2021年08月01日|マレットフィンガー
令和1年5月9日に商品カートンへ右手薬指をぶつけてしまい右手第4指腱性
マレットフィンガー(マレット指)を負傷され、翌日から当院で治療された男性
(負傷当時63才)が、2年ぶりに首から上肢に至る痛みで来院されました。
下記が当院来院時、負傷翌日(令和1年5月10日)の外観です。
下記が当院治癒日 令和1年10月31日(負傷後176日)の外観です。
右手第4指DIP関節 伸展-3度 左手第4指DIP関節 伸展0度
右手第4指DIP関節 最大屈曲80度 左手第4指DIP関節 最大屈曲90度
わずかに屈曲制限が残っておりましたが、今後も改善されることをお伝えして
令和1年10月31日で治癒としました。
令和1年10月31日最終来院時
(負傷後176日:約6ヶ月間) 通院回数:21日
下記は令和3年6月15日(負傷から約2年1ヶ月)の来院時外観です。
右手第4指DIP関節 伸展0度 左手第4指DIP関節 伸展0度
右手第4指DIP関節 最大屈曲85度 左手第4指DIP関節 最大屈曲90度
約2年で屈曲制限がわずかになっていました。MP関節伸展位でも、右手第4
指の指先が充分に手掌へ着く状態まで改善されております。
正直なところ、年齢的にもう少し関節可動域制限は残存すると思っておりまし
たが、幸い関節の可動域が広く、ピアノ演奏などで指を繊細に使われることや
ピアノ演奏を再開したいという強い意欲もお持ちだったので、経過良く完治され
たのではないかと思います。
ご趣味のピアノ演奏や日常生活上も全く支障がないと言っていただき、とても
嬉しく思いました。
さて、腱性マレットフィンガーを負傷された患者さんが
総合病院や整形外科を受診された場合、担当医からは
「完治はしないし、治るか治らないかは5分5分ですね」
と言われた方がとても多い傾向です。
「以前、私もマレットフィンガーをしたけど治らなかったけれどね」
と担当医から治らなかった指を見せられた患者さんもおります。
年配者の方の場合ですと、
「治らないから固定もやめておきますか?」と言われた方がおり、
積極的に治療(固定)をしない先生もおります。
それは、ある程度の高齢になると若い方に比べ装具などによる長期間
の固定で、関節可動域の制限が生じてしまう可能性が高くなるからです。
⇒固定の圧迫で損傷した組織が圧壊されて、時にはPIP関節を含む固定
をしてしまうと、負傷されていないPIP関節にも関節拘縮を生じてしまい
浮腫や関節の可動域制限という後遺障害が残ってしまいます。
しかしながら、当院のように患部の固定のみにはせず、患部に対しての
物理療法(超音波バスによる温熱療法)等を同時に施行すれば、上記の
患者さんのように可動域制限はわずかしか残りません。
また、固定期間が短縮され、治療期間も短かくて済みます。
腱性マレットフィンガーは治らない疾患では有りません!
年齢により治療期間は異なりますが、腱性マレットフィンガーは、
適切な治療をすれば概ね完治または日常生活に支障の無い
関節可動域の改善が可能な疾患です。
《腱性マレットフィンガーの治療で重要な点は下記になります》
① 適切な固定具を使用する。
⇒負傷した患部を圧迫しない固定具を使用する。
当院では患者さんの指に合わせたプラスチックシーネを作成し、
固定期間中にはプラスチックシーネを洗浄してから再固定します。
② 適切な全日の固定期間を守る。(約6~8週間)
⇒時折、負傷から5週間ほどで第一関節が伸びたからと、固定具を除去
されてしまい、再屈曲してしまった患者さんを多数拝見しました。当院
では経過によって、4~6週間で入浴が可能になる固定具(プラスチック
シーネ)を使用し、概ね6週間目から夜間シーネ固定にしております。
③ 全日の固定除去後は再屈曲を防ぐために日中はテーピング固定を行う。
⇒来院される患者さんの多くは、6~8週間後の全日の固定後に夜間固定
を指示されますが、日中に手を頻繁に使用される職業の方の場合には、
日中のテーピング固定がないとDIP関節が再屈曲してしまいます。
当院では6週間の全日固定後でも、アクションテックスという低伸縮性
テーピングを日中に使用し、再屈曲を防止しています。DIP関節の伸展
の維持が安定してから日中のテーピングを除去しています。
④ 4~12週間以上の夜間固定。
⇒第一関節の伸展が安定するにはかなりの日数を要します。
第一関節の伸展の維持が安定するまでは、上記の期間は面倒でも
夜間固定を継続することが大切です。
⑤ 早期からの物理療法を施行。
⇒殆どの総合病院や整形外科では固定期間中の物理療法が有りません。
当院では負傷後の早期から下記の超音波バスによる物理療法を施行し、
浮腫を防ぎ、組織の修復を早めています。
固定期間が短縮され、DIP関節の屈伸制限の改善も早まります。
以上のことから、当院に負傷後の初期から通院された患者さんは、完治または
日常生活に支障のない関節可動域の改善に至っております。
現在、痛みを伴う装具等の圧迫固定により、治療期間の長期化や後遺障害で
お困りの患者さんが多数来院されております。(下記参照)
上記の2名の患者さんは何れも30代の男性です。固定具によって圧迫され
予後が不良となり、負傷後2ヶ月以上経過してから来院されました。
伸展は-10度以内に収まっても、屈曲制限が長期に渡って残り、大変お気の
毒です。
完治が可能な年齢であっても、初期の固定具の不具合(圧迫)により、治療が
長期に至ってしまい、後遺障害を残してしまう方が多数おられます。
負傷後、他医にて経過が不良な方であっても、再固定や物理療法などに
よって、可なりの改善が見込めます。
夏は固定が蒸れてしまい、かぶれ等で皮膚管理なども厳しい状況です。
当院では来院の際、負傷から初期の期間はプラスチックシーネと低伸縮性
テーピングを全て外して、患者さんの第一関節の伸展を維持した状態で
こちらが患部を丁寧に洗います。
患部の第一関節が屈曲しないように低伸縮性テーピングで固定をして、
負傷初期から超音波バスでの温熱療法(物理療法)を行っています。
当院ではマレットフィンガー(マレット指)に限らず、
四肢の外傷【手指・手首周辺の骨折、脱臼、捻挫(靭帯損傷)
腱損傷と足関節周辺の骨折、脱臼、捻挫(靭帯損傷)、筋断裂(肉離れ)】
交通事故(むち打ち等)、労働災害の患者さんが多く通院されております。
どうぞお気軽にご予約のうえ来院ください。
JR大船駅南改札(ルミネウイング側)
東口より徒歩1分
優先予約制(来院時または電話でご予約ください)
急患応需
交通事故治療対応
労災指定接骨院
鎌倉市大船1-23-31サトウビル1階
☎ 0467-45-6700
大船接骨院 院長 佐藤和義
2年前に腱性マレットフィンガーで加療した65才男性の経過の続きを読む
2021年05月23日|骨折
3月12日小学校の休み時間にドッジボールで右手中指を突き指し、同日近隣の整形外科を受診された、小学3年生男児のお母様より電話がありました。
受診された整形外科ではレントゲン検査とエコー検査で右手第3指マレットフィンガー(伸筋腱断裂)の診断を受け、担当医師より「第一関節は完全には真っ直ぐにはならない」と言われてしまいショックを受け、息子さんのことを心配されて、当院のホームページを観てご連絡くださいました。
3月13日当院来院時の外観です。
受傷時は右手第3指のDIP関節が30度ほど屈曲していたとのことでした。
当院でも念のためエコー観察をしましたが、伸筋腱断裂に加えわずかな末節骨の剥離骨折を認めたため、協力医療機関へ診察を依頼し、レントゲン検査でも末節骨剥離骨折が確認できました。
患者さんは皮膚が弱く、かぶれやすいということ。習い事が多く、週に2回スイミングスクール、週に1回サッカースクール、週に2回そろばん塾に通っていました。休み時間のドッジボールも楽しみとのことでした。
私は
「小学3年生ならば約2ヶ月でほぼ完治しますので安心してください」
と伝えると
お二人で顔を見合わせて「良かったね」とお母さんが嬉しそうに言うと
息子さんが「うん」とうなずき、とても嬉しそうな笑顔を見せてくれました。
尚、成人の腱性マレットフィンガーでは6~8週間の全日固定に夜間固定が
1~2ヶ月は最低限必要です。全治で言うと少なくとも4ヶ月はかかります。
しかしながら成長期の小学3年生(9才)の息子さんの年齢であれば、全日の固定は4週間と短くて済み、剥離骨折が併発しているので組織癒合は早まります。
夜間固定やリハビリ期間を含めた具体的な治療計画とともに、約2ヶ月で概ね完治する旨をお伝えしました。また、できる限り1週間に2回は通院していただくようお願いしました。
治療計画通り経過も良く、負傷から4週間目の4月8日右手第3指DIP関節の伸展が左右同じになり安定したため、日中16時間は伸縮性テーピング(アクションテックス)夜間8時間はシーネ固定にしました。下記が4月8日の外観です。
患者さんは川崎市から通院されていたため、この日から新型コロナウイルス感染症のこともあり、入浴も可能になったので週に1回の通院としました。
4月26日(負傷後4週間と4日)にはテーピングを多めに巻いてドッジボールを再開。
5月6日(負傷後8週間)にはスイミングスクールを再開されました。
5月10日(負傷後60日)には可動域制限もわずかになり治癒としました。
下記が5月10日 治癒日の外観です。
5月10日(負傷後60日) 最終来院時
《右手中指第一関節 伸展:0度 屈曲:88度》
《左手中指第一関節 伸展:0度 屈曲:90度》
屈曲制限はわずかに残っておりましたが、コロナ禍でもあり、少しの期間で
自然治癒する旨を伝えて治療を終了しました。
これからもサッカー、水泳、そろばん、ドッチボールを楽しんでくださいね。
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右手第3指マレットフィンガーの小学3年生男児が完治の続きを読む
2021年05月01日|マレットフィンガー
交通事故で右手第5指末節骨骨折(骨性マレット)を受傷されて、手術後に
経過が不良な患者さんよりメールでご相談を受けました。
以下が患者さんと私のメールの内容と当院に通院されてからの経過です。
2020/03/19
マレットフィンガーについて
はじめまして。
去年の10/23に交通事故で右手小指の第一関節を骨折しました。その後、
手術をしてピン2本で6週間固定。その後はプラスチックの固定器具で更に
6週間固定して、ここ8週間は夜間のみ固定しているのですが、指が下がった
ままの状態です。
これはマレットフィンガーの症状に似ていると思うのですが、一度見ていただく
事はできますか?
マレットフィンガーの写真を見て、似ていると思いお問い合わせさせていただき
ました。
○○○○○整骨院へ通っています。
〇〇 〇〇様
こんばんは。
右手小指の骨折の手術後に第一関節が屈曲しているのですね。
〇〇さんの症状は骨性マレットフィンガーではないでしょうか。
マレットフィンガーには腱性マレットフィンガーと骨性マレットフィンガーがあり
ます。ピンを二本挿入して第一関節を軽度屈曲位で固定する方法は石黒法と
言います。
10月23日負傷。オペ後6週間の固定は一般的なピン固定期間ですね。
その後、6週間のシーネ固定、8週間の夜間固定をされたとのことですが、
それで、現在も夜間固定をされているのでしょうか。
負傷から148日が経過していますし、可なり長期間になりお困りの事と推察
します。
拝見しませんと何とも言えませんが、末節骨の骨折の際に伸筋腱断裂が合併
していた可能性も有りますし、石黒法は第一関節を軽度屈曲で固定するため、
中々真っ直ぐにはなり難い場合があります。
さて、○○○○○整骨院では整形外科との連携の元に施術をされています
でしょうか。
来院いただく際に可能でしたら、整形外科のレントゲン画像が有ればご持参
ください。
当院では超音波観察装置で伸筋腱の断裂の有無などを動的に観察いた
します。その上で、今後の治療方針や固定方法などをご教示致します。
当院は予約優先制になっております。
明後日の土曜日は予約で一杯になっており、大変申し訳ございませんが
来週の月曜日以降でしたらご予約が可能です。
金曜日は祝日で休診ですが、朝9時または夜6時~9時にお電話をいただ
ければご予約が可能ですので、遠慮なくお電話ください。
何か有りましたら、0467-45-6700にお願い致します。お大事に。
大船接骨院 佐藤和義
佐藤先生
お忙しい中、ご返信ありがとうございます。
是非、来週の診察予約をお願い致します。
骨折時は、こんなに指は下がっていなかったです。ピンを刺し、抜いたその日
にはとても痛かったです。担当医は、腱が傷ついてると思うと言われました。
リハビリは、初めは○○病院でしたが変更して、○○○○○整骨院へ通って
います。
レントゲン写真など連携はございませんが、骨はくっついたと医師からは言わ
れてます。次回の診察は4/24です。
医師の判断で指がまだ落ちているので夜間固定という形になっています。
整骨院でのリハビリは2ヶ月位通っています。
「本当に骨のつき方とか正しいかな?これだけして、指が落ちてくるのは何か
おかしい」と話していました。
車と自転車(私)の交通事故ですので、まだ保険会社を利用しています。
医師からリハビリ施設は併用できないと言われました。
3/25の11時から15時までの間
3/27は10時から16時までの間
その次の週ですと、3/30が10時から16時までの間です。
上記で予約のご都合がつく日はありますでしょうか。
どうぞ宜しくお願い致します。
こんにちは。
大船接骨院の佐藤です。
3月25日(水)の11時にご予約を取らせて頂きました。
レントゲン画像がなくても、取り敢えずはエコー画像を観て
伸筋腱断裂の有無や骨癒合の状態をある程度は把握出来ます。
因みに、患者さん自身でカルテやXP画像などの個人情報の公開を
病院へ求めることが出来ます。
再診の4月24日まで日が有りますので、受付にレントゲン写真のコピーが
欲しいと伝えれば、数日はかかるかと思いますが応じてくれるはずです。
少なくとも再診時にはコピーを頂けると思います。
尚、整形外科の担当医はどなたでしょうか。
過去に何人か連携を取らせて頂いておりますので、来院時に担当医のお名前
を教えて下さい。
医師からリハビリ施設は併用できないと言われました。とのことですが、
健康保険診療では3箇所で治療の同時進行は出来ませんが、
交通事故では保険会社の担当者が了解すれば可能な場合もあります。
保険会社と担当者の名前は当日メモしてお持ちください。
私の方から担当者に連絡を取らせて頂きます。
また、3月25日来院の際には受傷からの経過を簡単な箇条書きで結構です
のでお持ち頂けますでしょうか。宜しくお願い致します。
来院お待ちしております。お大事に。
このようなメールのやり取りから、3月25日に患者さんが来院されました。
3月25日来院時の外観(負傷から154日、オペ後152日:約5か月後)
右手小指第一関節 伸展:-40度 左手小指第一関節 伸展:0度
右手小指第一関節 屈曲:80度 左手小指第一関節 屈曲:90度
【当院来院までの経過】
2019年10月23日 自転車で走行中、車に接触されて転倒し負傷。
下記は患者さんご自身が携帯で撮影された負傷後の外観です。
2019年10月25日(2日後)石黒法のオペ後の外観です。
12月初旬のオペから約6週間後、ピンを除去され、約8週間のプラスチック
シーネ固定を継続される。
1月末に24時間のプラスチックシーネ固定を8時間の夜間固定に変更。
日中の固定をやめてから、徐々に第一関節が屈曲してきてしまう。
2月初めから○○○○○整骨院でリハビリを開始。電気治療とマッサージ
をされていたそうですが、症状には変化が無く3月25日に来院されました。
当院では、超音波観察装置で伸筋腱の癒合不全を確認したため、患者さん
の指にフィットしたプラスチックシーネを作成して入浴以外の再固定を施行。
物理療法として、超音波バスによる温熱療法、機能訓練を施行。
整形外科の担当医の再診の際には、ご報告書を患者さんへお渡しして経過を
ご報告致しました。
3月25日からの再固定時は入浴以外をシーネ固定として、第一関節の
伸展力がついたため、4月9日からは日中16時間は伸縮性テーピング、
夜間8時間はシーネ固定に変更しました。
経過も良く、4月27日には日中の伸縮性テーピングをやめ、夜間固定のみ
としました。
下記のように、4月30日には左手小指第一関節が伸展0度で安定しました。
4月30日 右手第一関節屈曲50度。 健側の左手第一関節90度。
4月30日より1/f 低周波通電音楽療法を施行。
このまま右手小指の伸展は0度で安定しましたが、右手小指の最大屈曲は
60度までの改善が限界でした。
最終的には治療をしても右手小指の最大屈曲の可動域制限の改善が見ら
れなくなったため、症状固定で治療は終了となりました。
6月22日 右手小指第一関節の最大屈曲は60度で症状固定。
6月22日 右手小指一関節の伸展は0度で完全に安定しました。
<当院通院期間:90日 通院日数:24日>
最終的な左右の関節可動域を比較しますと、
3月25日初診時
《右手小指第一関節 伸展:-40度 屈曲:80度》
☞関節可動域40度
6月22日最終来院時
《右手小指第一関節 伸展:0度 屈曲:60度》
《左手小指第一関節 伸展:0度 屈曲:90度》
☞関節可動域60度
患者さんには、このように伸展は改善すること、再固定によって屈曲制限
が増すことを3月25日の初診時にはお伝えしていました。
患者さんは手術を担当された整形外科医師に後遺障害認定の診断書を
記入していただき、保険会社に提出されました。
その手続きのお手伝いを少しさせていただき、昨年末には事故の示談が
成立したとのことで、わざわざご挨拶に来てくださいました。
その際にいただいたメッセージが下記になります。
佐藤先生
私の小指の治療と弁護士さんのことまで、何から何まで
お世話になりました。
こんなに丁寧に治療報告をして下さるのは佐藤先生だけと
保険会社の〇〇さんもおっしゃっていました。
私も、先生の知識と技術とお心遣いに大変助けられました。
本当にありがとうございました。
このようなメッセージをいただきますと、これからの仕事の励みになります。
初回来院時には右手の小指の第一関節が40度も曲がっていて、洋服の
着替えでは指が引っ掛かり、料理や洗濯などの家事でもかなりの支障が
あると仰っていました。
再固定をしたことで第一関節の曲がりは悪くなりましたが、真っ直ぐになり
日常生活にはほぼ支障が無くなられたと喜んでいただきました。
これからも料理のお仕事や子育てに励んでいただけたら嬉しく思います。
尚、先日患者さんへ、ブログの掲載許可をメールでお願いしました。
その後の経過をお聞きしましたところ、
「お陰様で最近はもう小指のことを気にせず生活しております」
との返信をいただきました。
骨性マレットフィンガーで経過不良な方がおりましたら、上記の患者さん
のようにある程度の改善は可能ですので、諦めずにご連絡ください。
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交通事故で骨性マレットフィンガーをオペされた患者さんの経過の続きを読む
2020年05月01日|マレットフィンガー
<症例1>
2019/09/21 (土) 0:04
埼玉県の20代後半の男性の方からメールを頂きました。
「5日程前に、左手の小指に強い衝撃を受け、腱性マレットフィンガーという診断を受けました。6週間の固定で治るか治らないかは五分五分だと言われ、仕事の関係もあったので、固定はせずに帰ってきました。しかし、このまま指が曲がった状態で生活していくことに不安を感じ、どうにか治る可能性がないかと思い連絡しました。一度お話を伺いたいのですが、一番近い日ではいつが診察可能でしょうか?」
「9月25日水曜日午後2時30分ではいかがでしょうか。」
「わかりました。25日水曜日午後2時30分によろしくお願いします。」
「承知しました。取り敢えず、第一関節のみ圧迫をしないように、薄いアイスキャンディーの板のようなものを使って、テーピングで固定をして下さい。何か有りましたらメールでお尋ねください。」
「仕事の都合上、指を使うので固定はしていないのですが、固定はしておいた方が宜しいのですか?」
「左手の小指でもお仕事で使われますか?パソコン作業ではないのでしょうか。少しの期間でも早くから固定をされた方が良くなりますので、来院されるまでの間も固定をされて下さい。因みにお仕事と年齢を教えていただけますか?」
「○〇才の消防士です。現在は日中以外は固定をして、仕事中は固定を外している状態です。」
「現在、消防士の方が2名通院中です。確かに仕事で使いますね。現場に行かれるなら尚更ですね。取り敢えず、かぶれないようでしたら非伸縮性テーピングでの固定をお願いします。水曜日まではそのようになさって下さい。」
「わかりました。非伸縮性テーピングで固定をしておきます。」
9月25日の来院時は下記です。
テーピングを取ると、最大伸展で下記のように第一関節は約40度屈曲していました。
プラスチックシーネで全日の再固定を施し、負傷から5~6週間で伸展の維持が可能
となりました。この日から日中の16時間は伸縮性テーピングとして、夜間の8時間は
プラスチックシーネを継続としました。
下記が10月28日の負傷から6週間+1日 の外観写真です。
この時の第一関節の可動域は伸展0度、屈曲40度でした。
お忙しかったことも有り、12月、1月は月に1日しか通院されませんでしたが、
経過も良く1月28日で治療を終了しました。
下記が最終通院日の1月28日の関節可動域です。
患者さんの健側の右手第5指の第一関節は最大屈曲90度、
第二関節の最大屈曲は105度です。
一般的な平均値は第一関節は80度、第二関節は100度です。
1月28日患側の左手第5指の第一関節と第二関節の可動域を計測しますと
第一関節は最大屈曲80度、第二関節の最大屈曲105度でした。
伸展は左右共に0度でした。
通院期間は126日間(負傷から135日間、約4ヶ月半)通院は10日でした。
1月28日の時点では、患者さんの第一関節の関節可動域は屈曲制限を10度残しておりました。しかしながら、患者さんはお住まいが遠方で、お仕事も多忙だったため、今後も年齢的に可動域はほぼ改善する旨をお伝えして、治療を終了しました。
わずか10日の通院でしたが、令和2年1月28日で日常生活やお仕事に全く支障のない可動域に改善され、とても喜んでおられました。埼玉県の遠方から通院いただきお疲れ様でした。
<症例2>
また、同じ時期に上記の方と同じ年の患者さんが並行して通院されておりました。
千葉県の20代後半の男性は,令和1年10月16日にジムでバランスボールを使って、壁にバレーボールのオーバートスをしていた時に突き指され、左手第5指腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)を負傷されました。
同日、近所の接骨院を受診され、当院では診られないのでと近隣の総合病院を紹介されました。翌日、総合病院の整形外科を受診され、装具で固定されました。
その装具でしばらく固定をしていると痛みや腫れが生じて辛かったそうですが、担当医から6~8週間の固定を継続するように言われて、我慢されました。
当院のことは受傷された当初からホームページを観てご存知でしたが、遠くも有り様子をみられていたそうです。それでも痛みに耐えかねて、お電話をされてきました。
すぐに予約を取らせていただき、12月2日に来院いただきました。
下記の写真が令和1年12月2日の来院時外観です。(負傷から48日目、6週+6日)
間違った大きいサイズの装具による強い圧迫で発赤、浮腫を生じておりました。
第二関節を含むこのサイズでは、第二関節が充分に屈曲出来ません。
下記のように、固定を取ると、マジックベルトの痕がくっきりと付いていました。
最大伸展時は第一関節の伸展がやや不充分でした。
下記のように最大屈曲時は、第二関節にも屈曲制限が著明でした。
「治療上の問題点」
①小指にしては装具のサイズが大き過ぎ、第二関節の屈曲を妨げてしまったこと。
②バンドを強く締めすぎたため、血流障害や浮腫みが生じてしまったこと。
③ 負傷から48日間、6週+6日の固定をほぼ外さずに過ごされたこと。
☞整形外科担当医の指示で、患者さんには何の落ち度も有りません!
これらの要因から関節拘縮を生じてしまいました。
圧迫による浮腫が強かったため、超音波バスによる温熱療法後の冷罨法(温冷交代療法)を施行後、指の形に合わせたプラスチックシーネを作成し固定を変更しました。
治療期間はかかりましたが、幸いお若かったため可動域の制限もわずかで終了することが出来ました。
下記が最終通院日の4月11日の外観写真です。
患者さんの健側の右手第5指の第一関節は最大屈曲は105度、
第二関節の最大屈曲は100度です。
一般的な平均値は第一関節は80度、第二関節は100度です。
初診時の12月2日患側の左手第5指の第一関節と第二関節の可動域は
第一関節は最大屈曲35度、第二関節の最大屈曲46度でした。
伸展は左-10度、右+5度でした。
4月11日の第一関節は最大屈曲86度、第二関節の最大屈曲100度。
伸展は左右共に+5度でした。
通院期間は132日間(負傷から178日間約6ヶ月)、通院は14日でした。
4月11日の時点では、患者さんの第一関節の可動域は屈曲制限を19度残していました。しかしながら、患者さんのお住まいが遠く通院も大変だったため、この日で終了となりました。
初診の時の状態に比べると、日常生活に全く支障のない状態に改善されたため、とても喜ばれておりました。もともと第一関節の可動域がとても広いため、今後もリハビリを継続していただければ、年齢的に可動域はほぼ改善する旨をお伝えして、治療を終了しました。千葉県の遠方から通院いただきお疲れ様でした。
お二人の症例のように、腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)は、年齢などにより異なりますが、完治もしくは日常生活に支障のない改善が可能な疾患です。
<腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)の治療で大切なこと>
①適切な固定具を使用すること。☞患部への圧迫は禁忌。
②初期からの物理療法(温熱療法)を施行。当院では超音波バスを施行。
③適切な全日の固定期間(約6~8週間) ☞年齢により異なる固定期間。
④6~8週間の固定後の日中のテーピング固定。(職種などにより異なる)
⑤約6~8週間の全日固定後の夜間固定。4~12週間の夜間固定により、
第一関節の伸展が安定します。
腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)は、受傷初期から上記の適切な治療を施すことにより、充分な治療効果が望めます。年齢や患者さんの個体差などにより異なりますが、概ね日常生活に支障のない関節可動域の改善が得られます。
当院は優先予約制です。来院される際は電話またはメールでご連絡下さい。その際に、負傷年月日、負傷原因、年齢、簡単な治療経過を教えていただき、ご都合の良い日時を受付に伝えご予約ください。
不良な固定装具により、痛みや浮腫みなどが生じている場合は、遠慮なく至急お電話ください。
来院時には箇条書きで結構ですので、負傷年月日、負傷からの簡単な経過を記入したメモを持参いただければ幸いです。宜しくお願い致します。
お大事に。
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腱性マレットフィンガーの28才男性、お二人がほぼ完治(治癒)の続きを読む
2019年11月28日|マレットフィンガー
11月23日(土)、24日(日)に第28回 日本柔道整復接骨医学会が
東京有明医療大学で開催されました。
今回
「医科で改善が困難と言われた、陳旧性腱性マレットフィンガーの2症例」
と題して口頭発表をしました。下記が要約文と症例です。
Key Word:陳旧性腱性マレットフィンガー、固定期間、固定期間中の物理療法、夜間固定、日中のテーピング固定
「背景」
腱性マレットフィンガーは整形外科領域において難治性疾患に位置づけられている。陳旧性腱性マレットフィンガーでは、経過が不良なため医療者側が治療を拒むことも多い。当院ではホームページに腱性マレットフィンガーの症例の経過等を掲載し、常時20名以上の腱性マレットフィンガーの患者さんが通院中である。通院中の腱性マレットフィンガーの患者さんの殆どの方は整形外科から転療され、固定装具などの圧迫により、水疱形成、発赤、浮腫、疼痛、可動域制限を呈している。そのような中、腱性マレットフィンガーを負傷され、長期に渡り放置された後に整形外科を受診され、担当医より治療をしても改善の見込みはないと治療を拒否された陳旧性腱性マレットフィンガーの患者さん2名を施療し、良好な結果を得たので報告する。
「対象」
【症例①】左手小指腱性マレットフィンガー。
41才男性。職業:自動車の整備士。
<負傷年月日>2018年10月11日
<当院初検日>2018年11月3日《負傷後23日》
2019年1月29日治癒時 《負傷後111日》
<通院期間:89日 通院日数:6日 治癒 >
健側:伸展+10度 患側:伸展0度
健側:屈曲85度 患側:屈曲80度
【症例②】左手母指腱性マレットフィンガー。
13才女性。中学2年生。所属クラブ:軽音楽部でギターとピアノ演奏。
<負傷年月日>2019年2月10日
<当院初検日>2019年3月28日《負傷後47日》
2019年3月28日来院時 《負傷後47日》
2019年7月27日《負傷後168日》治癒時。 下記写真。
ギターとピアノ演奏、体育のバスケットボールなどに支障なく治癒。
<通院期間:123日(17週+4日) 通院日数:25日>
健側:伸展+10度 患側:伸展+10度
健側:屈曲90度 患側:屈曲85度
「結果」2症例共に入浴以外のプラスチックキャスト材、伸縮性テーピングを併用した固定処置、物理療法、機能訓練を施行。経過で固定強度と固定時間を減らし、QOL上支障のない関節可動域を得られ治癒した。
「考察」①2症例共に放置されていた期間に、無理な圧迫固定による拘縮症状が無かったこと。②固定後も拘縮症状が生じないように、入浴の際、患者さん自身が容易に取り外し可能なプラスチックキャスト材を使用したこと。③年齢的に若年者であったこと。などが組織修復を可能にした要因と考える。腱性マレットフィンガーは陳旧例であっても柔道整復師が積極的に施療すべき疾患であると考える。
負傷後から長期に渡り放置された2症例を経験し、患者さんのご協力により良好な結果を得ることが出来ました。
症例発表にご協力頂きました患者さんには、心より感謝申し上げます。
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第28回 日本柔道整復接骨医学会 口頭発表を終えての続きを読む
2019年04月01日|マレットフィンガー
左手第4指腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)の60才男性がほぼ完治され、3月30日で治療を終えました。
負傷年月日は平成30年12月2日日曜日で、釣りの道具を棚に置こうとして突き指をしたのか、シャワーの後の着替えで突き指をしたのか定かではなく、台所でタバコを吸っていたら左手の薬指の第一関節が60度くらい曲っていて、自力では伸ばせない状態だったそうです。同日、救急外来専門の病院で外科医の診察を受けられて、アルフェンスシーネで固定をされました。翌日は会社近くの開業整形外科を受診されて、アルフェンスシーネを交換することなく、そのままで帰されたそうです。
当院来院時、12月22日(負傷から21日目)の外観写真です。
これではPIP関節、MP関節までも曲がりませんので、長期間この固定をしてしまうと関節拘縮の恐れがあります。当院来院時までは患者さんご自身で、アルフェンスシーネはそのままにして、テープを交換されていたとのことです。受傷から1週間後には固定を取って、趣味のギターを弾かれたとのことでした。
当院では患者さんの指に合わせて作成したプラスチックシーネで第一関節のみの固定に変更し、1~2週間に1回ほど通院いただきました。
下記が3月30日の治癒時の外観です。
患者さんの健側の 右手第4指の第一関節は最大屈曲80度、
第二関節の最大屈曲110度です。
一般的な平均値は第一関節は80度、第二関節は100度です。
3月30日患側の左手第4指の第一関節と第二関節の可動域を計測しますと
第一関節は最大屈曲78度、第二関節の最大屈曲110度でした。
上記写真のように、ほぼ屈伸制限なく完治されました。
負傷から治癒まで119日間(約4ヶ月)、
当院への通院期間は99日間で通院はわずか12日でした。
来院された際、患者さんは腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)を受傷されたことで、長年趣味でされているギターの演奏をそろそろやめようかと思っていると言われました。私はすぐにギターの演奏を諦めるのではなく、取り敢えずは
①ギターを弾く際に左手で弦を押さえられるように、第一関節をほぼ最大に
曲げられるように改善させること。
②ギターの演奏に支障がない範囲内で第一関節を伸ばすこと。
を治療の目標設定にしました。
幸い経過が良好だったので、3月初めから少しずつギターの演奏を再開されました。まだ違和感はあるようですが、以前のようにギターの演奏が出来るようになられたので、とても嬉しく思いました。正直なところ年齢的には、こんな短期間でここまで改善されるとは思ってもいませんでした。
これからもギターの演奏を楽しんで頂ければ幸いです。
当院にはここ数年の間に鎌倉市内、横浜市、藤沢市、平塚市、茅ヶ崎市、逗子市、横須賀市、川崎市、相模原市、足柄下群湯河原町、東京都、埼玉県、千葉県、静岡県、山梨県、福島県、栃木県、茨城県、京都府、大阪府、兵庫県、北海道札幌市、青森県青森市などから、腱性マレットフィンガーの患者さんが200名以上来院されました。現在も20名以上の方が通院されております。
また、手術後の骨性マレットフィンガーの患者さんも20名以上来院されました。
以前から整形外科領域では、腱性マレットフィンガーは骨性マレットフィンガーに比べ経過(予後)が悪いと言われております。その上、腱性マレットフィンガーは完治はしないと言われる整形外科医も多くおります。また、整形外科から当院に転療された腱性マレットフィンガーの患者さんの多くは、担当医から
「骨性マレットフィンガーの方が良かったですね」と言われております。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
それは明らかな間違いです。
腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)は
①適切な固定具を使用すること。☞患部への圧迫は禁忌。
②初期からの物理療法(温熱療法)を施行。当院では超音波バスを施行。
③適切な固定期間(約6~8週間) ☞年齢により異なる固定期間。
④6~8週間の固定後の日中のテーピング固定。(職種などにより異なる)
⑤4~12週間の夜間固定により、第一関節の伸展が安定。
上記により充分な治療効果が望め、日常生活に支障のない関節可動域の
改善が得られます。
腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)が予後不良になる原因のほとんどは、
固定具による患部への圧迫によるものです。
下記は38才男性です。他医にて写真の装具をされていたのですが、痛みが強く16日後に転療されてきました。当院の治療で伸展は0度になりましたが、最大屈曲は約20度制限が残ってしまいました。
下記は54才男性ですが、負傷後1週間で他医より転療されてきました。この方は担当医から「バンドを強く締めなくては駄目だから」と装着された装具を1週間も我慢されて、夜間痛みで眠れなかったそうです。約3か月間通院頂きましたが、治療の甲斐なく、第一関節の伸展は約-25度で、屈曲は40度制限が残ってしまいました。しかも、第二関節の最大屈曲にも約20度制限が残ってしまい、大変お気の毒でした。
下記の写真は13才の中学生男子ですが、アルフェンスが食い込んだ状態でかなりの痛みを訴えられ、他医より転療されてきました。
アルフェンスを取った状態が下記の写真になります。第二関節から中節骨の背側に陥凹と内出血が生じています。これでは気の毒ですね。中々痛みが引きませんでしたが、幸い成長期の若年者だったことも有り完治はされました。
上記の写真のように装具のバンド部分やアルフェンス、テーピングによって、患部を強く圧迫されてしまうと患部の組織が圧壊されてしまい、細胞レベルの修復が困難になり、予後が不良になります。
このことが原因となり第一関節が充分に伸ばせなくなったり、曲げることも制限が生じてしまい後遺症が残ってしまいます。また、治療期間も通常より長期に至ってしまいます。
つまり、固定による副作用が予後を不良にしております。
受傷時に痛みの無かった腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)が病院で固定をしたら、痛みで辛いと言われ転療されてくる患者さんが多数おられます。
そういった患者さんの患部を拝見すると可なりの圧迫による陥凹、発赤、浮腫みを生じていて、強い痛みを訴えられる方さえおります。(上記写真を参照)
当院では年齢にもよりますが、手術後の骨性マレットフィンガーの患者さん(若年者を除く)よりも、負傷初期より(負傷から1か月以内で上記のような装具による圧迫が患部に見られなかった症例)当院で治療された腱性マレットフィンガーの患者さんの方が、日常生活にほぼ支障の無い関節可動域に改善されており経過は良好です。
総合病院の整形外科、大学病院の整形外科、開業整形外科等の手の外科専門医、整形外科専門医にとって、腱性マレットフィンガーは重きを置く疾患ではありません。忙しい整形外科の外来診療では、重症な骨折や手術を必要とする重篤な外傷性疾患に重きを置いています。これはトリアージの上では致し方の無いことです。
さて、腱性マレットフィンガーの患者さんを開業整形外科の医師が、手の外科専門の医師に紹介するケースが多々あります。通常なら整形外科の先生方の連携においては、紹介先の医師は患者さんを紹介され快く思うものです。しかしながら腱性マレットフィンガーの場合は「紹介元の整形外科で治療が可能な腱性マレットフィンガーの患者を何で紹介してきたのか?」と患者さんは医師に怪訝な反応をされてしまいます。手の外科専門医は紹介されたから仕方なく治療をするか、もしくは「当院で診る疾患ではないから、元の整形外科に通って下さい」と言われてしまう患者さんが殆どなのです。
ここで患者さんにとっての重大な問題が生じます。
開業整形外科なら通院の間隔が1~2週間であったのに、大学病院や総合病院の手の外科専門医のいる整形外科外来に通院すると、外来患者さんが多いため、4~8週間後の再診となります。そして、患者さん自身が固定具を上手く装着できないまま放置され、時間だけが過ぎてしまいます。その結果「腱が上手く着かなかったから手術をしますか?それとも、このまま固定で様子を見ますか?」となります。
患者さんは出来れば真っ直ぐにしたいので、あまり医師も勧めない手術を受けられて、納得が出来ない結果を受け入れられず後悔されている方もおります。
保存療法で6~8週間固定をして第一関節が伸びなかったから、手術をするのでは伸筋腱断裂部の組織に変化が生じている為、完治はかえって難しくなります。また、元々、伸筋腱断裂部には血管分布が乏しく、腱性マレットフィンガーで患部に内出血は見られません。もしも内出血が見られたなら、第一関節の側副靭帯損傷を合併されていたか、装具による圧迫で生じたものと考えられます。
腱性マレットフィンガーは負傷から2~3ヶ月を経過した予後が不良な症例でも、日常生活に支障のない機能改善が見込めると、手の外科専門医で有名な石黒隆医師が著書の中で述べています。(実際に経験された受傷後3ヶ月で伸展が-50度の左手小指腱性マレットフィンガーの治療をされて、6ヶ月後に伸展0度、屈曲60度まで改善された症例の外観写真も掲載されています)
☞骨性マレットフィンガーの手術は「石黒法」という,石黒隆医師が開発した
手術法で行われております。
正直申しまして、もったいないのです。
腱性マレットフィンガーは保存療法で充分に機能改善出来る疾患であり、ある程度の年配者(50才~70才)の方でも日常生活に支障のない機能改善は充分に可能です。
40才以下なら概ね完治しますし、50才以下でも完治またはわずかな可動域制限しか残りません。
他医での強い圧迫固定により当院に転療された患者さんで、経過が不良な方を拝見しますと、本当に残念で仕方がないのです。
初めから当院で治療をされていれば完治もしくは、ほぼ機能的な制限がわずかで済んだと思われる方が多数おられます。このような患者さんを一人でも減らしたい、少しでも救済出来たらと思い、このようなブログを公開しております。
当院は基本的に優先予約制とさせていただいております。来院される場合は電話かメールでご連絡下さい。その際に、負傷年月日、負傷原因、年齢、簡単な治療経過を教えていただき、ご都合の良い日時を受付に伝えていただきご予約下さい。固定処置に時間の掛かる患者さんとは同一時間にならないよう、優先的に拝見します。会社帰りなどで来院される時間がはっきりしない場合は、おおよその来院時間を教えていただければ幸いです。
恐れ入りますが、来院時には箇条書きで結構ですので、負傷年月日、負傷からの経過を記入したメモをご用意いただければ幸いです。宜しくお願い致します。
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2018年12月28日|マレットフィンガー
受傷後20日以上を経過し、整形外科ではもう治らないと言われた腱性マレットフィンガーの41才男性の方の治療経過をお伝えします。
10月30日埼玉県朝霞市の男性からメールを頂きました。以下が頂いたメールです。
「腱性マレットフィンガーと診断され、もう治らないと言われて困っています。
今日10月30日まで改善がないため、病院に行くと腱性マレットフィンガーと言われ、時間も経ってるからもう手遅れで治療法もないし、治らない。今後はグーも出来なくなるかもと言われました。もう手遅れなのでしょうか?
もし何か治療法があるならお伺いしたいのですが、家からも遠く、仕事もあり直近で行くのは診療時間内が難しいのですが、相談にはのっていただけるのでしょうか?宜しくお願いいたします。」
以下が私からの返信です。
「以前、埼玉県八潮市から1~2週間おきに通院されて、腱性マレットフィンガーで完治された48才男性の方が居りますが、確か大船まで1時間30分はかかると言われていました。朝霞市もそのくらいかかるようですね。
さて、年齢が解らないので一概には言えませんが、腱性マレットフィンガーは2~3ヶ月過ぎてから治療しても可なりの機能的改善が見込めます。取り敢えずかぶれないようでしたら、第一関節のみを真っ直ぐにテーピングなどで固定することをお勧めします。
10月11日の負傷でしたら、まだ日が経っていませんから、右手の小指と同じにするのは無理でも、可なりの改善が可能ですし、手遅れではありません。
ちなみに放置されてもグーは完全に出来ます。伸ばす方だけが困難になってしまいます。ある程度伸ばすことが出来て、尚、曲げる方も改善されたいでしょうから、遠方でも来院頂けますか。
取り敢えず、今週末の11月3日(土)の午後3時はいかがでしょうか。祝日なので休診ですが、この日は早朝8時から9時に4名の腱性マレットフィンガーの患者さんを治療します。9時から14時ぐらいの間に、治療室のエアコンのクリーニング作業が入っています。業者さんに立ち会うため接骨院で仕事をしておりますので、午後3時ごろでしたら、手が空くと思いますので、来院頂ければ固定処置、物理療法、今後の見通しについて詳しくご説明いたします。返信お待ちしております」
「返信ありがとうございます。土曜日15時大丈夫です。お伺いいたしますので宜しくお願いします。休みなのに申し訳ございません。ありがとうございます。ちなみに年齢は41才です」
この男性患者さんは自動車の整備士をされており、11月2日(金)の午後に時間の都合がついて来院されました。下記が来院時の外観です。
お電話を頂いた際にすぐに固定をして下さったので、11月2日の来院時には受傷から23日(3週+2日)ですが、伸展の維持が可能になっていました。
超音波バスによる温熱療法後、第一関節をシーネ固定しました。
遠方なため1~2週間に1回程度、通院して頂くことにしました。
その後、経過も良く11月27日(受傷から48日=6週間+6日)の来院時の関節可動域は下記のようになりました。
左手小指の第一関節の伸展は0度で最大屈曲は約50度です。
右手小指(健側)の第一関節の最大屈曲は85度です。
それから2週間後の12月11日(受傷から62日=8週間+6日)の来院時の関節可動域が下記になります。
(最大屈曲時)
このような症状により日常生活やお仕事にとても支障を来してしまい、大変お困りでした。
このような症状を関節拘縮と言います。
可なりの期間を要する状態である事を丁寧にお伝えし、定期的に通院いただきました。お仕事の都合上、週に1~2回しか通院出来ず、1年近く通院されましたが、関節可動域の制限は残ってしまいました。
平成30年12月26日の最終通院日の外観が下記になります。
健側に比べますと伸展制限、屈曲制限ともに残存しておりますが、浮腫、発赤、屈曲痛などの諸症状は消退しております。拘縮症状が強く、来院時は機能障害が可なり残存すると思っておりましたが、幸い3指はほぼ左右同等のレベルまで機能改善されました。5指も屈曲制限はわずかに残りましたが、可なり改善されました。
患部の右手第4指 第一関節の伸展が-45度⇒-25度、屈曲45度⇒60度
第二関節の屈曲が79度⇒100度
長期間に渡り通院頂き大変お疲れ様でした。 またお怪我をされないように気をつけてください。
当院はJR大船駅南改札東口から徒歩1分で、大船駅は湘南新宿ラインなどのアクセスも良いため、遠方から来院される患者さんも多数おられます。
腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)や骨折後の手関節、手指の関節可動域制限(拘縮症状)、足関節周辺の捻挫や骨折後の可動域制限等でお悩みの方は、遠慮なく下記の電話番号かメールにご連絡ください。
被害者救済の立場から、
交通事故の頸椎捻挫(むち打ち症)や腰椎捻挫、打撲傷、関節捻挫(靭帯損傷)等の治療も医科と連携をとり適切に対応しております。遠慮なくご相談ください。
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受傷後20日以上を経過し来院された腱性マレットフィンガーの患者さんの経過の続きを読む
2018年11月30日|マレットフィンガー
平成30年11月26日の午前中、3年前に腱性マレットフィンガーで川崎から通院頂いた40代の女性の方が、首と胸鎖関節の痛みで来院されました。
患者さんは平成27年7月25日ズボンを脱ぐ時に右手の小指を引っ掛けてしまい負傷されました。
すぐに近所の接骨院へ通院され、プラスチックシーネで固定をされて41日間(5週間と6日)で固定を外されてしまいました。私のブログを読まれていた患者さんは夜間固定を希望されて、接骨院でアルフェンスの夜間固定を作成してもらいました。しかしながら、暫く夜間固定をされて通院治療されても経過が思わしくないため、平成27年10月15日に来院されました。
当院来院時の外観写真が下記になります。浮腫、発赤、屈曲痛が有りました。
患者さんの健側の左手第5指の第一関節と第二関節の可動域を計測しますと
第一関節は最大屈曲85度、第二関節の最大屈曲102度でした。
一般的な平均値は第一関節は80度、第二関節は100度です。
10月15日患側の右手第5指の第一関節と第二関節の可動域を計測しますと
第一関節は最大屈曲50度、第二関節の最大屈曲96度でした。
伸展は患側が-15度、健側が+5度でやや反るタイプでした。
患側に関しては、夕方になると-15度から-20度以上に屈曲してしまう
状態でした。
川崎のご自宅からは当院まで約1時間ほどかかり、年末年始はお忙しいとのことで、12月24日に完全屈曲と完全伸展は不充分でしたが治療を中止しました。
この頃には夜間固定を一日置きにしたり、日中はテーピングをせずに過ごしていただいておりましたが、入浴時の屈伸運動をしっかりと継続していただければ、これからもかなり良くなる事をお伝えして治療を終えました。
それから暫くした、翌年の6月末に患者さんからお手紙とスマホで撮影した右手小指の写真を7枚も頂きました。
当院来院前、来院時と治療途中、来院最終日、翌年の約2ヵ月おきの経過をこまめに撮影されていて、徐々に第一関節が伸びていく様子が解りました。
そして3年ぶりに来院されて、右手第5指の具合をお聞きすると、全く痛みも違和感も無くなり、可動域もほぼ良くなられていました。下記が外観写真です。
右手第5指の第一関節の伸展はほぼ0度です。屈曲もほぼ左右同じ可動域になっていました。
「こちらの接骨院に通って本当に良かったと思っています」と言われ、とても嬉しく思いました。
現在、当院には年齢は10代~60代、21名の腱性マレットフィンガーの患者さんが通院中です。(骨性マレットフィンガーのオペ後の患者さんは1名通院中)
毎月4~5名の新患の患者さんが来院されております。腱性マレットフィンガーの患者さんは延べ220人以上来院されております。
今朝も40代女性の右手第5指腱性マレットフィンガーの患者さんが来院されました。負傷は11月13日でラグに突き指してしまったそうです。
負傷当日に近所の開業整形外科を受診されて、レントゲン検査上は骨折は無く、総合病院の手の外科専門医を紹介されましたが、受診すると担当医からは腱性マレットフィンガーは手術療法も保存療法も治りにくいと言われてしまったそうです。担当医から次回までに手術療法か保存療法のどちらを希望するか考えてくるように言われ、再診で行かれた際に、保存療法を希望されると元の開業整形外科へ戻されてしまいました。
☞これは良くある事です!
元の開業整形外科へ数日後に行き事情を話すと「手術をしないなら治らなくても良いということですね」とまで言われてしまったそうです。それでも数回通院され、11月28日に皮膚がかぶれてしまい、インターネットで検索をしていたら当院のホームページを見つけ、電話をいただき来院されました。
開業整形外科ではPIP関節(第二関節)を含むアルフェンスシーネ固定を掌側にされ、総合病院の手の外科専門医では背側にされたそうですが、元の開業整形外科では、掌側にアルフェンスシーネ固定を戻されたそうです。その際、患者さんから指のPIP関節(第二関節)を曲げると痛むので、固定を短くしてくださいと言って、アルフェンスを切ってもらったそうです。
下記が来院時の固定状態と患者さんの患部です。
アルフェンスを止める伸縮性テーピングがきつかったり、緩かったりして少しかぶれもしたそうですが、幸い浮腫みや褥瘡などは有りませんでした。
テーピングで患部を伸展位固定して超音波バス(オンパー)の温熱療法後、患者さんの右手第5指の第二関節部手前までに、ぴったりと合った熱可塑性プラスチックキャスト材でシーネ固定を作成しました。
2か所の病院の整形外科医師から完治はしないと宣告されてしまった患者さんですが、年齢的には40代前半の方で、右手第5指の第一関節(DIP関節)、第二関節(第二関節)の可動域が広く、第一関節(DIP関節)が反る(過伸展する)タイプですので、ほぼ完治しますよとお伝えしました。
この日、患者さんから12月22日の冬至の日に、娘さんがお母さんとゆず湯に入りたいと言っているとお聞きしました。その頃は負傷から約5~6週間になりますので、経過が良ければテーピングで固定をして入浴は可能になると思います。入浴後は指の第一関節(DIP関節)を曲げずにテーピングで交換し、本日作成したプラスチックシーネをテーピングで同じように固定していただきます。その頃になりましたら、またご教示致します。
腱性マレットフィンガーの治療で大切なことは?
①患者さんの指の形に合ったフルオーダーの固定を作成。
②適切な固定期間(6~8週間)+夜間固定(4~12週間)
+日中の固定テーピング(患者さんの職業や症状により施行)
③初期からの物理療法と第一関節の伸展を維持した上での、第一関節の
経過に伴った、適度な屈曲のリハビリ。
④長期を要す疾患としての、患者さんと医療者側の相互理解と思いやり。
(全日の固定期間は6~8週間 夜間固定は4~12週間 治療期間は3~6か月以上)
⑤職業(建設業、内装業、音楽家、S.Eなど)や趣味(ゴルフ、剣道、バレー、
バスケ、柔道等)手指の使用頻度を医療者側が理解した上で、患者さんも
治療(固定、リハビリ等)に協力し参加する。
⑥数週間過ぎた放置例や数か月過ぎた経過不良例でも、固定や物理療法等
の治療によって、ある程度の機能回復が得られる疾患であるという理解。
陳旧例であっても年齢によっては完治する方もいるという事実を知る。
⑦不適切な圧迫固定による褥瘡形成や極端に短い固定期間、第二関節
(PIP関節)を含む、または第二関節の屈曲に妨げとなる固定を長期間
(4週間以上)されることによって後遺症が残るという事実を知る。
腱性マレットフィンガーは誤った初期治療さえしなければ、50歳以下の方なら、90%以上治る(=可動域の改善)疾患です。40歳以下の方はほぼ完治が見込めます。
50歳~70歳の方でも 日常生活には支障のない機能的改善が見込めます。
当院はJR大船駅から徒歩1分で、大船駅は湘南新宿ラインなどのアクセスが良いため、遠方からも来院される患者さんが多いです。
腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)や骨折後の手関節、手指の関節可動域制限、足関節周辺の捻挫や骨折後の可動域制限等でお悩みの方は、遠慮なく下記の電話番号またはメールにご連絡ください。
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交通事故の頸椎捻挫(むち打ち症)や腰椎捻挫、打撲傷、関節捻挫(靭帯損傷)、骨折等の治療も医科と連携をとって適切に対応しております。遠慮なくご相談ください。
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3年前に腱性マレットフィンガーで通院された女性の経過の続きを読む
2018年07月20日|マレットフィンガー
4月17日に中学校の部活でバスケットボールのプレー中に、パスを受けて右手第4指腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)を負傷した、中学2年の男子学生が7月19日に完治し治療を終えました。
地元の総合病院を受傷当日に受診され、レントゲン検査上骨折は無く、右手第4指伸筋腱断裂(腱性マレットフィンガー)の診断を受けられ、アルフェンスで固定処置をされました。
下記が4月20日来院時の外観です。
アルフェンス固定の上側の部分に伸縮性テーピングは巻いていたのですが、上から巻かれていたテーピングや伸縮性包帯によって、中節骨の背側が強く圧迫されておりました。ご覧のように窪んでしまっており、内出血も見られます。可なり痛みがあり数日我慢されていたそうです。
これでは可愛そうなので、プラスチックシーネで第一関節(DIP関節)のみの固定に変更しました。
早期にバスケの部活へ完全復帰されたいようでしたが、右利きならば苦手な左手のドリブルやシュートを練習する良い機会と考えるように促して、相手と接触するような3対3やゲーム形式の練習以外はほぼ許可しました。
因みに私も中学時代(13才~30才くらいまでバスケをしておりました)に足関節の捻挫で何度も部活を見学した経験が有り、休みたくない気持ちは痛いほど理解できました。
治療期間中のバスケでの再受傷に気をつけながら、経過も良かったので6月中旬には日常生活の固定を除去し、伸縮性テーピングで固定をしながら、全てのバスケの練習を許可しました。
利き手の第4指だったのでシュートの感覚が戻るのに少し時間を要しましたが、徐々に可動域制限が改善され、シュートの感覚も戻っていきました。
幸い、成長期の中学生で経過も良く下記のように完治しました。
患者さんの健側の左手第4指の第一関節と第二関節の可動域を計測しますと
第一関節は最大屈曲90度、第二関節の最大屈曲105度でした。
一般的な平均値は第一関節は80度、第二関節は100度です。
7月19日患側の右手第4指の第一関節と第二関節の可動域を計測しますと
第一関節は最大屈曲90度、第二関節の最大屈曲105度でした。
アルフェンスが当たっていたため屈曲痛を残していましたが、伸展も上記写真のように左右共0度で、屈伸制限もなく完治しました。
負傷から治癒まで94日間(約3ヶ月)かかりましたが、
当院への通院期間は91日間でわずか11日の通院でした。
最後に私が『バスケ頑張ってな』と言うと、本当に嬉しそうな笑顔を見せてくれました。これからも出来るだけ怪我をしないように、バスケの部活に励んでほしいと思います。
現在、当院には年齢は37才~70才、20名(21指)の腱性マレットフィンガーの患者さんが通院中です。(骨性マレットフィンガーのオペ後の患者さんは4名通院中)プロのカメラマン、電気工事技術者、内装業、システムエンジニア、保育士など多業種の患者さんと趣味でギターを弾く方が数人通院中です。
現在通院中の患者さんで
一番遠い方は栃木県宇都宮市の方です。
山梨県
静岡県田方郡
埼玉県さいたま市
東京都港区・豊島区・中野区・府中市・八王子市
県内は鎌倉市
横浜市(戸塚区、西区、瀬谷区、都筑区、磯子区、神奈川区)
藤沢市・平塚市
相模原市
と広範囲の地域から来院頂いております。
6月は9人の腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)の患者さんが治癒しました。
腱性マレットフィンガーは誤った初期治療さえしなければ、50歳以下の方なら、90%以上治る(=可動域の改善)疾患です。40歳以下の方はほぼ完治が見込めます。
50歳~70歳の方でも 日常生活には支障のない機能的改善が見込めます。
当院はJR大船駅から徒歩1分で、大船駅は湘南新宿ラインなどのアクセスも良いため、遠方から来院される患者さんが多い接骨院です。
腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)や骨折後の手関節、手指の関節可動域制限、足関節周辺の捻挫や骨折後の可動域制限等でお悩みの方は、遠慮なく下記の電話番号かメールにご連絡ください。
被害者救済の立場から、
交通事故の頸椎捻挫(むち打ち症)や腰椎捻挫、打撲傷、関節捻挫(靭帯損傷)等の治療も医科と連携をとって適切に対応しております。遠慮なくご相談ください。
大船駅東口より徒歩1分
急患応需
交通事故治療対応
鎌倉市大船1-23-31サトウビル1階
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大船接骨院
埼玉県から来院された腱性マレットフィンガーの男子中学生が完治の続きを読む
2018年06月21日|マレットフィンガー
昨日、川崎から通院頂いた、右手第3指腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)のプロのオーケストラ・ヴァイオリニストの50代女性が完治され治療を終えました。
負傷年月日は平成30年1月28日で、ご自宅のソファーにソファーカバーを押し込んだ際に突き指をして負傷されました。翌日、開業整形外科でアルフェンスシーネとテーピングで固定され、週に一回の通院をされました。
3月13日(負傷から45日目・6週間と3日)に固定を除去され、第一関節に25mmのテーピング処置で様子を見ると、第一関節だけではなく第二関節の屈曲制限も生じていたため、当院のホームページを観られて来院されました。
当院来院時、3月19日(負傷から51日目・7週間と2日)の外観写真です。
患者さんの健側の左手第3指の第一関節と第二関節の可動域を計測しますと
第一関節は最大屈曲70度、第二関節の最大屈曲105度でした。
一般的な平均値は第一関節は80度、第二関節は100度です。
患側の右手第3指の第一関節と第二関節の可動域を計測しますと
第一関節は最大屈曲60度、第二関節の最大屈曲77度でした。
また第一関節の伸展は-15度、最大屈曲後は-30度でした。
オーケストラのコンサートスケジュールが6月からは月の9割を超えており、取り敢えずのところ1ヶ月程度は休業が出来るようだったので、ヴァイオリンの演奏は経過を診ながら徐々に始められるようにと治療計画を立てました。
患部が弦を押さえる方ではなくて幸いでしたが、右手の第3指は弓を支える際にはそれなりに力を入れて、曲げた状態になります。
☞ちなみに私は幼少期(幼稚園の2年間と小学校1~3年生)、父に無理やり5年間ヴァイオリンを習わされておりました。父に弓で叩かれたことは今でもトラウマですがヴァイオリンの音色は大好きです。私の音楽好きは、幼少期の音楽に触れる機会が多かった環境からだと思っております。
それはさて置き、プロのヴァイオリニストの方の指の治療には、いつも以上に神経を使いました。 年齢的には概ね完治すると考えておりましたが、コンサートのスケジュールが押し迫った状態で治療をしていく事は、正直大変で長期になると考えておりました。患者さんもかなり大変だったと思います。
それでも3月中旬から4月一杯の約1ヶ月半は、週3日の通院で治療に専念して頂き、経過も良かったため5月から徐々に練習を再開されました。5月は週に一回の通院でしたが、11回のコンサートに復帰され、リハーサルの5時間と本番の2時間の演奏が可能となりました。
6月は月の30日のうち28日もコンサートかリハーサルがあるとお聞きしていました。そのため、6月一杯か7月も治療を予定していたのですが、2~3日ほど24時間テーピング固定をせずに過ごされても、ヴァイオリンの演奏に全く支障がなくなったそうなので治療を終えることになりました。
6月20日の関節可動域、右手第3指の第一関節の伸展は左右ほぼ0度
右手第3指の第一関節は最大屈曲70度、第二関節の最大屈曲105度
左手第3指と同じ関節可動域に改善されました。下記が6月20日の写真です。
負傷から治癒まで144日間(約5ヶ月と3週間)かかりましたが、
当院への通院期間は94日間で22日の通院でした。
まだ、多少の浮腫みはありますが、徐々に軽減していくことをお伝えしました。
最後に『こんなに真っ直ぐに治るなんて、こちらに通って本当に良かったです』と何度も言って頂き、私も大変嬉しく思いました。
これからもヴァイオリンの演奏で聴衆に感動を与えて頂けたらと思います。
現在、当院には年齢は13才~70才、27名(28指)の腱性マレットフィンガーの患者さんが通院中です。(骨性マレットフィンガーのオペ後の患者さんは3名通院中)プロのカメラマン、電気工事技術者、システムエンジニア、保育士、洋服販売など多業種の患者さんが通院中です。
毎月4~5人以上の新患のマレットフィンガーの患者さんが来院されます。
一番遠い方は栃木県宇都宮市の方です。
山梨県
静岡県田方郡
埼玉県さいたま市・上尾市・川越市
千葉県木更津市・習志野市・市川市
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県内は鎌倉市・横浜市戸塚区・逗子市・藤沢市・茅ヶ崎市・平塚市
相模原市
横須賀市(5月29治癒)
足柄下群湯河原町(6月20治癒)
と広範囲の地域から来院頂いております。
腱性マレットフィンガーは50歳以下の方なら、90%以上治る(=可動域の改善)疾患です。40歳以下の方はほぼ完治が見込めます。
50歳~70歳の方でも 日常生活に支障のない機能的改善が見込めます。
※ご注意いただきたいのは、腱性マレットフィンガー(伸筋腱断裂)で医療機関を受診された際の初診から再診までの通院間隔です。開業整形外科なら1~2週間程度の通院間隔で再診を促される傾向ですが、総合病院の整形外科や大学病院の手の外科等ですと、初診から再診までが4週間後から8週間後になる場合が多くあり、その間固定を一切外さないように指示されてしまいます。それは大変危険です。
☞関節拘縮という状態になってしまいます。
また、固定された装具やアルフェンス(アルミの板にスポンジがついているシーネ)、プラスチックシーネ等が少しでも合っていなかったり、固定の圧迫が強かったりしますと指先への血行不良が生じてしまいます。
また、固定が長過ぎて患部の第一関節だけではなく、第二関節の屈曲が妨げられますと負傷していない第二関節の屈曲制限が生じてしまい、大変危険です。その上、隣接する指の関節までも可動域制限が生じてしまいます。
受傷時にはほとんど痛みが無かったのに、固定をしたらズキズキ痛んだり、痛みで目が覚めてしまったりする場合は非常事態です。
☞これも関節拘縮(関節の可動域制限)を生じる原因です。
アルフェンスや装具などの固定で長期間放置されてしまうと、取り返しのつかない後遺障害(可動域制限)が残ってしまったり、治療期間が長期に渡ってしまいます。治療が1年以上かかった方も多数おります。
整形外科医師の腱性マレットフィンガーに対する見解は以下の二つが多い傾向です。(患者さんが医師より言われた内容をまとめました)
①第一関節を長期間固定すると、屈曲制限が生じるため、あまり長くは固定を
しない方が良い。多少第一関節が完全に伸ばせなくても生活に支障はない。
②第一関節を長期間固定しないと真っ直ぐには伸びないので、6~8週間の
24時間固定をすること。それで伸びない場合には、10~12週間まで固定
を延長する。第一関節の多少の曲がり難さが残っても生活に支障はない。
当院はJR大船駅から徒歩1分で、大船駅は湘南新宿ラインなどのアクセスも良いため、遠方から来院される方が大変多い接骨院です。
腱性マレットフィンガーでお悩みの方は、遠慮なく下記の電話番号かメールにご連絡ください。
大船駅南改札(ルミネウイング側)東口より徒歩1分
鎌倉市大船1-23-31サトウビル1階
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