと
第一関節は最大屈曲80度、第二関節の最大屈曲105度でした。
伸展は左右共に0度でした。
通院期間は126日間(負傷から135日間、約4ヶ月半)通院は10日でした。
1月28日の時点では、患者さんの第一関節の関節可動域は屈曲制限を10度残しておりました。しかしながら、患者さんはお住まいが遠方で、お仕事も多忙だったため、今後も年齢的に可動域はほぼ改善する旨をお伝えして、治療を終了しました。
わずか10日の通院でしたが、令和2年1月28日で日常生活やお仕事に全く支障のない可動域に改善され、とても喜んでおられました。埼玉県の遠方から通院いただきお疲れ様でした。
<症例2>
また、同じ時期に上記の方と同じ年の患者さんが並行して通院されておりました。
千葉県の20代後半の男性は,令和1年10月16日にジムでバランスボールを使って、壁にバレーボールのオーバートスをしていた時に突き指され、左手第5指腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)を負傷されました。
同日、近所の接骨院を受診され、当院では診られないのでと近隣の総合病院を紹介されました。翌日、総合病院の整形外科を受診され、装具で固定されました。
その装具でしばらく固定をしていると痛みや腫れが生じて辛かったそうですが、担当医から6~8週間の固定を継続するように言われて、我慢されました。
当院のことは受傷された当初からホームページを観てご存知でしたが、遠くも有り様子をみられていたそうです。それでも痛みに耐えかねて、お電話をされてきました。
すぐに予約を取らせていただき、12月2日に来院いただきました。
下記の写真が令和1年12月2日の来院時外観です。(負傷から48日目、6週+6日)
間違った大きいサイズの装具による強い圧迫で発赤、浮腫を生じておりました。
第二関節を含むこのサイズでは、第二関節が充分に屈曲出来ません。
下記のように、固定を取ると、マジックベルトの痕がくっきりと付いていました。
最大伸展時は第一関節の伸展がやや不充分でした。
下記のように最大屈曲時は、第二関節にも屈曲制限が著明でした。
「治療上の問題点」
①小指にしては装具のサイズが大き過ぎ、第二関節の屈曲を妨げてしまったこと。
②バンドを強く締めすぎたため、血流障害や浮腫みが生じてしまったこと。
③ 負傷から48日間、6週+6日の固定をほぼ外さずに過ごされたこと。
☞整形外科担当医の指示で、患者さんには何の落ち度も有りません!
これらの要因から関節拘縮を生じてしまいました。
圧迫による浮腫が強かったため、超音波バスによる温熱療法後の冷罨法(温冷交代療法)を施行後、指の形に合わせたプラスチックシーネを作成し固定を変更しました。
治療期間はかかりましたが、幸いお若かったため可動域の制限もわずかで終了することが出来ました。
下記が最終通院日の4月11日の外観写真です。
患者さんの健側の右手第5指の第一関節は最大屈曲は105度、
第二関節の最大屈曲は100度です。
一般的な平均値は第一関節は80度、第二関節は100度です。
初診時の12月2日患側の左手第5指の第一関節と第二関節の可動域は
第一関節は最大屈曲35度、第二関節の最大屈曲46度でした。
伸展は左-10度、右+5度でした。
4月11日の第一関節は最大屈曲86度、第二関節の最大屈曲100度。
伸展は左右共に+5度でした。
通院期間は132日間(負傷から178日間約6ヶ月)、通院は14日でした。
4月11日の時点では、患者さんの第一関節の可動域は屈曲制限を19度残していました。しかしながら、患者さんのお住まいが遠く通院も大変だったため、この日で終了となりました。
初診の時の状態に比べると、日常生活に全く支障のない状態に改善されたため、とても喜ばれておりました。もともと第一関節の可動域がとても広いため、今後もリハビリを継続していただければ、年齢的に可動域はほぼ改善する旨をお伝えして、治療を終了しました。千葉県の遠方から通院いただきお疲れ様でした。
お二人の症例のように、腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)は、年齢などにより異なりますが、完治もしくは日常生活に支障のない改善が可能な疾患です。
<腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)の治療で大切なこと>
①適切な固定具を使用すること。☞患部への圧迫は禁忌。
②初期からの物理療法(温熱療法)を施行。当院では超音波バスを施行。
③適切な全日の固定期間(約6~8週間) ☞年齢により異なる固定期間。
④6~8週間の固定後の日中のテーピング固定。(職種などにより異なる)
⑤約6~8週間の全日固定後の夜間固定。4~12週間の夜間固定により、
第一関節の伸展が安定します。
腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)は、受傷初期から上記の適切な治療を施すことにより、充分な治療効果が望めます。年齢や患者さんの個体差などにより異なりますが、概ね日常生活に支障のない関節可動域の改善が得られます。
当院は優先予約制です。来院される際は電話またはメールでご連絡下さい。その際に、負傷年月日、負傷原因、年齢、簡単な治療経過を教えていただき、ご都合の良い日時を受付に伝えご予約ください。
不良な固定装具により、痛みや浮腫みなどが生じている場合は、遠慮なく至急お電話ください。
来院時には箇条書きで結構ですので、負傷年月日、負傷からの簡単な経過を記入したメモを持参いただければ幸いです。宜しくお願い致します。
お大事に。
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