2020年04月08日|小児肘内障
4月8日水曜日は6時半には最後の患者さんが帰られ、7時前から片付けをしていました。7時過ぎに電話が有り、
「2才の娘が肘を脱臼したようなので、時間外に申し訳ないのですが,診ていただけますか?」と女の子のお母さんからでした。
車で来られるとのことで、少しお時間が掛かるようだったので、院内の清掃と共に消毒などを行い待っていました。
片付けもほぼ終わって、そろそろ患者さんが来られるかと思い外を観ると、ちょうど車が到着しました。外に出て接骨院の前に車を誘導し、挨拶も早々に待合室へ入っていただきました。
2才の女の子はパジャマ姿で泣いてはおらず、少し眠そうな感じでした。5才のお兄ちゃんも一緒でした。
3年前にお兄ちゃんも半年間に3回、右肘関節脱臼(小児肘内障)で来院していました。お兄ちゃんは5才になっていて、もう脱臼する事は無くなっていました。
待合室でお母さんに初診申込み用紙へ記入いただきながら、女の子にどのように負傷したかを尋ねました。すると、ソファーから後ろ向きで降りようとして、座面と右手が摩擦のように働いて、引っ張られたようになったと教えてくれました。
2才にしては、しっかりとした受け答えで、お母さんと私が「転んだりはしていないのね?」と尋ねると「うん」としっかりうなずきました。
女の子は昨年の12月に右足の小趾を打撲して、少し通ったことが有りました。
また、その時には先にお母さんが左足関節捻挫(靭帯損傷)で通われており、毎回一緒に来られていました。そのため、私には慣れていたので、整復時に少しだけ表情は歪みましたが、全く泣かずにすんなり整復が出来ました。
聞き取れるほどの整復音ではなかったですが、しっかりと整復音を触知出来ました。
下記は整復前で、右手は手の平を上に返すことが出来ません。
整復後は手の平を上に返すことが可能になります。
また、肘を曲げることも可能になります。
私はてっきりお兄ちゃんに手を引っ張られて、右肘関節脱臼(小児肘内障)をしたのかと思っていましたが、自分で負傷してしまったのですね。今回が初めてですが、今後お兄ちゃんのように3回も脱臼しないように気をつけてくださいね。お大事に。
昨日の午前中も保育園に通う、2才の男の子が左肘関節脱臼(小児肘内障)で保育士さんに連れて来られました。
先週の月曜の午前中も5才と2才の男の子が小児肘内障で来院されました。
3月24日の2才の女の子から小児肘内障の患者さんが続いております。
肘関節脱臼(小児肘内障)は大人の肘関節脱臼とは異なり、しっかりと整復されれば、すぐに手を使えるようになります。個人差は有りますが、頻繁に脱臼を繰り返す子供さんもおります。
(当院には5~10回急患で来院した子供さんが居ります。)
※身長差の有るお父さんとお子さんが手を繋いでいて、お子さんの手を
お父さんが強く引っ張った際に負傷されることが多い疾患です。
肘関節脱臼(小児肘内障)は成長とともに5才くらいになりますとし難くなります。小学生になればほぼ発症しなくなり、後遺症も残りません。
肘関節脱臼(小児肘内障)でお困りの際には、時間外や急患でも拝見しておりますので、遠慮なくお電話ください。
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2020年03月24日|小児肘内障
午前中の治療時間が終わり、12時15分過ぎに机で書類の整理をしていると電話が鳴りました。
電話に出ると、昨年11月末から今年の1月まで左上腕骨遠位端顆上骨折で通院されていた、2才女児のお母さんからでした。
先程、娘さんがお父さんと出掛けて帰ってきてから、右腕を痛がって全く動かさないとのことで、今は泣いている娘さんに昼食を食べさせているとのことでした。食べては泣いて、食べては泣いての繰り返しで、電話口にも娘さんの泣き声が聞こえました。
少し遠くにお住まいなので、13時半に来ていただくことにしました。私も急いで昼食を取り、1時20分ごろに4階の自宅窓から下の通りを見ていると、車で患者さんが早く到着されたので、すぐに1階の接骨院へ降りました。
1月以来でしたが、〇〇ちゃんは2ヵ月以上も定期的に通っていて慣れていたので、待合室の絵本を左手で取り出し、お父さんに読んでとおねだりしていました。特に泣くことも無く元気でしたが、その間右手は全く使いませんでした。右腕は写真のように肘が曲げられずにダランとしていました。
電話では、全く負傷の原因がわからないと仰っていたお父さんでしたが、よくよくお聞きするとやはり娘さんの右手を引っ張った覚えが有ると思い出されたようでした。
トレーナーを脱いでもらって、シャツの袖を肘の上までめくり左・右の肘関節を観察し、触診してから、お父様から娘さんの右手を引っ張ったと、はっきりとした負傷原因をお聞きできたので小児肘内障(脱臼)の整復をしました。
整復をすると、抱っこをしていたお母さんにも、はっきりと聞こえる整復音が得られました。
整復後、少しの間は右手を使わなかったのですが、間もなく写真のように手を使うようになり、ご両親も安心されておりました。
はじめての小児肘内障(脱臼)でご両親はとても驚かれたご様子でしたが、手首を強い力で引っ張らないように気をつけてください。もしも子供さんが一緒に歩いていて転びそうになったら、上腕をつかんでください。幼児には肩の脱臼は起こりませんのでご安心ください。再脱臼しないようにお気をつけください。お大事に。
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2019年12月30日|脱臼
年内は残すところ12月28日(土)と30日(月)の午前中で仕事納めでした。年末は患者さんも忙しくされているため、例年では暇になるのですが、優先予約制にしたこともあり、この2日間は予約で一杯になりました。
そんな12月28日土曜の早朝7時20分頃、接骨院の電話が鳴りました。
妻が電話に出ると「そちらは脱臼を診てくれるのですか?」と男性からの急患の電話でした。
電話を代わりお話を聞くと、昨日の午後3時ごろにお酒を飲んで酔って転倒された際に右肩を負傷され,ご自分の症状をネットで検索されて肩関節脱臼ではないかと思われたようでした。
私は昨日に転倒されて肩関節脱臼をしていたら夜眠れないはずで、負傷当日のうちに医療機関を受診されると思い、肩鎖関節脱臼ではないかと推測しました。
因みに現在通院中の左肩鎖関節脱臼の患者さんの外観です。こちらの患者さんも酔って階段で転倒してしまい負傷されました。左鎖骨の外端に段差が認められます。
さて、7時40分頃に患者さんが到着されたのですが、また接骨院の電話が鳴り私が電話に出ると、今度は町田市在住の腱性マレットフィンガーの女性の新患の方からでした。妻に接骨院へ降りてもらい、男性患者さんの受付対応をお願いしました。
腱性マレットフィンガーの女性は12月12日の負傷日に整形外科でこの怪我は治らないからと言われて、1週間ほどで固定を取られてしまい、今は固定をされておらず、左手第3指の第一関節は可なり曲がっているとのことでした。
予約が一杯だったので、午後1時に来院いただくようにお伝えして電話を切りました。
急患の右肩関節脱臼の男性患者さんですが、接骨院へ降りて直接お話を聞くと、警備員のお仕事をされている横浜市在住の66才の方でした。昨日の午後3時に餅つきをされ、その時にお酒を飲んでかなり酔われてしまったようで、つまずいて転倒されたのは覚えているものの、どのように負傷されたかまでは覚えていないご様子でした。
お仕事の服などで可なり重ね着をされていたため、患部の右肩が痛まないように、ゆっくりと右側から服を脱いでいただきました。整復前の外観が下記になります。
明らかに肩鎖関節脱臼ではなく、右肩関節脱臼(前方脱臼)でした。
やはり昨夜はあまり眠れなかったそうです。通常なら救急病院へ行かれ整復されていれば、昨夜は眠れたのではないかと思います。また、脱臼は時間が経てば経つほど整復が難しくなる疾患です。
超音波観察装置で脱臼の状態を観察すると、半日以上過ぎている為、大胸筋の牽引力で上腕骨頭が中枢へかなり転位しておりました。
私は4階の自宅に戻った妻を呼び戻し、動画撮影してもらいながら、整復を試みました。
取り敢えず呼吸法で、ゼロポジションまでは痛がられることなく挙上が出来ました。そして末梢牽引をしながらゆっくりと待ちました。
暫くしてから、上腕を外旋・内旋しましたが整復されず、もう暫く末梢牽引をして様子を見ました。
しかし、8時から予約の患者さん二人が待合室でお待ちでした。お一人は治療後すぐに仕事が有るため、一旦整復動作を止めて、予約の患者さんの対応をせざるを得ませんでした。
診療の開始時間も押し迫っていたため、妻には動画撮影を止めてもらい、いくつか他の肩関節脱臼の整復法を試みましたが、整復が困難でした。
尚、もう一人の8時予約の患者さんは、ご予定がないとのことで申し訳なかったのですが、暫く待っていただくことをお断りして、また右肩関節脱臼の整復動作を再開しました。
可なり汗もかいてきて、流石に牽引している手も疲れてきてしまったのですが、ゼロポジションの牽引を緩めずに上腕骨頭を腋窩から右手で押さえて、上肢を下方へ降ろしたところでやっと整復が完了しました。下記が整復後の外観です。
再脱臼をしないように、左手首を右手で持っていただき、背中に手を当てて補助しながらベッドに座っていただきました。利き手で不自由かとは思いましたが、アームホルダーという三角巾の代わりになるバンドで提肘固定し治療を終えました。
この後はすぐに警備のお仕事が有り、明日の29日(日)で仕事納めとのことでした。また、来年からは現場が地元の横浜になり大船には来られなくなるとのことでした。
当院への通院は困難なようなので、新年早々にでも、ご自宅近くの病院で骨折の合併症の可能性も有るため、精密検査を受けられるようにお伝えしました。
翌日、患者さんと連絡が取れたので、新年に患者さんが医療機関を受診される際、担当医師に写真を見せていただければと思い、上記の右肩関節脱臼の整復前と整復後の外観写真を患者さんに取りに来ていただき、お渡ししました。
お一人暮らしで、寒い冬の時期に屋外での警備の仕事は大変かと思います。
再脱臼されないこと、反復性に移行しないことを祈っております。お大事に。
年末で治癒になる患者さんもいれば、年末に転倒されてしまい、お正月を固定したまま過ごされる患者さんもおります。
入浴をされる際、患部を洗えずに過ごされる患者さんは、とてもお気の毒です。来年は怪我をしっかり治され、怪我の無い、良い年になる事を心よりお祈りしております。
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年末の12月28日(土)の早朝に右肩関節脱臼の男性が来院の続きを読む
2019年09月24日|小児肘内障
毎年、9月の連休には「敬身会」という私的勉強会が開催されています。
静岡県、京都府、新潟県十日町市、東京都、神奈川県の有志の柔道整復師が集い、一泊二日でホテルの会議室を借りて、初日の3時間は4人の先生が症例等の発表を行いました。翌日の3時間は前日の発表内容の疑問点等をディスカッションし肩の脱臼整復の実技等を行いました。
今年は9月22日(日)、23日(月)埼玉県羽生市のルートイングランティア羽生SPA RESORTに宿泊し、初日の勉強会の後には皆で温泉に入り、宴会では美味しい食事に舌鼓を打ち、美味しいビールを飲みながら、日頃の労をねぎらいました。
「敬身会」は臨床で疑問に思った事を経験が豊富な先輩柔道整復師に遠慮なく質問が出来て、先輩柔道整復師は包み隠さず自身の経験を踏まえて、手取り足取り指導してくださる素晴らしい会だと思っております。
今回は20代の若手柔道整復師が4名も参加し、急に若返り、52才の私も若手ではなくなってしまいました。
今回私は幹事を仰せつかっていたので、宿泊予約などの手配をしていたこともあり、早めに現地に着く予定でした。しかしながら、この敬身会のある9月の連休前後には必ず急患の連絡が入るのでとても驚かされます。
勉強会の初日には、2番目に発表することになっており、仕事が忙しく前日の深夜までパワーポイントで発表の資料を作成していました。深夜1時を過ぎてしまい、翌朝少しで完成のところまで仕上がったため、朝の7時30分に目覚まし時計をセットして床に就きました。
布団に入ると翌日のことを色々と考えてしまい、中々眠れませんでした。
敬身会の勉強会当日は、現地に午後2時の集合だったため、9時半に大船を出て現地で昼食を取ろうと考えておりました。
朝8時に珍しい左手第2手根骨脱臼のサッカークラブの中学生男子とテーピング固定の約束をしていたため、その後に発表資料を完成させて出発しようと考えつつ何とか眠りにつきました。
朝7時15分に接骨院の電話が鳴り、妻が電話に出てくれ、小児肘内障の2才女児の急患とのことでした。
電話を代わり、15分程で来られるとの事だったので、急いで洗面と身支度をして接骨院に下りると、7時30分には患者さんが車で到着されました。
運転席からお母さんが降りてきて、後部座席のドアを開けて、チャイルドシートから可愛らしい女の子を抱きかかえると、その奥から小学校の高学年と思われる女の子が降りてきました。
すぐに待合室に入っていただき、そのまま治療室の椅子に座っていただきました。
お母さんに負傷の原因をお聞きすると、一昨日の金曜の17時頃に、仕事が休みだったご主人が保育園へ娘さんを迎えに行き、その時に娘さんの両手首をつかんでぶらんぶらんと遊んであげていたら、急に泣き出して左手を使わなくなった様子でした。
来院時整復前の外観が下記です。左手をだらんとして2日以上あまり使わなかったそうです。
整復後の外観が下記です。
整復をすると、お母さんにも聞こえる整復音が聞こえましたが、女の子は顔を少し歪めただけで、幸い泣かれませんでした。
暫くすると、ボタンを押すと音楽が流れる絵本で遊ぶようになり、左手を普通に使うようになったので、お母様も安心されておりました。
また娘さんが肘の脱臼(小児肘内障)にならないように、手首は持たずに上腕を持ったり、脇から抱え込む様にして手首を引っ張らないように諸注意事項をお伝えました。
お子さんが4人居て、金曜はお母様が残業で帰宅が深夜12時だったそうで、ご主人が金曜日の負傷後すぐに連れて来られればと思ったのですが、今まで肘の脱臼(小児肘内障)をされたお子さんがいなかったため、娘さんが脱臼しているとは考えられず、そのうちに自然に治るだろうと思っていたそうです。
☞小児肘内障の場合には、受傷後すぐの脱臼時は泣いて痛がりますが、
その後は手を使わないだけで痛みをあまり訴えなくなります。
2日以上過ぎてから来院された肘の脱臼(小児肘内障)はとても珍しいですが、万が一肘の脱臼(小児肘内障)になってしまった場合には、様子を見ずにすぐに来院下さい。お大事に。
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2019年01月25日|脱臼
今日の午後3時に1才2か月の可愛らしい女の子がお母さんと一緒に来院されました。
左右の手を使って特に泣いていることも無く、どうしたのか不思議に思いながら治療室に入っていただきました。負傷の原因をお母さんにお聞きすると、お子さんをお腹の上に載せてお子さんの手首を持って腹筋の真似ごとをしていたら、急に泣き出して右手を使わなくなったようでした。
しかしながら、おもちゃを渡しても右手を伸ばしてきておもちゃを手に取り、普通に左右の手を使っていました。
お母さんも困惑して「何でもなかったようで、すみません」と言われましたが、左右の手の使い方の違いに気づきました。
というのは、左手は手の平を上に向けておもちゃを持っているのですが、右手は手の平を下に向けたままで前腕を回外出来ない状態でした。
試しに右手を持って前腕を回外させようとすると、嫌がって少し泣きそうな表情になりました。
念のために超音波観察装置で左右の右肘の腕頭関節を観察すると、右肘にはJサインが認められ、炎症の反応も有りました。左肘には認められませんでした。
お母さんに小児肘内障(小児に特有の肘の輪状靭帯の脱臼)であることをお伝えして、しっかりと抱っこしていただき整復しました。
するとお母さんにも聞こえる大きな整復音があり、整復されました。
女の子は少しだけ泣きましたが、おもちゃであやすとすぐに泣き止み、おもちゃで遊び出しました。
お母さんに再脱臼しないように、お子さんに洋服を着せる時や入浴後のタオルで手を拭く時などには再脱臼しやすいので、手首を引っ張らないように注意していただくようご説明して治療を終えました。
初めての小児肘内障とのことでしたが、また、脱臼しないように気をつけてください。お大事に。
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2018年12月01日|脱臼
9月30日、10月1日、10月5日に右肩関節脱臼で来院された男性が、ご紹介先の整形外科での鏡視下によるバンカート損傷修復オペと入院を終えて、11月30日に当院でのリハビリを希望されて再来院されました。
患者さんは下記の右肩関節脱臼整復後のレントゲン画像のように、肩甲骨の関節窩に剥離骨折を認めておりました。 ☞骨性バンカート損傷
10月中旬に入院され、翌日にオペをされました。約1か月の入院の後、2週間程は通院でリハビリをされておりました。しかし、就労に復帰されるとそちらの病院へは通院が困難なため、当院のリハビリを希望され、紹介先からの後療依頼の書類をお持ちになりました。下記写真のように来院時の鏡視下オペの傷痕はわずかで、低侵襲手術の凄さを感じました。
まだ術後、約1ヶ月半なので可動域制限を残してはおりますが、12月からは長く休まれていた溶接のお仕事にも復帰され、ホッとされている事と思います。
リハビリは長期間を要すと思いますが、以前のように左右の差が無くなるまで右肩関節の可動域制限を改善していきましょう。お大事に。
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2018年10月15日|小児肘内障
月曜の午前11時ごろに初診の患者さんで、4才の男の子をお母さんが連れて来られました。
東京にお住いの方で、ご実家に帰られていた際の負傷のようでした。
負傷の原因をお聞きすると、息子さんが朝トイレに行き戻ってきたところ、まだ眠かったのかカーペットの上でゴロゴロしていたら急に左手を痛がり使わなくなった様子でした。
誰も負傷したところを観ていなかったそうですが、転んで手を着いた様子はないとのことでした。
お母さんが息子さんに確認して「転んだりしていないね」と聞くと「うん」とうなずきました。
以前に一度だけ左肘を急に使わなくなったことがあったそうでしたが、暫くして自然に使うようになり治ってしまったとのことでした。
負傷後も泣いたりはせず、強い痛みを訴えてはいない様子でしたが、 お母さんの同意を得て念のため超音波観察装置(エコー)で患部を確認することにしました。
すると、健側の右肘の腕頭関節部に比べ、 患側の左肘の腕頭関節部には小児肘内障特有のJサインが観察出来ました。
整復後も同様に左肘の腕頭関節部を観察するとJサインの消失が確認出来ました。
整復後すぐにはためらって猫バスの動くおもちゃを使わなかったのですが、間もなく右利きにもかかわらず脱臼した左手でしっぽを引っ張って遊びだしました。
最後に、息子さんが左肘関節が右肘関節と同様に最大屈曲出来るようになったことをお母様に確認して頂きました。
「保育園へは明日から行っても大丈夫ですか」と聞かれたので、
「保育園には明日から通常通り行かれても大丈夫ですよ」と伝えました。
また「今夜の入浴についても左手首を急に引っ張らないように気を付けていただけば大丈夫です」と伝えました。
もう4才なので小児肘内障は起こりにくくなっており、5才になれば小児肘内障はほぼ生じなくなります。
小児肘内障後のすぐには再脱臼しやすいので、再脱臼をしないようにその他の諸注意事項をご説明し治療を終えました。
これから東京のご自宅へお帰りになるようで、接骨院を出るとお母様の右手に息子さんの左手を繋いで歩いて行かれたので、冷や冷やしながら見送りしました。
また小児肘内障(脱臼)にならないように気を付けて下さいね。お大事に。
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左小児肘内障(肘の脱臼)の4才の男の子が月曜日の午前中に来院の続きを読む
2018年10月06日|脱臼
深夜の3時に接骨院の電話が鳴りました。当然夫婦共に熟睡していたのですが、電話の音で目が覚め、妻が電話に出ると先日の右肩関節脱臼の男性の奥様からでした。
すぐに私が代わると「深夜に本当にすみません。主人がまた肩を脱臼してしまって、とても痛がっているのですが、どうしたら良いでしょうか」とのこと。電話口からご主人のうめき声が聞こえてきました。
どうも就寝中、無意識に右へ寝返りを打った時に右肘がつっかえ棒になり、再脱臼してしまった様子でした。
患者さんはうつ伏せのまま、痛みで寝返りも立ち上がる事も出来ない様子でした。電話で奥様に色々と指示しながら何とか起き上がってもらい来院頂こうと試みましたが、可なりの痛みで無理なようだったので往診することにしました。大船駅の西口の方で、徒歩15分程度でしたので3時30分過ぎに身支度をして出かけました。大船駅前ではマクドナルドの新築工事をしておりました。
大船駅の改札周辺には数人の人が居りましたが、まだ電車は動いてはおりませんでした。改札を通り過ぎ、大船駅の西口へ降りて、右側の柏尾川沿いの道をとぼとぼと歩いて行きました。
4時少し前には到着し、マンションの手前まで奥様が出てきてくれていました。
大分以前に高齢のおばあさんの往診をしたことのあるマンションで、懐かしく思いながら2階のご自宅を案内されました。
ご主人は先程やっとの思いでうつ伏せから布団の上に座った状態になりお待ちでした。折角座って頂いたのですが、すぐに布団へ上向きに寝て頂きました。
下記がその際の整復前の外観写真です。
前回同様、ゼロポジション法でゆっくり挙上しながら整復するとすぐに整復されました。下記が整復後の外観写真です。
10月1日月曜日にクリニックへ診察依頼したところ、X線検査上肩甲骨の関節窩に、先日の脱臼時に生じたと思われる剥離骨折(バンカート損傷)を認めました。そのため、反復して脱臼してしまう状態になっているので、肩関節の専門医に紹介状をお書きしました。10月4日木曜に受診されて、10月16日入院、10月17日に手術が決定しておりました。
その翌朝の再脱臼でした。
手術の日まで再脱臼を繰り返されないように、接骨院で下記のような鎖骨骨折用のバンドを装着して頂きました。
入院が16日間、オペ後の外転挙上固定が6週間で、暫く自動車の溶接作業の仕事が困難となってしまいますが、しっかり治されれば再脱臼をしなくなりますので、リハビリを頑張って頂けたらと思います。
くれぐれもお大事になさって下さい。
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2018年10月01日|脱臼
昨夜は台風の強風で中々寝付けず、眠りについたのは深夜2時頃だったと思います。
朝の5時に妻が目を覚ましたので、私もつられて目を覚ますと接骨院の電話が鳴りました。妻が電話に出ると 昨夜の急患で拝見した右肩関節脱臼の男性の奥様でした。
先程、ご主人が布団から起き上がろうとして右手を着いた際に右肩関節を再脱臼されてしまったようで、かなり痛がっている様子でした。
すぐに来院されるようにお伝えして、接骨院に降りて待っていました。
お住まいが大船駅の観音様側(西口)の患者さんで、徒歩だと15分以上はかかると思いましたが、中々お見えにならないので、接骨院の前の道路に出て、大船駅の方を伺っていました。暫くして5時45分頃に右肩をかばいながらゆっくりとした足取りで、患者さんが到着されました。
整復前の写真を撮り、すぐにベットへ横になって頂きました。
勤務柔道整復師の杉本さんはあまりに早朝なので、流石に内線を鳴らして呼ぶことはやめ、一人で整復することにしました。
患者さんに許可をいただき、三脚を立ててデジタルカメラを固定して動画撮影をしました。
昨夜ほど脱臼されてから時間が経っていなかったこともあり、ゼロポジション法で3分少々で整復されました。
【整復前】 右肩関節前方脱臼時
【整復後】
整復後は再脱臼しないように、伸縮性テーピングも加えて提肘しました。
これでゆっくり休めますね。お大事に。
つづく、、、
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2018年09月30日|脱臼
9月30日は午前中に公益社団法人神奈川県柔道整復師会学術大会があり、新横浜の会館へ行きました。
お昼を挟んで午後2時までの予定でしたが、台風の影響を考慮して休憩なしで、昼過ぎに終わりました。電車は動いていたので、新横浜駅で昼食を済ませてから帰宅しました。
妻と西友へ買い物に行き、帰宅してから一緒に夕食の支度をしていると、19時20分頃に接骨院の電話が鳴りました。
妻が電話に出ると、以前も通院歴のある男性からでした。旅行先で転倒して肩を痛めてしまい、腕が上がらないようで20時頃にはこちらへ着くとのことでした。
急いで食事を済ませて接骨院へ降りました。暫く待っていると、台風の影響で風が強くなってきました。
ニュースで20時にJR線は全線ストップすると聞いていたので、患者さんが来られるのか心配したのですが、20時を少し過ぎたところで到着されました。
負傷されたのは右肩でした。患者さんは幸い左利きだったので、初診申込み用紙に記入いただきながら負傷原因をお聞きしました。
患者さんは「骨折も脱臼もしていないと思います」と言われ、顔をしかめるような痛みを訴えてはおりませんでした。
ご友人と岩手県と宮城県へ旅行に行かれ、16時に岩手県で道を歩いていて、道路に土の露出しているところがあり、そこに足を滑らせて転倒してしまい、右肩を強打したとのことでした。
一通りお話をうかがったところで、着ているシャツを手伝いながら脱いでもらいました。
左右の肩を比べると明らかに異なる肩関節の状態が観察出来ました。
肩を強打されたなら上腕骨近位端骨折の疑いがありますが、 痛みもそれほど強くはなく、右手掌には手を着いた跡が有りました。外観上からも右肩関節脱臼であると思われました。
患者さんに写真を見ていただいて「これは右肩関節の脱臼ですね」と伝えると、
「以前も右肩を脱臼したことがあります」と言われました。
パソコンで履歴を検索すると、平成19年の1月5日から当院での治療歴がありました。その際には元旦に脱臼され、戸塚の総合病院の救急外来を受診され、その後の治療で来院されたのでした。
患者さんに説明をしていると奥様も駆けつけてくださいました。
午後4時に受傷されて既に4時間を経過しており整復に時間を要すと思い、また症例として、動画撮影をしたかったので、勤務柔道整復師の杉本さんを呼んで、整復動作の動画を撮影してもらい整復を行いました。
外転挙上では整復されず、ゼロポジション法で整復をしたところ、少し時間を要しましたが、4分程で整復されました。
整復後は右肩のくぼみが消失しています。
「休みの日に診て頂いて本当に良かったね」と奥様が言われて
患者さんからは「本当にお休みのところ有難うございました」と言われたので、
「こちらこそ肩の脱臼の貴重な症例を拝見できて良かったです」と言うと
「そうなんですか」と笑われました。
脱臼後は再脱臼しやすいため、寝返りや服の脱ぎ着などには充分に注意していただくようお伝えしました。奥様が来てくださったので、ご主人の旅行の荷物は奥様が持って、お帰りになりました。くれぐれも再脱臼されないように気をつけて下さい。お大事に。
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